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レンタルで、『マン・オブ・スティール』。
「なにも、スーパーマンまでシリアスにしなくても……」と敬遠していたのだが、ザック・スナイダーが、来年の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』も監督すると聞いて、予習しておくことにした。何しろ、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』には、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンが登場する。それで、がぜん、興味がわいた。
『マン・オブ・スティール』にも、ファオラ=ウルという女戦士が登場し、黒いスーツとするどい眼光、そして透明のヘルメットをまとって、期待を裏切らない(女性の着用するハイテク・バトルスーツは、目元というか視覚に関連するデザインが大事。透明パーツを入れると、潤いが出る)。
リブート作品としても、長尺すぎるのを別にすれば、上出来だった。現代のアメリカに、カル=エルやゾッド将軍があらわれれば、軍隊の介入は避けられないだろう。
映画は、『インデペンデンス・デイ』的な侵略パニックSFの要素もはらみつつ、『AKIRA』のように「飛行中の戦闘機に、素手で戦いをいどむ」「衛星軌道まで飛び、人工衛星を手で叩き落す」といった肉弾戦アクションが、効果的に描かれる。強さの対比物として実在のメカニックが登場するなら、CGも大歓迎だ。
(逆に、スーパーマンが異星の謎のメカと戦うシーンでは、どちらがどう強いのか尺度が判然としないため、まったく盛り上がらない。)
ともあれ、バトルスーツを着た美女が大暴れしてくれれば、満足しないはずがない。
ハリウッド映画は、面白さに対して、がめつい。深くも、浅くも楽しめる。「生真面目な人間は、自滅しがち」と、僕は思っているのだが、どこかでバカになれる領域を確保している、その余裕が頼もしい。
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連休最終日の午後は、徒歩数分のところで開催されている「三鷹コミュニティシネマ映画祭」へ。
(押井守監督の色紙があった。)
プログラムは、“三鷹フィルムコミッションコラボ企画「三鷹で撮る! 三鷹で観る!」 〈二本立て+座談会〉”。
自主映画二本については、さておく(強いて言うなら、僕より10歳も20歳も若い人たちが、「家族はすばらしい」といった、ずいぶんと老熟したテーマの映画を撮るものだ……と驚いた)。
設立三年目の三鷹フィルムコミッションは、アニメ作品(プールが出てくる……ということしか分からなかった)のロケハンにも使われ、一進一退といった感じだ。
それでも、「フィルムコミッションで、三鷹の街を盛り上げる」目標と、ジブリグッズを売ることのできない駅前商店街の閑散とした雰囲気とは、あまりもギャップが大きい。
三鷹の森ジブリ美術館の正式名称は、「三鷹市立アニメーション美術館」。ジブリ美術館は、ニックネームにすぎないのだ。
ところが、ジブリ美術館を訪れた世界各国の観客たちは、三鷹の街を素通りして、直帰してしまう。駅前にジブリ・グッズを置ければ、様相は一変していただろうに……。
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