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2015年4月24日 (金)

■サントリーニ島旅行記・2■

翌朝、8時にチロルの経営するホテルを出た。まずは、予約していたホテルに泊まれるかどうか、確かめないと。
だが、例のホテルは、まだ開いていない。フィラの町の朝は早く、24時間営業のベーカリー、ピザ屋など、食べ物には困らない。パンふたつと飲み物で、5.80ユーロ。
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写真を撮る余裕がでてきた。

10時半、チーフ・チロルの宿をチェックアウトすることにした。とても助かったので、僕にしては珍しく「いい部屋ですね」とお世辞のようなことを言ったら、チロルの奥さんは明るく笑ってくれた。

そして、予約してあったホテルの扉をノックすると、オーナーの奥さんに「ほーら来た」と呆れた顔をされた。扉には、「何があっても20時以降は対応できません」と、新しく紙が貼ってあった。「このルールは、知りませんでした」と、いちおう言い訳をする。若いオーナーは、「朝食は8時半、チェックアウトは11時半、これはとても大事なこと」と早口で言うと、さっさと階段をのぼっていく。僕はスーツケースを持っていたので、転んで左手をすりむいてしまった。
……まあ、遅く着いた僕が悪いんだけれど。朝食で部屋をあけているあいだ、勝手に部屋に入ったり、感じのいいホテルではなかった。

事前に、「どうしても飛行機が遅く着いてしまうのですが」とメールしておけば、もう少し対応も違ったのだろう。


迷ったおかげで、フィラの地理関係が把握できた。
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「日が山の端に隠れると、港の街には清らかな夕べがやってきた。私は、ワイシャツを取り変え、先日買ったすみれ色のバウを結んで外へ出た。」――稲垣足穂の『星を売る店』冒頭の、すばらしい坂の町の描写を思い出した。

アジア人の女の子がひとり、大きなカメラを片手に、町のあちこちを撮って歩いている。きりっとしたキャップが、よく似合っている。
存分に時間はある。僕は迷うにまかせて、白い壁の町を歩きつづけた。いや、歩くというより泳ぐ感じに近い。歩けば歩くほど、気持ちが浮遊していく。


ところが、教会の近くで、僕は地元の老人に怒鳴られた。
白人の家族が、教会の時計塔をカメラに収めていたので、僕も同じ場所から撮影していたときだ。「ヘイ! ヘイ!」と大声で声をかけられ、教会の近くから立ち去るまでジーッとにらまれた。写真を撮るのがダメなら、なぜ白人の家族はOKなのだろうか?

サントリーニ島には、中国人や韓国人がとても多く観光に来ていた。彼らも、同じように怒鳴られたりしたのだろうか? その老人はフィラに住んでいるらしく、あと二回、僕の前でツエを振り回したり、うなり声を出したり、嫌がらせのようなことをした。「教会を撮るな」というのではなく、単に僕のどこかを気に入らないだけなのだろうけど、その悪意の何パーセントかに「アジア人だから」という理由が入っていたのではないだろうか?
それを「いいよ、嫌いなら仕方ないよね」では、僕はすませられない気分になってきた。

遅く着いたためにホテルに泊まれなかった……などという分かりやすいトラブルではない、もっと別の重たい気分が、僕の心に入り込んできた。ほとんどの人は、昨夜、ホテルを見つけてくれた女性のように親切だった。しかし、たまに無愛想にされると「アジア人だからかな?」と、のどに引っかかった魚の骨が気になるような、ささくれた思いにかられた。(サントリーニ島旅行記・3につづく)

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