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月刊モデルグラフィックス 7月号 25日発売予定
●組まず語り症候群第31夜
今回のサブタイトルは、『椎名林檎のリンゴはリンゴ・スターのリンゴなんだってさ』で、椎名林檎のプラモデルを二種類、取り上げています。
僕らの知っている「完全再現」「精密スケールモデル」とは別の位相に属する、「プラモデルの体裁をとったグッズ」です。なので、そのアウェイな戸惑いを、読者と共有したいと思いました。
こういう「プラモデルという商品形態」ならではの面白さは、まだまだ味わいつくされていないと思うので、今後も、どんどん誌面でトライしていきますよ!
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いま、児童ポルノ規制法に関する請願書を書いていて、それを公表したら、Twitterはお休みしようかと思っている。もう署名を集める予定もないし、あの場では計画性のあるアイデアは生まれない……と痛感したので。
みんな、誰かのツイートを引用するばかりで、独力で調べようとしないのよ。ぼんやりとした気分を記したり、うっぷん晴らしするには、ちょうどいい場所だと思うんだけど。
ニューヨーク在住の映画プロデューサーの方が、カンヌ国際映画祭でのジャパン・パビリオン(■)がひどい、というツイートをしていて。くまモンとかコップのフチ子とか、あとA-Labという会社の開発したアンドロイドのアスナか。まあ、確かに映画製作とは無関係だし、センスのないラインナップと思いますよ。
だけど、カンヌには多数の日本映画が出品されてるし、俳優たちもいっぱい行っているから、美少女アンドロイドだけではないわけですよ。ちょっと調べれば、分かること。
だけど、そのプロデューサーさんのツイートだけ見て、「くやしい!」「チクショウ!」と怒っている人がいるわけ。いやだから、コップのフチ子だけじゃないから、Twitterを離れて、ニュースを検索しろよと。何のためのインターネットだよ。
で、そういう人は「欧米で、先進国で、白人の国で恥をかかされた」ことのみに、過剰反応してるんじゃないの?と勘ぐってしまう。いやいや、溝口健二の作品もデジタル修正されて上映されたよ? それは誇りに思わないの? というか、溝口が海外でどれだけ賞とったか、知ってます?
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『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『カイト/KITE』は、別に売り込んだわけでもないのに、ハリウッドの方から、積極的に映画化権を取得したでしょ。それだけ認められているのに、ラノベや18禁アニメなんて恥だって思ってない? 自分から調べようとしない、曖昧な気分の中でボンヤリと生きている人たちは。「18禁アニメ原作なんて、日本の恥だ!」って影響力のある誰かがツイートしたら、自分もそんな気持ちになっちゃうんじゃないの?
それが怖いのよ。日本流の虐殺は、ネットによる匿名の集団リンチだと僕は思っているから。
みんな、自分の目を信じてないんだよ。孤立するのが怖いから。愛してやれよ。あなたの出会った作品を。数字で採点するんじゃなくて、血の通った関係を結びなさいよ。「もっと強くなれ」と言いたい。愛するためには、タフでなければいけないから。
やっぱり、ネガティブな言説は、地獄への一本道だな。内容がどうであれ、無知と憎悪と怖れだけが蓄積されていく。
中国や韓国をおとしめなくても、日本文化には優れた部分がいっぱいあるよ。
みんなで知恵を出しあって、もっともっと豊かな文化にしていこうよ。
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付け足しのようですが、アキバ総研の連載、『テクノポリス21C』について書きました(■)。
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