■1014■
●新シリーズ! 『サンダーバード ARE GO』パーフェクト・ガイド
カラー3ページに、メカ解説と『サンダーバード』過去作にまつわるマーチャンダイジング展開、『ゼロテスター』などの派生作品について、ぎっしりとコラムを書きました。
僕は、幼稚園のころ、サンダーバードのプラモデルや食玩に囲まれて育った世代です。『ゼロテスター』もリアルタイムで視聴し、玩具も買ってもらいました。年齢的に、アドバンテージがあります。
だけど、おぼろげな記憶では書けないので、海外のニュース記事にあたって、幅広く話題をとりあげました。
版権元からは十分な情報が得られない(しかもテキスト執筆時には、使用画像すら届いていない)ので、実際の映像からひろった事実で、メカ解説を構成しました。
■
強姦罪「5年以上」、男性も被害者に 刑法改正案を諮問(■)
性犯罪厳罰化の改正案。注目したいのは、「親などによる性暴力を罰する規定も新設」という部分。
「地位を利用した性暴力」は、現状では「規定なし」だが、法相による詰問では「親など影響力を利用し、18歳未満に行なう場合に罰則あり」となっている。
改正されれば、家庭内の親・兄弟・親族による性虐待を、法的に罰する道が開ける。運用は難しいと思うが、示威効果だけでも期待できないか……。
そもそもの理想は、「最初から性犯罪など起きない社会」。それを念頭に、あくまで被害者を救済するため、法改正を進めるべきと思う。
■
レンタルで、 『アメリカン・スナイパー』。公開時、さんざん周囲から「見ろ」と薦められておいて、今ごろ見た。“伝説”とあだ名されたイラク戦争の名狙撃手、クリス・カイルの生涯。
映画は、クリスを英雄らしく描くいっぽう、女や子供まで撃たねばならない戦争の実態を、つまびらかにする。
この映画は、イラク戦争を肯定していると批判されたが、果たして手足を失い、PTSDに苦しむ、若い退役軍人たちの姿をまで、肯定しているだろうか。
クリスが精神的に病んでいったのは、イラク人のせいなのだろうか? 彼が、イラク人を160人も殺したせいではないだろうか?
アメリカ大陸の原住民たちを虐殺し、日本に原爆を二発も投下し、罪のない女子どもを生き地獄に叩き落したアメリカ、それを「正しいことだった」と言い訳せずにおれない人々。
彼らは、批判にあたいする歴史をつくりつづけている。だから、アメリカの文化には、自省的な部分がある(批判を許すことで、バランスをとっている)。
■
この映画で、本当におそろしいのは、平和な家庭にもどってきたはずのクリスが、子どもと遊んでいる愛犬を「敵」と判定し、反射的に殺そうとするシーンだ。
クリスが、妻をからかうために、オモチャの拳銃で脅すシーンにも、ひやひやさせられる。
そこに敵国人がいなくても、暴力は起きうる。僕らは日常的に、殺意を心に待機させている。戦場でなくとも、殺意は発動しうる。
「戦争は絶対にいけない」と言うとき、僕らは、世界のあちこちで起きている戦争には、目をつむっている。「欧米では」と白人文化を称揚するとき、彼らが軍隊をもち、犯罪や人種差別をしうる存在であることを、無視してしまっている。
相手の愚かさを指摘するとき、僕らは自分の愚かさを忘れている。映画は、自宅のベッドで寝転んで見ることができる。ほんの少しは、冷静にものを考えられるはずだ。
(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
| 固定リンク
コメント