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2016年1月26日 (火)

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月刊モデルグラフィックス 3月号 発売中
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組まず語り症候群 第39夜
今月は、『バットマン』と『サイボーグ009』のプラモデルを取り上げて、ヒーローの模型について語っています。
『バットマン』は担当氏、『009』は、僕がたまたま入手したものですので、なかなか珍品だと思います。

それで、このグダグダな連載も、次回からコーナーがひとつ増えます。そのコーナーがメインになって、「組まず語り」がオマケ化する懸念もありますが、まあ、そうなってもいいのかな……程度の気持ちでいます。お楽しみに!


レンタルで、『ヘンゼル&グレーテル』。日本では劇場公開されず、DVDのみの発売。一部に、熱狂的ファンがいるらしい。
71wyszofwl_sl1000_魔女を焼き殺したのち、成長したヘンゼルとグレーテルの兄妹が、魔女専門の賞金稼ぎとなって活躍する、アクション映画。
子ども向けではないので、さまざまな武器で魔女を倒すシーンはブラック・ジョーク的に残虐に描かれている。ヘンゼルが、子ども時代に食べさせられた魔女のお菓子のせいで糖尿病になっていたり、細々とした設定は面白い。

おそらく、映画は「アイデア」を具現化するのに最も適したツールなのだろう。
全6部作の『スター・ウォーズ』は、作家の頭の中に渦巻いていたアイデアのマグマに、「映画」という形式的・具体的な制限を与えた。「映画」が存在しなければ、『スター・ウォーズ』というアイデアのブイヤベースは、他人の目に見える形にはならなかったに違いない。

前回は、黒澤明の演出の機能性について触れたが、映画という不可解なメディアの役割は、なにも「作品」として鑑賞されることだけではない。
あえて「芸術」という言葉を用いるなら、「娯楽」と「芸術」が不可分な時代があった。いや、今だって「娯楽」と「芸術」は不可分なのだ。その証拠は、誰かが探して、誰かが書きとめていかねばならない。


日本語吹き替え版『RWBY』を見たとき、あまりの出来のよさに、音響演出の打越領一さんにインタビューを申し込んだ()。
昨日は『ブブキ・ブランキ』の取材だったんだけど、それはやはり「絵」の取材であって、ポスターカラーで描かれた絵が、いかにして空間を獲得していくか……そういう話であった。

僕は、日本のテレビアニメは、漠然と「映画よりも人形劇に近い」と思っていた。
Bbkbrnk『RWBY』も『ブブキ・ブランキ』も、声優たちが視聴者に対してではなく、作中人物に向かって語りかけている。「そんなの当たり前だろ」と反論されそうだが、果たしてそうだうか(おそらくは、恋愛シミュレーションなどのゲーム文化が、「ユーザーに語りかける」役職を声優に与えたのだろう)。
実写映画では、俳優が聞き取れないぐらいボソボソ話しても、ニュアンスは伝わる。ニュアンスさえ伝わればいいのだ。
アニメが映画よりも「劇」なのは、一字一句、すべて聞かせる必要があるからだ。すべからく、声優はハキハキと喋らなくてはならない。だが、視聴者に好感度を与える必要まではない。憎まれ役には、いやらしい卑屈な話し方をしてほしい。それでも、僕らはちゃんと魅力を感じる。『RWBY』でも『ブブキ・ブランキ』でも、視聴者に向かって媚びたような話し方をするキャラクターはいない。

「お芝居」としての声優の技は、ほとんど語られてこなかった。声優さんご本人にインタビューしても、よほどのベテランでないかぎり、技術的な話はしてもらえない。
なにか、いい手はないかなあ……と考えはじめている。

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