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2016年6月 8日 (水)

■0608-2■

レンタルで、『ドローン・オブ・ウォー』。
Main_largeラスベガスの空軍基地で、ドローンを遠隔操作する元パイロットの体験した実話。
当初は、テロリストの実行犯暗殺を担当していたチームが、CIAから特殊任務を命じられる。淡々と、いやになるほど延々と、ドローンからの空撮映像を見せられる。見ているこっちが、おかしくなりそう。


主人公が子どもたちを車で迎えにいく、その平和な駐車場のシーンが、空撮カット。見ているこっちは「空撮=攻撃」という回路が、頭の中に出来ているから、ドキッとさせられる。
だけど、シーン転換にテンポをつけるために、たまたま空撮カットにしたのかな?と思っていると、今度は、主人公が自宅の庭で芝刈りしているシーンの冒頭が空撮カット。カメラが地上に切りかわると、彼は奥さんにドローンで攻撃されるテロリストたちの心境について語る。確信犯的演出だ。
さらに後半、奥さんが出ていった自宅の映像が空撮カット。直後、主人公が自分で叩き割った鏡が映る……まるで、自分が空爆したかのような、無人の家。

あざとさギリギリの演出だけど、こうしないと、主人公の異常な心境は伝わらない。映像って、思ったより不便なんだと分かる。
空軍チームの人物造形が、無理に個性をつけようとせず、ほどほどにリアルで良い。チームのメンバーが、砂漠をこえて歓楽街まで飲みにいき、ラスベガスを「文化の果つるところ」と自虐的に呼ぶシーン、風情があってよかった。
強烈ではないけど、誠実で信頼にたる映画。100分という短さもいい。


昨夜書いた、ゲーム会社の「何もない」リーダーさんの話()。
どんどん思い出してきた。めずらしく、何の好みもこだわりもないリーダーさんが、社内BBSで若いグラフィッカーと議論したことがあった。
そのグラフィッカーは専門学校を出たばかりで、とにかくギラギラしていて、「どんなゲームになるのか分からないけど、かわいい猫耳少女を出したい!」って、BBSに書き込んだんですよ。

その発言に、「何もない」リーダー……NNさんとでも呼ぼうか、リーダーさんが噛みついたんだよ。「そういう、一部のマニアに受けるようなゲームにするつもりはない」って。
で、若いグラフィッカーは「俺がデザイン描いてもいいっすか? NNさんが萌え萌えになってしまう(当時、萌え萌えって言い方が流行っていた)ような、かわいいキャラが出来あがる知れませんよ?」って、挑発するわけ。
だったら、好きに描かせたほうがいいじゃない? 若いんだし、どんどんトライさせればいい。だけど、NNさんは「萌え萌えかあ……そう言われてしまったら、俺も引っ込みがつかないな」「はっきり言うと、美少女萌えとか、ああいう文化が昔から気に入らなかった」と、また無味乾燥としたことを言い出すんだよね。
そうやって、人のやる気にアイロンをかけて、地ならししてばかりいる人なんです。

オタクの中でも、萌えとか美少女をかたくなに否定する人は、たいてい面白くない。
「巨大ロボ」とか「ミリタリー」を硬派な男らしい趣味と定義しながら、萌えを「軟派で情けない趣味」として対置させている人は、価値観を広げられない。
「俺自身は萌えって分からないけど、アナタが好きなら好きで結構なことですよ」って余裕がない。なんでかなあ、アレは。
(今は、萌えとミリタリー両方好きな人が当たり前だけど、たまにいるよね。萌え嫌悪な人。)


もう、いっぱい書くべきことを思い出してきたんだけど……。
そのNNさんが、前にいた大会社で、面接官をやったことがあったんだって。その面接を受けた人が、こんな話をしていた。
待ち時間があったので、手持ちぶさたにしていると、NNさんが「これを読んで待っていてください」と、会社案内のパンフレットを持ってきた。そのパンフを読み終わっても、まだ時間があるから、「あの、パンフレットは読みおえてしまいました。どうしましょうか?」って聞いたら、NNさんは「もう一度、頭からパンフレットを読み返してください」。

それ、パンフの中身がどうとかじゃなくて、「読む作業」を強いているだけだよね。
NNさんにとって、「読む」という行為は「時間をつぶす作業」以上のものではなかったんだなあ……と納得して、まだまだNNさんとの日々は続くのでした。
これはルポルタージュではなく、小説にしたいです。殺伐とした非創作的な人間を描く、理解することが、この上なく創作的な行為に思えてきた。

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