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2015年4月25日 (土)

■サントリーニ島旅行記・4■

さて、『Winx Club』の映画ポスターを見つけた先に、フィラの町の独特の喧騒とは、切り離された通りを発見した。ひととおり歩いてみて、夕方にまた撮りに来ることにした。

そして、フィラの町は犬が多くて、ちょっと遊んであげると、こうしてカメラに写りにくる。
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この犬をピンクの自転車で追いかけていた地元の女の子が、「ハロー」と、照れくさそうに挨拶してきた。僕は笑顔で「ハロー」と返した。子どもが、外国人の大人に挨拶できるぐらい、平和な町なのだろう。

そして、フィラ三晩目の夜がやってこようとしている。さりゆく夕陽を撮る。

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そして、3日目の夜は、通りに面したジャンクな雰囲気のNick the Grillで、ちょっと贅沢。
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三人前はありそうなビッグサイズで、フレンチフライとビールも入れて、10ユーロ。しかし、量が多すぎ、食べるのが大変だった。まさに格闘。オッサン観光客ならともかく、女の人は大変だろう……。

それでもこりず、ビールの安いスーパーによって帰る。レジの女の子が、「バッグが空いてますよ!」と指摘してくれたんだけど、財布を手に持っているから、しまいやすいように、わざと開けてあるのね。でも、ここは「サンキュー」と、閉めるのが礼儀です。
結局、「人間性」なんだよな、人種でも性別でもなく……。


翌朝は、カマリへ向かうバスに乗るため、さっさとホテルを出る。バスの時間はメモしてあるので、朝9時にはカマリ行きバスに乗れた。(ただ、バラバラに来るバスがどこ行きかは、発車数分前にならないと分からない。自分で、発車時間と行く先を確認しないとダメ。)

そして、スーツケースも積んでもらえるけど、運転手や車掌が覚えていない場合がある(タグなどは付けてくれない)。
僕は終着点のカマリではなく、いくつか手前のバス停で降りてしまい、「あれ? 俺のスーツケース、降ろしてくれないのかな?」と思っていたら、バスは走り出してしまった。あわてて追いかける。
終点までに追いつけなかったら、もうどこへ行ったか分からなくなってしまうので、必死に走る。

すると、50メートルほど先で、バスが停車した。僕の後ろに座っていた若いお兄ちゃんと運転手が降りてきて、僕のスーツケースを歩道に置いた。その若いお兄ちゃんは僕が荷物を入れるところを見ていたので、「停めてやってくれ」と、運転手に進言してくれたのだろう。
そのお兄ちゃんには、お礼を言えなかった。グラサンの運転手は、「悪かったな」という感じでニカッと笑い、手を振ってバスの中に戻っていった。

今回の旅は、こんなのばかりだ……見知らぬ人に、助けられてばかり。


カマリのホテルへ向かうときも、そうだった。何しろオフシーズンなので、海辺の町は閑散としている。
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さすがに見晴らしがいいから、ホテルの場所はすぐ分かるだろう、とタカをくくっていたが、見つからない。またしても、トラベルセンター(という呼び名が正しいのかどうかは分からないが、Travelと大きく書いてある)へ駆け込む。すると、オジサンが通りに出て、「あそこの一番目の……いや、いいや。荷物、持っておいで」と、ホテルの前まで歩いて、案内してくれた。
なんとまあ、親切な人だろう。何の見返りもないのに、ここまで出来るだろうか……。


ホテルの前、長身でメガネをかけたお姉さんが「ウェルカム!」と両手を広げて、出てきてくれた。そして、「サントリーニ島は初めてですか?」「フライトは長かったですか?」など、いろいろ聞いてくれる。僕が答えられずにオロオロしていると、「疲れましたよね?」とニッコリ。この、さりげない気づかい。人との出会いだった。今回の旅は。

しかも、このメガネ美人さんは、僕の重たいスーツケースを運んでくれようとしてくれた。女性には重たすぎるので、自分で運んだけど、一階レストランの修理を仕切っていたり、ひとりで何でもこなしてしまう女性みたいだ。
そして、南国風味あふれるホテルの部屋も、すばらしいセンスだった。


オフシーズンなので、カマリの半分以上のホテルや店舗は、閉まっているか修理中だった。
もちろん、ビーチにも人気はない。
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そして、古代ティラへのバスツアーも、この時期はやっていない(旅行会社が閉まっていた)。車なら登るんだけど、さすがに山の上まで歩くのは不可能なので、ビール(0.80ユーロと安い)を買って、ホテルに帰る。
そして、日本から持ってきた文庫本をテラスで読みはじめた。
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風が、葉をゆらす音だけが聞こえる。歩き回るのではなく、こういう休日もいい。来てよかった。作家が、執筆のために旅に出るのが、すこし分かるような気がした。

しかし、ビールが安い、スーパーが近いので、ついつい飲みすぎてしまった。
酔いがさめるまで、しばらくベッドで横になる。


そして、夕方、また町中を歩いて、てきとうなレストランで食事でもとろうと思った。
だが、砂浜で『Winx Club』の映画の看板を見つけてしまった。
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このアニメ映画は、なんとここ、カマリの町にあるショッピングセンター(と言っても、レストランや本屋などが数軒あつまった、広場のようなところ)で、上映されるのだ。
しかも、時間もぴったり。あと15分ほどで始まる。だが、お母さんに連れられた子どもたちが映画館(半分は食べ物屋になっていて、空いたスペースで映画も上映するような店舗らしい)に入っていくのを見て、さすがにためらった。

たぶん、これが『スター・ウォーズ』の最新作を特別に上映!とかだったら、飛び込んだと思う。だけど、女児向けのアニメを、東洋人の中年男が見るというのは、おそらく異様に感じられる。
「大人なのにアニメを見るなんて幼稚」なのではなく、そういう文化が理解されていないのに、場所もかまわず自分の趣味をゴリ押しするのは、かえって理解を遠ざけるだけだよ?って意味。
「本物のオタクなら、場所なんか考えず、周囲の目も気にせず飛び込め!」と言いたい人もいるたろうし、僕も悔やんだ。だけど、地元の子どもたちの遊び場に踏み込まなくて、正解だったと思う。

このとき、自分の中の「大人」と「オタク」が拮抗していたのは確か。「我慢しよう」と決めてから、もうレストランとか酒とか、「大人向けの娯楽」がすっかり色あせて見えた。
日本だったら、『プリキュア』の映画を大人が見たとしても、その手の文化の下地があるだろうと思う。ぎりぎり、理解してもらえるかも知れない。だけど他国ではそうではないのだから、僕らは「そういう大人も、アジアにはいるんですよ」と理解を求めていくべきなのだろう。へんな被害者意識をもつことなく、大人のオタクとして。(サントリーニ島旅行記・5につづく)

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コメント

はじめまして、ウィンクスについてネットで調べていたところ、このブログのこの記事に辿り着きました。

見たいものが見られなかったことについて、廣田さんの心中お察しします。

今回のウィンクスの映画『Winx Club: Il Mistero degli Abissi』を日本で簡単に購入できないかとわたし自身、前に調べたことがあるのでまとめて書いておきます。

まず、イタリア盤DVDはAntiquarium Milano(http://antiquarium.ocnk.net/product/2807)というところで販売されていました。
ブルーレイでは、ドイツ盤(http://www.amazon.co.jp/dp/B00R7E37KC)とイタリア盤の(http://www.amazon.co.jp/dp/B00O93I5GK)がそれぞれAmazon.JPで販売されています。

もうご存知かもしれませんが、今回の映画『Winx Club: Il Mistero degli Abissi(ウィンクス・クラブ: 深海の神秘)』のストーリーはシーズン5のストーリーと絡んでいるため、映画鑑賞前にRAI(公式ページ:http://www.winx.rai.it/dl/portali/site/multimedia/foglia/PublishingBlock-59e9fdfe-fef7-456a-b856-f5d37dc78c9f.html)やDVD(Amazon.jp:http://www.amazon.co.jp/dp/B00G6SO6X2)やYouTube(公式チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCNq_98Jas6jHzbkPaI08cXQ)などでシーズン5を視聴しておくと面白さが増すと思います。

Amazon.comやAmazon.itなどからでも海外商品の輸入購入が可能であることはもう既にご存知であるとは思いますが上に書いた三つのページから購入すれば外国語を読解しながら契約を交わす面倒が省けると思えるので、今回のこのコメントが今後の参考になれば幸いです。

初コメントで図々しく長々と書いてしまい失礼しました。

投稿: 電子姫 | 2015年6月23日 (火) 07時21分

■電子姫さま
はじめまして、コメントありがとうございます。
まさか、『Winx Club』について情報いただけるとは思いもよらず、たいへん驚きました。
帰国してから、『Mistero degli Abissi』のPVだけは、見られたんですよ……。
でも、ソフトまでは探そうとはしませんでした。ありがとうございます。

『Winx Club』は、2013年にクロアチアのホテルで、たまたま見たのが最初です。
(たぶん、それはクロアチア語に吹き替えてあったと思います。)
英語版のペーパーバックを買って、どういう話なのか知ろうとしたのですが、なんとなく、
たまにグッズを買い集めていれば、十分に楽しいかな……と。

だけど、紹介していただいたサイトを拝見すると、昨年にはソフトが出ていたのですね。
しかも、こんなに安く……。
日本ではまったく展開してませんし、ヨーロッパでどういう位置づけの作品なのか、
今ひとつ分かりづらい気がしています。本国イタリアには、行ったことがありませんし。
でも、再び興味がわいてきました、ありがとうございます。

投稿: 廣田恵介 | 2015年6月23日 (火) 08時09分

海外のニュースサイトやファンサイトでは海外展開の規模や売り上げなどについての詳細な情報なども取り上げているので、もしかしたらそこからどういう位置づけなのかが分かるかもしれません。
GLOBAL LICENSEES:http://www.licensemag.com/license-global/category/1274/article
WinxClubAll:http://www.winxcluball.com/

実はわたし自身が日本語でWinxの非公式ファンサイトをしているため、ついつい「DVDを買えば見られるのにもったいない!」と強く思ってしまいまして・・・。

海外のアニメやマンガが元々好きなので数回ほどネットで輸入品を購入していますが、海外で出回っているアニメDVDは日本で出回っているアニメDVDよりもうんと安いことが多いです。
しかも、ネットでの正規の無料配信もかなり活発で、うまくコツを掴めば見られる海外アニメや海外漫画は沢山あります。

海外の女性向けのアニメやマンガは日本での展開が行われても失敗することが多く(ジョゼフィーヌ!みたいな成功例は極わて少ない)、そのためか欧米企業が女性向けのアニメやマンガの日本での販売展開を避けることは昔から多いので、日本でそれらの実態をつかむのは確かに難しいですね・・・。
その上、日本と違って、海外だとアニメやマンガのオタクでも大人は女の子向けは軽視しがちでそれらを「自国のアート作品」だと言いたがらないことも多く、ネットでの書き込みを見ていると日本で作られたアニメやマンガのオタク(外国人)なんて「おれの母国の作品はクソだけど日本のは最高!」みたいなこと平気で言いだすのも多いので、現地の人の言葉から調べるのも困難なことがあります。(もちろん、人にもよりますので、自国のカワイイものが好きな方のコミュニティを見れば一発で分かることもあります。)

最初のコメントが参考になったようで、嬉しいです。

投稿: 電子姫 | 2015年6月24日 (水) 02時15分

■電子姫さま
貴重な情報、ありがとうございます。
日本で『Winx Club』の話をしても、「聞いたことはある」程度だったのに、まさかファンサイトをつくってらっしゃる方がいたとは……。

>日本と違って、海外だとアニメやマンガのオタクでも大人は女の子向けは軽視しがちでそれらを「自国のアート作品」だと言いたがらないことも多く

そうなんですか。日本とは逆ですよね。日本だと、『プリキュア』の映画に行く大人の男性が、いっぱいいるのに。
『My Little Pony』は日本ではあまりブレイクしませんでしたが、海外では、男性ファンが結構いたみたいですね。ただ、彼らを「気持ち悪い」と馬鹿にした動画を見てしまい、ちょっとショックを受けましたけど……。

>海外のニュースサイトやファンサイトでは海外展開の規模や売り上げなどについての詳細な情報なども取り上げているので

いま、翻訳ソフトで読んでいるところです。ありがとうございます。
『Shimmer & Shine』という女児向けアニメの広告が出ていますが、8月にニコロデオンでプレミア放送だそうで……僕は、こういうキャラが好きなのですが、日本では難しいんでしょうね。

投稿: 廣田恵介 | 2015年6月24日 (水) 13時45分

「自国のアート作品だと言いたがらない」と書いてしまいましたが言いたがらないというよりも「知らない」という感じが強いかったかもしれないと今さら思いました。

ウィンクスがイタリア・アニメとして大きな成功をしたためジャーナリストがウィンクスについて書いた記事を二つ三つ見ましたが、アニメ作品について報道したことがあるアメリカ人のジャーナリストですらヨーロッパアニメとアメリカアニメの見分けがついていない様なものもチラリと見たり・・・。

>日本とは逆ですよね。日本だと、『プリキュア』の映画に行く大人の男性が、いっぱいいるのに。
そうですね。良くも悪くも子ども向けの産業アートの捉え方が違いますね。
MLPのブロニー大量発生の件ですが、実はあのMLP第四世代のアニメは日本アニメ万歳派のオタクからの人気が意外にも高くて・・・。

>『Shimmer & Shine』
欧米アニメに出てくる褐色の肌の女の子はかわいいのでわたしもああいう感じは好きです。

>日本では難しいんでしょうね。
そうですね。わたしもその辺は難しいと思っています。

生活環境から販売展開の仕方まで国によって違うので、今さら他の国のマネをしても意味がないのかもしれませんし・・・。

日本の女の子向けだと外国の女の子というと金髪の白人ばかり目立っていて、褐色や黒色の肌を持つ人種の子がたまに出てきても顔はアメリカかイギリス系のアングロサクソンやモンゴロイドの日本人と同じデザインだったしてビジュアル的には他のキャラに埋もれやすいことが多いとわたしは強く感じていますが、それも作る側にも消費する側にも身近に様々な人種がいて当たり前だったりそういう人種の描き方にうるさい団体があるなどという環境の中で海外展開も視野に入れて作られたものと日本人が日本国内で売る事だけを最初に想定して売れたら海外にも売れるかな程度に考えて作ったものでは人種の描き方に違いが出ることによって絵全体の雰囲気が変わるのも当然だと思えますし・・・。

例えが悪くなってしまいましたが、日本が閉鎖的だなんだと言いたいわけではなく、文化的背景などを考えると日本ではそういう雰囲気のアートを作る“必要がない”または“やっても意味がない”だけなんだろうと思っています。

今回の例えに沿って言うと、日本でウィンクスのように褐色の肌を持ち鼻ぺちゃで目がモンゴロイドのように細い女の子が東アジア風の子や赤毛の白人と一緒に西洋SFファンタジーの世界でフェアリーの姿をして動き回る絵を作ったとして、それが日本の企業にとってどこまでのメリットになるのか・・・そこが問題なのかもしれません。
日本の女の子向けだとドイツの女の子向けと違って馬への執着もないので馬を使った独自のアートなんかを発展させても無駄になりそうな気がします。

投稿: 電子姫 | 2015年6月24日 (水) 17時12分

書き忘れていましたが、実はギリシャではWinxの販売展開は映画公開以外にも活発に行われています。

最近行われたショー『Winx Club Musical Show, 10 anni di magici successi』(http://www.winxlospettacolo.com/)はギリシャでもやったみたいで、シーズン7もニコロデオン・ギリシャでどこの国よりも早く放送が開始されました。(その為、ファンの間ではギリシャ語吹き替え版の違法アップロードでものすごく賑わっています。)
ニコロデオン・ギリシャでのCM:https://youtu.be/S5yesu6aiXA

シーズン1のギリシャ語版吹き替え版の違法アップロードをYouTubeで調べて見てみると、WinxClubは6、7年前からすでにギリシャ向けにも出していたみたいです。

投稿: 電子姫 | 2015年6月24日 (水) 17時58分

■電子姫さま
>MLPのブロニー大量発生の件ですが、実はあのMLP第四世代のアニメは日本アニメ万歳派のオタクからの人気が意外にも高くて・・・。

日本でも、MLP好きの男性はチラホラと見かけたので、分かるような気はします。
MLPの歴史も、かなり長いのですね。

>文化的背景などを考えると日本ではそういう雰囲気のアートを作る“必要がない”または“やっても意味がない”だけなんだろうと思っています。

結果、ガラパゴス化して独自の進化をとげたのが日本のアニメだと思います。どの人種を描いても、同じ顔ですからね……。
しかし、僕がサントリーニ島で『Winx』の映画を見るのを思いとどまったように、消費行動も、独自に発展しすぎた感がありますね。
僕は欧州三ヶ国しか行ったことがないのですが、ディズニーのグッズを探しているだけで「子どものお土産でしょ?」と言われてしまいます。
(ディズニーでも、僕はプリンセス物が好きなので、「なぜ男のあなたが?」と思われるのは当然かも知れませんが。)

>シーズン7もニコロデオン・ギリシャでどこの国よりも早く放送が開始されました。

そうなんですか。今回は、ギリシャ本土には、ほとんど滞在できなかったので、街中でグッズなどを探すことは出来ませんでした。
教えていただいたミュージカル・ショーのサイトですが、背景の絵がいいですね。セル画もいいけど、こういう緻密なタッチにも、独特の美しさがありますね。

投稿: 廣田恵介 | 2015年6月25日 (木) 05時38分

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