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2015年12月21日 (月)

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アニメ業界ウォッチング第16回:東映、ジブリ、タツノコプロ……社員監督になるまでの、挫折と再起の日々 中村健治監督インタビュー
T220_695714中村監督とは、『ガッチャマン クラウズ インサイト』のインタビュー以来の、まだ短いお付き合いです。僕のほうから「前回とはテーマを変えて、お話を聞かせてください」と、直接お願いしました。
おそろしいことに、このコーナーは、ほとんど僕の人脈か、ぶっつけで取材を申し込むことによって成立しています。皆さまの厚意と包容力で、成り立っているのです。

【懐かしアニメ回顧録第13回】松崎しげるのハスキーボイスにむせび泣く! 冷たく美しい「スペースアドベンチャー コブラ」の抽象性
こちらも、連載一年をこえたので、より、内容に踏み込んだコラムにしました。


今朝は、映画関連の方たちと打ち合わせ。
どうしても、『スター・ウォーズ』は見ましたか?という話になってしまうんだけど……あの映画を、「少なくとも、私は感激した」というならまだしも、「旧三部作を映画館で見た世代なら、泣かないわけがない!」という言い方を、ネットで見かけた。
けっこう、映画評論家が、そういう脅迫的な言い方をしている。同質性を、強いてくるのよ。おかげで、またしても僕は、『スター・ウォーズ』ファンの中で、異端者に追いやられつつあるよ(笑)。

来年公開のスピンオフ『ローグ・ワン』では、おそらくセリフで「Xウィング」なんて言わずに、「T-65」って言ってくれると期待している。旧型機を使うなら使うで、何らかの理由づけをしてくれるんじゃないかな?

昨日、友だちとファミレスで話していて、気がついたんだ。
第一作の『スター・ウォーズ』では、冒頭シーンで、C-3POの色違いバリエーションが出てくる、そこにビックリした。映画としては退屈だったけど、主役級のメカにバリエーションがある……ということは、製造メーカーがあるんだよ。R2ユニットなんて、デス・スターの中にすら、何種類かいたでしょ? そうした、無数のディテールの訴える「え? この世界は、本当にあるんだよ? 知らないの?」という素っ気ない作りこみに魅了されたことは、間違いない。


だけど、それは僕の内部で起きた熱狂に過ぎないので、どれくらい価値のあることなのか、分からない。
だから、雑誌に「廣田さんの思うように書いていいよ」と言われたら、「スノー・スピーダーのことをT-47としか呼ばないところが頭おかしいし、カッコいいんだよ!」と、訴えはするよ。だけど、「見た人間なら、分かるはず」なんて、同質性の強制はしない。それは、信仰を強いるようなものだから、とても危険な姿勢だと思う。人の心に、命令はできない。


でも、「たとえ心の中でも、このような感情をもつな!」と命令できると思っている人は、割といるんですよね……そういう人は、言葉の端々に、過剰な圧力を乗っけてくる。
自分個人に力がなかったら、会社の名前を利用して、グーパンチしてくるような。「お前みたいなフリーランスの貧乏モノカキ、いつでも潰せるんだぞ!」って力んでるのが、いくら隠しても、態度に出ちゃってる。

だけど、本当の「力」って、本当に怖いのって、明らかに僕が悪いのに、ジーッと黙ってられることだよね。「こんな言い方したら、キレるんじゃないかな?」と思っていたら、案の定、ブチキレました……なんて分かりやすい相手より、何も言わずに、こっちをやましい気持ちにさせる人のほうが、よっぽど怖い。
この仕事していると、いろんな人と出会うけど、勇気のある人は、数えるほどしかいない。

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