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まるて@『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』、友だちからもらった優待券で見てきた(『バクマン』も選べたけど、こっちにした)。

ヨロイをまとったような巨人の造形が、まるで、スクリーミング・マッドジョージの実写版『ガイバー』(『THE GUYVER』、『GUYVER DARK HERO』)なんだよね。だから徹頭徹尾、日本人のセンスなんだと思う。
問題があるとすれば、敵が「巨人の恐怖心を利用している政府の役人たちこそ、本当の悪」と核心をついてくれたのに、主人公が「役人たちを倒すと、ほかに犠牲者が出るのでイヤ」と、またしても“思い”で反論して、敵もその“思い”に加担してしまったこと。
こうした“思い”によって、論理的思考がねじ伏せられるのは、邦画の悪癖です。
アニメでは、『機動戦士ガンダムUC』が特徴的。フル・フロンタルが、誰もが損をしない合理的な「サイド共栄圏」を提唱しているのに、主人公のバナージ少年は、「あなたの言葉には他人事みたいな冷たさを感じる」という生理的嫌悪感だけで、否定してしまう。
結果、問題解決を先送りしただけの「可能性」に心酔して、エンドマーク。娯楽映画は、結論を留保したままで終わらなければならない、若者にバトンを渡すのが美しい……と思いこんでいる。「目の前の悪は倒せたが、本当の戦いはこれからだ」と若者に押しつけるのだから、本当にタチが悪い。
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そして、この映画が公開されたことの意味は、むしろスクリーンの外にある。
僕は、その年の東宝映画で最低興行収入だった『ガンヘッド』を、三度も見にいった人間なので、『進撃の巨人』の興行成績が悪化しているから、「スタッフは全員クビがとぶ」(■)などと聞いても、片腹いたい。だったら、『ガンヘッド』の原田眞人監督は、なぜ『日本のいちばん長い日』を監督できてるんだ?
つまり、評論家も、彼らに評価の判断をゆだねる怠惰な観客も、「自分を楽しませてくれなかった」という動物的反射だけで、作品を切り捨てている。
自分の好悪、快・不快だけで生きてるから、じっくりと「検証する」姿勢がない。
『ガッチャマン』のときも、そうだった。自分の目で映画を見てないから、「だって、ガッチャマン同士の恋愛劇なんでしょ?」と、どこかの誰かの書いた文章を、自分の感想だと思い込んで、その思い込みを「冷静で批判的な態度」と、誇らしくさえ思っている。
そのような乱雑な作品の叩き方にも、いまの日本の「破滅性」を感じてしまう。
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「明日、来日中の国連の児童ポルノ・児童買春に関する特別報告者とおあいする予定。この秋葉原の街は未だに、児童ポルノと児童買春にあふれています。警察はなぜあからさまな児童ポルノを野放しにしているのか疑問。国連から厳しい報告書を出してもらうよう、明日はしっかりプレゼンするつもりです♪」(■)
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子さんのツイート。
もし、「秋葉原の街は未だに、児童ポルノと児童買春にあふれてい」るのなら、一体なぜ警察署に通報しないのだろう? いまこの瞬間も被害者が出つづけているのだとしたら、なぜ「♪」を文末につけられるのだろう?
自ら、「被害は甚大だ」と吹聴しておいて、やけに生き生きと楽しそうに見えるのは、気のせいだろうか。こうした無責任な態度にも、僕はまた、日本の「破滅性」を見てしまう。
伊藤さんは、「子どもが人権について語る映像スピーチコンテスト」を開催するため、資金を募っている(■)。
自らの充足感のため、児童を利用しているように見えるのは、果たして気のせいだろうか。
僕の寄付した団体は、「東京だけでは被害実態がわからない」と、地方都市まで出かけて、性虐待にあっている子たちの話を聞いていた。彼女たちは、「コンテストのために30万円必要だ」なんて、口がさけても言わない。だから、信用して、寄付する気になったんだ。
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「明日、来日中の国連の児童ポルノ・児童買春に関する特別報告者とおあいする予定。この秋葉原の街は未だに、児童ポルノと児童買春にあふれています。警察はなぜあからさまな児童ポルノを野放しにしているのか疑問。国連から厳しい報告書を出してもらうよう、明日はしっかりプレゼンするつもりです♪」(■)
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子さんのツイート。
もし、「秋葉原の街は未だに、児童ポルノと児童買春にあふれてい」るのなら、一体なぜ警察署に通報しないのだろう? いまこの瞬間も被害者が出つづけているのだとしたら、なぜ「♪」を文末につけられるのだろう?
自ら、「被害は甚大だ」と吹聴しておいて、やけに生き生きと楽しそうに見えるのは、気のせいだろうか。こうした無責任な態度にも、僕はまた、日本の「破滅性」を見てしまう。
伊藤さんは、「子どもが人権について語る映像スピーチコンテスト」を開催するため、資金を募っている(■)。
自らの充足感のため、児童を利用しているように見えるのは、果たして気のせいだろうか。
僕の寄付した団体は、「東京だけでは被害実態がわからない」と、地方都市まで出かけて、性虐待にあっている子たちの話を聞いていた。彼女たちは、「コンテストのために30万円必要だ」なんて、口がさけても言わない。だから、信用して、寄付する気になったんだ。
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(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 (C)諫山創/講談社
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