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2016年5月15日 (日)

■0515■

ホビー業界インサイド第11回:超合金から食玩まで、オモチャに捧げた半世紀! トイ・デザイナー、野中剛インタビュー!
T640_705794これまで、「超合金Walker」などの取材で同席させていただいてきた野中さんに、初の単独インタビューをお願いできました。
僕は野中さんの作ってこられた超合金やヒーロー玩具が好きだから、取材したわけではありません。
「モチーフが好きだから、そのモチーフを作った人に取材する」ような、単純なことではダメだと思います。少なくとも、野中さんに対しては、それではダメだと思いました。

僕は、野中さんが好きなモチーフをどう仕事に落とし込んで、どこまで趣味性と拮抗させて、「好き」「欲しい」という気持ちを昇華しているかに興味があります。
また、彼の貪欲な、傲慢と受けとられかねないほどのバイタリティにも、惹かれます。
「好きなアニメや特撮が同じだから」という理由で仲がいいより、「好きなものは重ならないけど、精神性に惹かれる」ほうが、得るものは豊かだと、僕は信じています。


僕と野中さんが初めて顔をあわせたのは、実は30年前です。
株式会社ウェーブの依頼で、僕は『聖戦士ダンバイン』のライネックのソフビ・キットの原型を作っていました。結果からいうと、あまりに出来がイマイチなため、ベテランのモデラーさんに引き継いだのですが、大学からの帰り、毎日、ウェーブさんに寄って、原型をいじっていました。
そこへ、「彼がライネックのパッケージ・イラストを描いてくれる野中君」と、ウェーブの社長に紹介されたのでした。

僕はプロモデラーとしては挫折、敗走することになりますが、野中さんは20歳ごろの仕事を貫いているわけです。そうすると、自分の穴だらけの人生を振りかえる契機にもなります。
野中さんは超合金魂というブランドを成功させて、そのとき、僕はまだライターですらなくて、映画監督になる夢をあきらめかけながら、地味なアルバイトを転々としていました。
あの孤独なような、だけど夢だけは捨てきれず、今よりは人と会って話すことの多かった日々を、今なら「そんなに悪くなかったんじゃないかな」と思えます。何も手に入らなかったけど、いっぱい本を読んで、いっぱい映画を見て……もしかすると、今より充実していたかも知れない。


で、同じころ、野中さんはバンダイ社内で企画を成功させていたわけです。
すると、50歳になった今、ある程度の満足感は得られているんじゃないか……。50歳って、「もう、これでいいか」って思えてしまう年齢なのかも知れない。それと、「残りの人生で、これぐらいはやれるな」と、自分の力量、度量も見えてくる。「これを自分の残り人生にプラスオンしたいから、ここは軽くしておきたい」という判断もできるわけです。

いま、昼夜をとわず単行本を書いているけど、「文体の美しさは枯れてしまったけど、取材の方向や厚みは、間違ってなかったぞ」と手ごたえを感じています。これは、50歳を前にした、しかも人生が思いどおりに行かなかった僕にしか書けない、片想いのラブレターのような本なので、書いても書いても、決して満たされることはない。
資料的に正確なのかというと、そこまで客観的な本ではない。資料だったら、誰か他の人が整理したほうがいい。

ただ、明らかに「いつもの仕事」とは違う、異次元のようなモードに入っている。第一章の熱量がものすごいんだけど、数日前に書いたはずなのに「どうやって書いたんだっけ?」と、他人が書いたような感じ。コントロールはできていない。でも、だからこそ異様な混沌に満ちた本になると思う。
信じられないけど、来月発売です。告知とか宣伝とか、いつからやるんだろう。分かったら、このブログで発表します。

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