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2016年5月21日 (土)

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アニメ業界ウォッチング第21回:広報担当から見た10年目の「ゼーガペイン」 廣岡祐次(バンダイビジュアル)&渋谷誠(サンライズ)インタビュー!
T640_706268新作やイベントが待機中の場合、宣伝会社やメーカーさんがインタビューを提案してくるのが通例です。むしろ、僕らのような仕事は、半分以上がパブリシティといってもいいし、それで食えてしまうとも思います。
なので、いま僕から『ゼーガ』のインタビュー記事を(しかも宣伝担当の方に)お願いするのは、「おおきなお世話」だったとは思います。
ただ、「え? そうだったの?」という新しい情報も聞けました。けっこう、「これは聞いてもいいのか」「話してもいいだろうか」と、確認しながらの白熱したインタビューでした。もちろん、原稿に書けなかった情報も、いっぱいあります。


ちょっと前に耳にして、どうしても気になっていることなんだけど……。
映画は人間の感情を描くものであって、政治や歴史を描くものではないんだそうです。何よりも、気持ちが大事なんだそうです。そのように考えてる人が多いから、日本映画は絶叫するシーンが「感情の発露」の記号になって、「がんばったけど、ダメだった」「今の自分を変えなきゃ、でも変われなかった」みたいな、現状肯定型のプロットが増えたんじゃないんだろうか?

「政治や歴史は堅苦しいから描かなくていい、もっと感情や気持ちを描くべき」という考えは、僕らの生活が政治や歴史の一部である事実に無自覚・無頓着すぎるし、何より、負け犬の発想だと思います。
別に革命をおこして現政権を打倒しろとかいう話ではなく、僕らが義務教育で最初にやられたのが「自尊心の剥奪」だからです。大人が正解を隠して、30人か40人の同年齢の子たちにヨーイドンで探させる……というアレです。学校の教室が発生させるのは、コンプレックスとアパシーです。


コンプレックスとアパシーにまみれた負け犬のままだから、「感情描写=大声で叫ぶ、泣く、笑うオンリー」といった不感症に罹患してしまうのではないでしょうか。
不感症は言葉に不自由しないから、何を見ても「まっとうなエンターテイメント!」「これぞ王道娯楽!」「原点回帰!」しか、口にしなくなってしまう。
さもなくば、「映画の見方には正解がある」「それを見つけられた俺の勝ち」「見つけられなかったら負け」……映画にかぎらず、コンプレックスの強い人ほど、「答え」があると信じたがる。

その「どこかに正解があるに決まってる」という世界の把握のしかたと、マンガの実写映画化で「そっくりさん俳優」を見つけてきて「似ている!」と評価したがるのは、通底してるんだろうな。
何かを誉めるときに「合格」という言い方があるけど、僕は好きじゃないです。


「セクハラ」と批判 「ちょうどいい感じの美人な人事担当者」会社説明会が中止に
「美しすぎず、ちょうどいい感じの美人」と、自社の社員をセールストークに使っただけで「セクハラ」「性差別」なら、もう文明は滅びますね。
映画に「美人女優」が出演していたら、もう上映中止でいいんじゃない? 

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