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2015年12月15日 (火)

■1215■

初めて、人前で汗が出たのは、高校二年のときだった。
隣席の女子が、教科書を忘れたというので、机をくっつけて見せていたら、滝のような汗が出てきて、止まらなくなってしまった。その女子のことは気にとめていなかった(他のクラスに好きな女子がいた)のだが、発汗恐怖は、自分で「気にしていない」とき、突然にやってくる。

この二ヶ月ほどの間に、床屋で発汗するようになってしまった。精神安定剤を、いつもの倍ぐらい飲んでも、ほとんど効果はない。
海外旅行へ行く飛行機の中では、まったく知らない外国人の女性と隣り合わせたりするが、一度も汗をかいたことはない。安定剤を飲んでもいるが、成田空港で、何杯かビールを飲んでいくせいかも知れない。あるいは、気分が開放的になっているせいかも知れない。

その一方で、森田療法の本に載っていた「喫茶店で、ひとりで座っているだけで、間の悪さに耐えられなくなる」人の気持ちが、いまの僕には分かる。
そういう理不尽な苦しみに耐えている人に、このブログが届けばいい……と思いながら、書いている。親友にも、対人恐怖の苦しみだけは、分かってもらえないから。


2014年、署名活動を開始したころは、対人恐怖症だと言っても、新しく知り合った人たちに笑いとばされた。「そんな社交的なのに、どこが?」と言われた。
署名活動だけでなく、国会議員に手紙を書いたり、能動的に動いてみた。だが、ひとつ残らず、目標を果たせなかった。そのことが、僕から自信を奪っていったのだろう……と、仮定している。

だが、対人恐怖・発汗恐怖は、ひとりでいるときに襲ってくるので、外交的な自分とは、それほど関係がないような気がしている。
医者は「25歳をすぎると、自分に対するあきらめと妥協が生まれて、症状はおさまる」と言った。だが、僕は30歳になっても40歳になっても、服を買うときに、滝のような汗をかいた。映画館で汗が出て、途中で、飛び出してきたこともあった。

妻には「薬代がもったいないから、我慢しろ」と、何度も言われた。その無知・無理解ぶりだけで、離婚する理由としては、十分だった。


原因は、もっと深いところにあるのだろう。
幼いころから、父親に突発的に怒鳴られたこと。内向的で、学校で、なかなか友だちが出来なかったこと。絵を描いたり、アニメを見ていることを、周囲からバカにされたこと。ほんの数人の女性にしか、男として見てもらえなかったこと。

だから僕は、社会から逃避するように、海外へ行く。海外へ行くお金をためるつもりが、キャバクラで数万円を使ってしまう(ああいう場所なら、男性として敬意をはらうフリをしてもらえるから)。そして、酔いがさめてから、猛省する。
このブログに、結論はない。ただ、同じように赤面したり、発汗したり苦しんでいる人がいたら、「あなただけじゃない」「あなたのせいじゃない」「自分を責めるな」と言いたい。

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