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Febri Vol.33 発売中●Febri Art Style
『ブブキ・ブランキ』の美術監督・美術設定の金子雄司さんに、インタビューし、美術ボードを選んで構成しました。
この連載は、いつも「どのアニメの背景がいいですかね?」という編集さんとの会話から始まります。僕が候補にあげた作品が、さまざまな理由でNGになる中、編集さんから提案されたのが『ブブキ・ブランキ』でした。
金子さんには『キルラキル』でインタビューしているし、僕は返事を留保しました。番組の第一話を見て、『ブブキ・ブランキ』でいきましょう、と決めたのです。
アニメ業界へのインタビューは、制作サイドが「今期はコレを売りたいから、よろしく」と提案してくる場合が、大半だと思います。
それではパブリシティにすぎず、制作サイドの意向にそわねばなりませんから、最近は自分から取材交渉するようにしているのです(Febriの場合は、もちろん出版社がリスクを背負っているので、僕の好き勝手にはできませんし、パブリシティを上手く使って面白い記事にするのも、ライターの腕です)。
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児童ポルノ規制法違反のニュースで、押収品としてフィギュアが使われた件(■)。
NHKに取材場所が愛宕警察署であることを確認しましたので、本日18日、公開質問状を同署に送らせていただきました(内容証明郵便にて)。
質問内容は、大まかに言うと「児童ポルノ規制法は、フィギュアを取り締まる法律ですか?」「フィギュアが規制対象になっているかのような誤解を与えていませんか?」です。
Twitterを見ていると、「児ポ法とフィギュアは、関係ない」という常識が、広く浸透しているかに見えます。
しかし、NHKニュースを見た一般の方たちは、「フィギュアも禁止対象」「フィギュアを持っている人は疑わしい」と認識したのではないでしょうか。愛宕署は、フィギュアを作ったり、集めたりする趣味を冒涜していないでしょうか。
「冒涜」は誇張表現にしても、少なくとも児童ポルノ規制法のマイナスイメージを強調するため、「フィギュアがダシに使われた」ことは明らかだと思います。
フィギュア愛好家として、この件に関しては、はっきりと立場表明しておきたいと僕は思います。公開質問状の回答シメキリは、来月18日としました。この日までに回答がなくとも、次のアクションを起こします(回答がないならないで、愛宕署の無知で不誠実なイメージが増すだけですので)。
「Twitterで意見を言う人は多かったが、実名で抗議した人間は皆無だった」という情けない事実だけは、残したくないのです。
だって、みんな、フィギュア好きでしょ? あんな禁制品みたいな汚い扱われ方をされて、腹が立たないんですか?
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本当に偶然なのですが、このニュースを知ったとき、僕はフィギュアを使ったイベントを企画しはじめていました。
それはまさに、「フィギュア趣味を社会に認めさせること」が目的だったので、過剰に反応しているのかも知れません。
僕は毎日、海外のオモチャや彫刻の画像を、Twitterに(引用元を明記したうえで)アップロードしています。国内では「わいせつ物」と見なされるであろう淫靡な彫刻も、海の向こうでは立派なギャラリーに展示され、ちゃんと値段がついています。
僕には、すばらしい立体把握能力と再構成能力をもつ日本のフィギュア・モデラーと、海外の彫刻家(スカルプター)の差異が分かりません。垣根を取り払って、オープンな表現の場をつくりたいのです。
そのためには、「出版社やDVDメーカーが権利を握っている」キャラクター・グッズ業界とは、いったん、距離を置く必要があります。
「フィギュアって、アニメの人形でしょ?」程度の非マニア層に、個人制作のフィギュアの美しさを知ってほしい、間近で見てほしい。いつも決まった場所で、いつも同じ人が見ている閉塞状況を、打破したいのです。
一年後ぐらいに開催すりゃいいよね……と、のんびりとタカをくくっていたのですが、急がないと場所を確保できないことが分かってきました。大急ぎで資金を集めても、開催は一年後になってしまいます。もう迷っていられません。
おそらく、このイベントが40代最後の仕事になるでしょう(儲からないでしょうけど……)。
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