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2015年9月19日 (土)

■0919■

2007年の米映画『ノヴェム』を、レンタルで。
328709_01_01_02古いレコードを収集している大学生が、1973年、ロックバンド“ノヴェム”によって録音されたテープと、レコーディングの様子を撮影した16ミリ・フィルムを手に入れる。
世の中に出ることなく姿を消した、30年前の幻のバンド“ノヴェム”の行方を探るべく、学生はネットや口コミを使って、情報収集を始めるが……という体裁の、フェイク・ドキュメンタリー。
つまり、16ミリ・フィルムで撮られたレコーディング風景も、現代のパートも、すべてフェイクでしかない。“ノヴェム”なんてバンドは、この世に存在しない。

“ノヴェム”とは、ラテン語で「9」を意味し、奇数は「この物理世界には存在しない」という考え方がある(と、映画の中では説明される)。
そして、ベトムナ戦争直後を生きたメンバーたちは、「この世に平穏はない」という意味の曲をつくり、この世を去ってしまう。そこには現実に対する深い諦念があり、フェイクがフェイクを包含する映画の構造が、彼らの虚しい心情を浮かびあがらせる。

元気な若者がいっぱい出てくるのに、とても寂しい映画。


本放送中に、『ガッチャマン クラウズ インサイト』()について言及できる期間も、少なくなってきた(今夜が第11話、来週で最終回なので)。

現実で何か起きるたび、この作品が、ひとつひとつレスポンスしているかのような印象を受ける。
「お前たちはそうやって、延々と敵を探しつづけ、周囲に流されるまま攻撃して、ただ憂さを晴らしていく。貴様らサルを動かしているのは、正義なんかではない。異なる人間を見下し、自分はみんなと同じだと安心したい、そんな醜い劣等感にすぎない。」
キーパーソンのひとりである、理詰夢の吐くこんなセリフすら、ツイッターをやっている人なら心当たりがありすぎて、むしろ陳腐に聞こえるのではないだろうか。

僕たちは、情報が耳に入るやいなや、すぐにキーボードに吐き出す。
考えが雑だから、動物的に「○○はクソだろ」「○○だけは許せない」レベルに反射して、3日もたつと、もう忘れている。

原発事故も安保法案も、ブラックバイトもパクリ疑惑も、目にもとまらない速さで過ぎ去っていく。
立ち止まって議論する人、対策する人は、この獰猛な流れの中にはいない。


「アニメを見ている」なんてのは、オタクにとっては付随要素でしかない。

ツイッターで、「服装がチグハグな人は、自分を客観視できていない」という意味の発言があったけど、なるほどとヒザを打った。他人に与える印象を読みきれていない、コミュケーションが一方通行に偏っている……それがオタクだと思うので。

たとえば、秋葉原やコミケのような、食いつきやすいところに「オタク」がいると思っている人が多い。日本のいたるところで、服装や会話のすれ違いに悩んでいる中高校生。彼らが、結果として同人誌やアニメにはまっていくだけのこと。

小さなところに、足をとめて見つめてくれる人は、まことに少ない。

(C)2005 NOVEM,LLC

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