« ■0302■ | トップページ | ■0306■ »

2016年3月 5日 (土)

■0305■

吉祥寺オデヲンで、『オデッセイ』。僕はケチなので、試写会で見られなかった映画に、あまりお金を払いたくないのだが、今月は誕生月なので、割引サービスで見られた。
Sub3_tif_rss_0003_fr_n_left_largeリドリー・スコットといえば、西欧文化と対極にある異文化を対置させるのが好きな監督なので、中国国家航天局が出てきた理由は、そうした嗜好から推察すべきではないかと思う。
だが、『ブラック・レイン』では好奇心旺盛に大阪までロケしに来ていたリドリー・スコットは、いまや毎年超大作を公開する大御所ヒットメーカーだ。火星まで日帰りで、さっとロケしてきたようなラフさが漂う。もっとも、その人懐っこさがヒットの要因だろう。

ノストロモ号から、「南極管制センター」に機械的に呼びかけをつづける、リプリーの冷たい声。『エイリアン』の絶望的な距離感覚は、はるかに遠くなってしまった。 


エイブラムス監督、『スター・ウォーズ』に同性愛者も(
『スター・ウォーズ』新ヒロインはなぜ男の手を振り払ったのか? フェミニズムの観点から見る最新作(

「世界一子供じみていた娯楽映画の続編を、どこまでポリティカル・コレクトネスで染め上げられるか?」という実験場の様相を呈してきた、新シリーズ。それはそれで、興味深い。
だが、どちらの記事もフェアじゃない。多くのファンに忌み嫌われている、新三部作(エピソード1~3)を、あまりにも軽視している。
どちらの記事も間違えているが、女性のジェダイ騎士は、新三部作に何人も登場している。エピソード1では、ジェダイ評議会のメンバーは人形や特殊メイクのエイリアンばかりで、俳優の顔が判別できるジェダイ騎士は、わずかに3人。そのうち一人が、サミュエル・L・ジャクソン演じるメイス・ウインドゥ。後の2人は、女性なのである。初期のジェダイ評議会には、白人男性が一人もいなかったのだ。

エピソード2のクライマックス、闘技場での戦闘シーンには、女性のジェダイ騎士がさらに多Aotc5 数、登場する。アイラ・セキュラのように人気者となり、エピソード3にも引きつづいて登場した女ジェダイもいる。ちゃんとライトセーバーを振るっているので、思い出してほしい。
公開当初は、大きなマスクをかぶったエイリアンまでもがジェダイ騎士として登場する雑多なビジュアルに、かなり白けたものだった。何か統一感がなければ、しまらない。実際、エピソード2で大勢のジェダイ騎士が現れるシーンは、ちょっとカッコわるい。
だが、どんな崩れたビジュアルになろうと、ルーカスは猥雑で多様性に満ちあふれた銀河を描きたかったのだろうな……と、今なら分かる。

というのも、『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』に、驚きの裏設定が記されているからだ。1978年、第一作の『スター・ウォーズ』の奇跡的ヒットの翌年、『スター・ウォーズ・ホリデー・スペシャル』なるテレビ番組が企画され、ルーカスはウーキー族の惑星を舞台にすることを思い立つ。
その際、脚本家チームのひとりに「ハン・ソロがウーキー族の雌と結婚している」設定を言い渡したのだ。異種族の間で婚姻が成り立つような、多様性ある銀河。貪欲で好戦的で、バイタリティにあふれた世界……その自由奔放なイメージは消え去ることなく、エピソード2の脇役キャラが体現することとなる。オビ=ワン・ケノービの古い友人デクスター・ジェットスター。彼は四本の腕を持つカエルのようなエイリアンだが、彼の妻は、普通の人間なのである(水色のドレスを着た女性で、ちゃんと画面で確認できる)。

アニメーション『クローン・ウォーズ』の主人公は、アソーカ・タノという14歳のジェダイ見習いの少女だ。彼女は成長して、最新のアニメ『反乱者たち』に再登場している。『クローン・ウォーズ』には女性のシス、アサージ・ヴェントレスも登場する。
『クローン・ウォーズ』の時点では、まだルーカスが総指揮をとっていたことを、忘れてもらいたくない。「男しかジェダイになれない」なんて偏狭なルールは、ルーカスは一度たりとも敷いていないんだから。

「ルーカスや新三部作を好きになれ」などと言うつもりはない。ただ、ほとんどの人々が「甘く見すぎ」、ちょっと油断しすぎなんじゃないだろうか。

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
(C)Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

|

« ■0302■ | トップページ | ■0306■ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■0305■:

« ■0302■ | トップページ | ■0306■ »