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2015年4月28日 (火)

■0428■

神撃のバハムート GENESIS アートワークス 本日発売

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●さとうけいいち監督、恩田尚之作画監督、中村豪希美術監督インタビュー
僕より少し上の世代のクリエイターの方たちから、とても面白いお話が聞けたのですが、最近はアニメ制作のメイキングに寄った記事が減っているので、カメラワークやタイムシートの話を書いても理解してもらえるのか、不安です。

「ストーリーはまったく面白くないが、この作画、すごいことをやっている」とか「このカット割りは、こういう意味でカッコいい」など、技術面からの批評がなくなってしまった。テクニックを誉めると、「そういう細かいところしか見てないのか」と、部分評価として低く見られる。
「泣ける」ことが映画の価値のように扱われて久しいけど、作品へのリアクションがどんどん反射的・感情的になっていくようで、なんだか怖いよ……。

だからせめて、紙の本では、テクニカルな話を残すようにしているんです。せっかく、その道のプロに取材できるのだから。
現場でどれほど高度なことをやっているのか理解されないと、アニメーターの低賃金問題も切実に感じられないのではないか?とも思う。「趣味で描いてんだろ」なんて、そんな甘いものではないので。


今週金曜(5/1)の20時からは、ニコニコ生放送で、「児童ポルノ規制法」について、河野晃弁護士に語っていただきます()。
漫画・アニメ・ゲームは、もはや「児童ポルノ」とは無関係なのですが、この法律のゴタゴタに巻き込まれてきた表現規制に反対する人たちが、児ポ法の問題点にいちばん詳しくなってしまった。なので、「児ポ法をよく知らない」人にこそ、見てほしい。

ギリシャのサントリーニ島への旅行と、アブダビへの思わぬ立ち寄り。
白人のジイサンから侮蔑されたり、アニメ映画を見ようかどうか迷ったり、悩んでみて良かったと思う。

深夜に到着したためにフィラのホテルに泊まれなかった件だが、向こうから見れば、迷惑なドタキャン客に思えただろう。ひとこと、謝るべきだった。
また、アブダビ空港、エティハド航空とホテルの丁寧な対応は、彼らの失敗を埋め合わせる以上の意味を持っていた。表面的なお詫びの言葉がなかったかわり、従業員ひとりひとりの表情や態度から、十分すぎるほどの誠意が伝わってきた。「サービス」などという言葉では、とても言いあらわせない。人間の体温に圧倒されたというか。
お客を持ち上げるんじゃなくて、かたわらに寄り添う感じなんだよな。

場末の安ホテルではなく、高級ホテルに泊まらせたことも、もちろん非常に重要。だけど、お金では、人格は育たない。自分がつらい経験をしないと、人に優しくすることの価値は、決して分からないからね。

さて、今回の旅を通して実感したのは、「子ども向け文化を、成人しても引きずっているのは、アジア人だけではないか?」ということ。ピンク色のリュックに、ぬいぐるみなどのアクセサリーをいっぱい付けて歩いているのは、韓国人の女の子。幼さを強調したゴスロリみたいな服装で歩いていたり、スマホでゲームしているのも、みんな韓国人の若者。
ヨーロッパではキティちゃんが定番キャラ化しているようだけど、あくまで「子ども向け」として売られている。日本のように、大人になってもキティちゃんのグッズを買ったりはしないらしい。

だとするなら、「成人しても子どもっぽいものを愛する」文化を欧米基準で切り捨てるのではなく、逆に、共有できるようなコンテンツを打ち出していけないだろうか?と考える。
クロアチアで出会った、サムライ好き、日本刀マニアのウェイターのことを、今さらながらに思い出す。スウェーデンで見つけた、日本漫画専門店のことも。


敗戦後、日本では権力者たちは手のひらを返してアメリカにゴマをすったんだけど、いまだにそういう感覚の政治家は多いし、白人の考えることを何でも無批判に「進歩的」ととらえる日本人も少なくない。
韓国や中国を蔑視するのと同様、「アメリカはこんなに進んでいる」「イギリスは日本とは違って……」も、しょせんは劣等感の裏返しだよ。どの民族や国家が上でも下でもない。

そろそろ、二本の足で立つべき。
というのは、何も日本文化を称揚せよという意味ではない。自分自身にとって、恥ずかしくない個人になるべきなんだ。まず、自分という個人を磨かないと、話にならない。

幸い、旅行から帰ってきて、いくつか大きな仕事をいただいている。
僕が最前線でがんばれるのも、どんなに長く見つもっても、あと10年でしょう。いい意味で、僕を使い倒してもらえるのではないかと期待している。

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