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アニメ業界ウォッチング第12回:「萌え」「美少女」……海外から見た日本アニメ文化の醍醐味と“ヤバさ”とは? 日本アニメ研究家、レナト・リベラ・ルスカ、インタビュー(■)日本アニメが大好きで、そのために日本語を勉強して、日本に住んでいる明治大学のレナト講師に登場してもらいました。
後半の「ロリコン」文化のくだりは、意見が分かれると思います。
誰が敵とか味方とか、簡単に分けられる問題ではないでしょう。頭だけで考えて持論を強化しても、対立しか生まれないだろうし……。
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『切られた猥褻 映倫カット史』を読むと、終戦直後、「布団に枕がふたつ並んでいる」シーン(人間は映っていない)ですら、「性行為を連想させる」と、禁止されていた時代があったことが分かります(その規制をかいくぐったのが、溝口健二の『雨月物語』でした)。
むしろ、設立されたばかりの映画倫理委員会を悩ませたのは、乳房も性器もあらわに映った欧米の映画だったのです。その一方、国内ではストリップ劇場が全盛でした。
例えば、そういう時代だけを切りとってみても、「欧米の映画が過激すぎるんだ」「いや、生身の女性の裸を見せる日本が遅れているんだ」とか、二項対立では評価できないと思います(そもそも、ストリップの発祥地はフランスやアメリカです)。
いかなる物事も複雑なのに、ネットという便利なツールで、少しでも意見の違う人たちを「信者」「アンチ」「ネトウヨ」「ブサヨ」「賛成派」「反対派」と真っ二つに分け、お互いに「洗脳されている」「騙されている」と罵りあっている……。
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『ガッチャマン クラウズ インサイト』第5話。まだ、第5話なんだ。ずーっと続けてほしいぐらい、実社会とリンクしている。
カッツェの「コイツは攻撃してもいいヤツだってサインを見つけると、みんなしてボコにしたがる」「“お前ら、全力で行くど”って、部屋の中でキーボード叩いてるだけ」という指摘は、今更ながらに痛烈。
そして僕は、つばさというキャラクターに近い考えで行動してきたので、いろいろと考えさせられる。
つばさは天真爛漫な十代だから……いや、十代だからこそ、失望したときの痛手は大きい。
というか、アラフィフでも、期待が裏切られたらヘコむよ。だから、保育器のような絶対安全圏に逃げこんで、好き嫌いだけを口にして、無条件に満たされていたい……という甘ったれた気持ちは、分からなくもない。
ただ、悲しいかな、裏切られるリスクを負わねば、人生の歓喜に触れることはできないのですよ。
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