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2015年5月18日 (月)

■0518■

今月は大御所にばかりインタビューしているので、気がやすまらない。映画を見る余裕もない。
若くても、スケールの大きな人は他者への寛容さ、許容力をもっている。不利な立場におかれたときの状況分析も、非常に的確で、自分の欠点を知っている(認めている)。

ただ、そういう人は業界にばかりいるとは限らない。スーパーですれ違っただけのお婆ちゃんが、とても優雅なお礼の仕方を知っていたりして、驚かされることがある。


仕事の合間合間にTwitterをのぞいているが、「ここでそんなに猛り狂うなら、そのエネルギーを現実社会で燃焼してくれないか?」と思わずにいられない。ネットに書くことで不満を解消していると、実社会に届く前に、怒りが減衰してしまう。結果、ストレスだらけの社会が温存される。

あと、必要以上に怒っている人は、自分からデータを集めようとしないね。どこかの誰かの断片的なツイートと、あとは自分の経験しか参照しない。あるいは、似たような価値観の人と狭いルールを決めて、お互いに「ひどいよね?」「ねー」とうなずき合っているだけ。それでは、閉塞するでしょう。ちっぽけなボヤき・嘆き・陰口であっても、人格の一断面なので、そこだけが膨れ上がるのが、僕は怖い。
だから、自分の足で物理的に歩き、電車で移動し、肉声で人とやりとりせざるを得ない機会をつくりだす。面倒だけれど、面倒に見合った価値があるかどうか、推し量ることが出来る。
この一年間、児童ポルノ規制法を中心にいろいろ動いて、ほぼすべてが徒労に終わっている。それでも、動いてみなければ、何がどう間違っているかさえ、つかめなかったと思う。
(図書館にしか置いてないような専門資料も必要になってくる。ネットの中の情報だけでは、まるで不十分だと痛感させられる。)

……にしても、Twitterでは実行動が、ことに軽視される。昨年、インタビューされたときに「行動しない人にとって、行動しましたアピールは、自分への攻撃と認識される」と聞いて、ショックを受けたものだけど。行動して社会に1ミリでも関与しないと、欲求不満になりそうだけどな。


『マッドマックス』新作に、「男性の権利擁護活動家」の怒りもマックス(
Des1070_jpeg_4k_pubv011078586x246おそらく、仕事の中で書ける機会はないと思うんだけど、年末の『スター・ウォーズ』も、プレスリリースでは、ヒロインのデイジー・リドリーが最も上にクレジットされている。これは、アクション映画の新しい潮流になりそうな気がしている。
……やっぱり、あまり詳しくは書けないけど、アクション映画でヒロインがどれだけ活躍しようと、僕はまったく腹が立たない。

『ファントム・メナス』は、共和国黄金期の、芳醇な文化の香りが匂うところは、とても良かった。過酷な砂漠や雪原ではなく、水と緑に恵まれた静かな宮殿、という光景が『スター・ウォーズ』の世界観を拡充してくれた。ナブーの宇宙船も優雅でクラシカルで、方向性は間違っていなかったと思う。
だけど、観客が求めていたのは、お金がなくてトラブル続出だった頃の『スター・ウォーズ』のワイルドさだったんだよね。舞台裏を知れば知るほど、エキサイティングだし、貧乏で退廃的。旧三部作は。ただ、潤沢な資金と人材に恵まれ、傲慢ですらある新三部作を、なぜか憎む気にはなれない。きっと、社会から隔絶されたスカイウォーカーランチで、引きこもりのような環境でつくっているのが、うらやましいんだろう。それなら、もっと大人っぽい、渋いシリーズにしてほしかったけどね。

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