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2016年1月 8日 (金)

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明後日、10日(日)は、スーパーフェスティバル70()に出店します。
New_fig50s_vol2__copy1_2ブース番号はD-20、ディーラー名はHard Pop cafeです。中古のプラモデルや玩具のほか、フィギュア同人誌[Fig 50's](フィグ・フィフティーズ)の第2号を販売します。

また、コミケで販売されたクラッシャージョウ&ダーティーペア合同誌「スペースポート」も、委託販売します。


約970ページの『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』を読了した。
51ltm7h1m0l_sx350_bo1204203200__2啓文堂のレシートを見ると、僕がこの本を買ったのは昨年12月27日12時01分だ。二週間もかけずに読み終えてしまったことと同時に、18日の初日に『フォースの覚醒』を見てもなお、『スター・ウォーズ』への興味を失っていない自分に、驚きを感じる。

『スター・ウォーズはいかにして~』は、二年間をかけて関係者や熱烈なファンに取材した大著だが、エピローグは『フォースの覚醒』の最初のティザーが公開された昨年10月に追記されている。そこには、僕と同世代の著者の、未来への無邪気な期待を読みとることが出来る。一方で、ジョージ・ルーカスがキャスリーン・ケネディを後継者に選んだ過程、ルーカス・フィルムのディズニーへの売却がどのような手順で行われたのか、綿密に記されている。
そこには、40年前には、ひとりの若者の頭の中にしかなかった時代錯誤な連続活劇への偏愛、メカニックやスピードへの限りない憧れが、気まぐれなファンによって勝手に解釈され、あるときは飽きられ、ついには実務的な取引材料、会計上の資産へと堕していく残酷な過程がつづられている。
(ルーカス・フィルムの買収額は、ピクサーの74億ドルに遠く及ばない、40億5千万ドルだった。)



アメリカ国内だけでなく、カナダ、スペインやベルギーなどの欧州圏から多数のレビューの寄せられるIMDbにおいて、『フォースの覚醒』は厳しい評価を下されている()。
わざわざ探さなくても、痛烈なレビュー・タイトルが並ぶ。

「あくび」(Yawn)
「不要」(Unnecessary)
「大きな失望」(A huge disappointment.)
「本物のゴミ…」(a real trash...)
「無駄な焼き直し」(A wasted rehash)
「退屈で、意外性がない」(Boring and Predictable)
「批判能力のない大衆向けの、無知で独創性のないアクションSF」(Mindless, unoriginal action sci-fi for the uncritical masses)
「映画館用ではなく、テレビ用のディズニー・ショー」(A Disney Show for TV, Not Movie Theaters)

映画の題名をもじったレビュー・タイトルも多い。
「フォースの覚醒は、僕を眠らせる」(The Force Awakens put me to sleep.)
「フォースの笑劇」(The Farce Aweakens)
「フォースの覚醒、ただし二日酔いで」(The Force Awakens but with a hangover.)
「スター・ウォーズ/失われし希望」(Star Wars: A Lost Hope)
「スター・ウォーズ/新たなる失望」(Star Wars: A New Disappointment)

IMDbに並ぶ辛らつな批判とは裏腹に、ディズニーは具体的な数字を伏せたり、インフレ調整を無視したりしつつも、『フォースの覚醒』が「北米史上最高の興行収入を記録」()と発表した。ところが、インフレ調整すると、「『サウンド・オブ・ミュージック』『E.T.』『タイタニック』のようなクラシック作品に後れをとって21番目」。これでは、話にならない。
ルーカスからバトンを渡されたキャスリーン・ケネディは、1980年代後半~90年代にかけての“『スター・ウォーズ』冬の時代”を支えた膨大なスピンオフ小説やコミック群を、バッサリと切り捨ててしまった。そこまで残酷な荒療治をやったんなら、誰もが陰謀論を唱えたくなるような数字を叩きだしてみせろ、と言いたい。


『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』は、ルーカスが心酔した神話学者、ジョーゼフ・キャンベルとの美しい出会いと交友について触れている。

ちょうど、『ジェダイの復讐』が公開された1983年5月、シンポジウムでキャンベルを紹介されたルーカスは、すっかり彼と懇意になった。ルーカスはキャンベルを自宅に招いたとき、スカイウォーカー・ランチで『スター・ウォーズ』を見てはどうかと誘った。ルーカスは丁寧にも、「一作だけでも、三作すべてでも上映できます」と提案したが、80歳のキャンベルは、一日で三作をいっぺんに見ることを希望した。
「私は本物の芸術は、パブロ・ピカソやジェームズ・ジョイス、トーマス・マンで終わったと思っていた。だが、そうじゃないことがわかったよ」と、キャンベルは『ジェダイの復讐』のエンドクレジットのあとで、そう言葉を発したという。

21世紀のビジネスマンたちには、そんな夢のようなひとときは、決して訪れないだろう。
悲しいかな、我々は明日に向かって進まねばならないのだ。

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