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2016年5月25日 (水)

■0525■

モデルグラフィックス 2016年 07 月号 発売中
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●組まず語り症候群 第43夜
小さいころから、ちょくちょく見かける「塗料のセットされたプラモデル」を取り上げてみました。
「すすさん勝手に立体化計画」は、今回からファンド製フィギュアの経過写真を載せはじめました。「こんなんで大丈夫なのか」と不安に思うだろうけど、なぜか「ちゃんと落ちつくところに、落ちつくのだ」ということだけは分かる。たぶん、歳をとったからでしょう。
常に、「こういう落着のしかたをするはず」と分かってから、仕事を始めるようにしています。


アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』がシーズン2に入り、かなり面白くなってきた。
Relics_of_the_old_republic_thumbシーズン1は、華やかだった共和国の時代を知らない戦後生まれの若者が、はぐれ者のジェダイ騎士に師事する、エピソード4のプロットをなぞった構成だった。ところが、シーズン2からは、旧三部作の要素だけではなく、新三部作の置きみやげを積極的に使いはじめた。クローン・トルーパーの生き残りが、エピソード2に出てきたAT-TEを住居にして、ひっそりと暮らしているストーリーから始まる。
だが、ジェダイ騎士の末裔からすれば、クローン兵は仲間を殺した敵なので、手を組みたくない。ここに「帝国軍vs反乱者」という図式とは別の、歴史的・民族的コンフリクトが生じる。そして、第3話で、クローン兵たちは初めてAT-ATを目の当たりにして、その大きさに驚く。
AT-TEは20年以上前に配備された旧式機のはずだが、作品が作られた時期が新しいため、AT-ATよりもデザイン的に洗練されてしまっている。また、小型のほうが機能的で機動性が高いように見えてしまい、当時からデザインの志向性が尖りすぎているのではないか……と、気になっていた。だが、両方を同じフレームに入れると、味方側のAT-TEは小さくて頼りなく、AT-ATは無機的で堅牢に見える。

まず、AT-TEには主人公たちが乗りあせているので、人物と絡んだショットが多い。外観をとらえるときも、真横にカメラを置いているので、そのポンコツなルックス(砲座は人がむき出しになっているし、手すりやハシゴが多い)とあいまって、身近な感じがする。
一方、AT-ATは、あおりのアングルばかりで威圧的だ。3機ともまったく同じ形をしているので、冷たい印象を与える。
僕は、このような対比や描きわけこそが「ドラマ」だと思う。人物が叫んだり感情を発露しないとドラマにならない、などと思っていると、映像作品を見ている意味がない。


ついでに書いておくと、僕はエピソード2で、ルーカスが旧作よりも「進んだ」「今風の」デザインを採用したことは、誤りではないと思う。
作品内の時代設定や整合性を気にしすぎて、控えめなデザインにしてしまうのは本末転倒といった気がする。新三部作は、単に「前日譚をつくった」などという単純な試みではなく、旧三部作のバージョンアップ版だと僕は考えている。なので、最先端のデザインや映像技術を全投入するのは当たり前。ファンの目線をびくびく気にしながら、及び腰で作られた最新作とは、そこが抜本的に違う。

本の宣伝で「絶対に泣ける!」というキャッチコピーがあったが、「知恵」や「工夫」に感動した経験のない人の言葉だろう。
だけど、みんなが「泣けるかどうか」を気にしている社会は、それだけストレスが強いということでもあるので「泣くために作品を利用するな」とは言い切れない。

(C)Disney

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