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【懐かしアニメ回顧録第9回】30年前の“いちばんいい時代”を描いた「メガゾーン23」は、単なる懐古趣味とは言い切れない!?(■)
30周年の今年、ようやくブルーレイ発売とのことで、ちょこっと書いてみました。石黒昇監督との数年間の思い出を語るには、ちょっとスペースが足りなかったですね……。
30年前の僕といえば、予備校に通いながら、模型会社のウェーブさんの仕事を手伝っていました。ウェーブさんは『メガゾーン』のガレージキットを発売していたので、ビデオも保有していて、「僕にも貸してください」と借りてきたのが、初見です(アートミックも近所だった)。
ただ、コラムにも書いたように、あの祭のような日々から十年以上たった30歳すぎの方が、あの“泥だらけの朝”を肌で感じられたのです。
1985年に、バブルという言葉は「あったはず」と指摘されていますが、バブル景気の発端は1985年のプラザ合意とされています。Wikipediaによると、「バブル景気」という言葉は1987年に生まれ、1990年の流行語大賞に選ばれています(■)。
そもそも、バブル景気は「1986~1991年」を指すそうです。だけど、「バブル景気に浮かれていた」と書いたほうが、劇中のイメージにマッチしますよね。
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今日は映画の日なので、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』に行ってきました。地元映画館が大好きなので、吉祥寺オデヲンで。「最新のセンスで、あの名作を再構築する」リブートでもなければ、続編でもない、不思議な立ち位置の映画。T-800型ターミネーターに狙われるサラ・コナーを守るため、彼女の息子ジョンが、カイル・リースを過去に送るまでは第一作と同じ。
ところが、予告編であきらかにされている通り、1984年には年老いたT-800がすでにタイムトリップしてきており、さらにT-1000までもが送り込まれてきている。では、『ターミネーター2』と同じ時間軸なのかというと、ジョン・コナーは、まだ生まれていない。
サラ・コナーは最初に送られてきたT-800に鍛えられ、護身術を身につけているので、カイル・リースの来た意味がなくなっている。つまり、最初の二作のプロットを、あえて「失敗」させながら、新しい葛藤を生じさせていく。その過程は先読みが不可能で、なかなかエキサイティングだ。リブートとか続編とかいうより、二次創作に近いのかも。
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後半は「スカイネットを破壊して、世界崩壊を回避する」おなじみのプロットに戻ってしまうのだけど、「新三部作だ」「やっぱりテレビ・シリーズだ」と迷走しつづけた『ターミネーター』シリーズの落としどころとしては、いい線いってると思う。
他のキャストを一新しつつ、68歳になったシュワルツェネッガーだけを続投させるファン・サービスにも、ぎりぎり納得できる設定がついていたし……。
老いたシュワルツェネッガーが、「お前は、この自由に流れる時間軸から取り残された、残骸にすぎない」と言われるシーンがあるんだけど、このセリフは痛烈だった。
僕らのオタク心だけが、30年間、歳をとらずに温存されていることをズバリと言い当てられたような気分。
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帰りに駅ビルをうろついていたら、棚から小さなチラシが自然に落下して、あたりにバラまかれてしまった。離れたところにいた若い女の人が駆け寄って、チラシを集めはじめた。
すぐ近くで若い男がスマホをやっていたのだけど、手を貸さない。最近、こういう場面によく出会う。小学生が電車内に棄てたゴミを、オジサンが拾っていったこともあった。
自分の出したものでなくとも、すすんでゴミを回収できる癖はつけておきたい。子どもたちは、そういう大人を見て育つわけだから。
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