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2015年4月 4日 (土)

■0404■

毎朝毎晩、原稿に追われている。13日からギリシャ旅行だが、その前日までかかりそう。そうならないように調整してきたつもりが、「勝手ながら」の前置きで、締め切りが旅行中に設定されていたりするので、昨日は倒れてしまった。
フリーランスの立場は弱い。出版社や編集プロダクションに、アルバイトのように使われるのは、まだ交渉の余地がある。彼らはまだ、ぎりぎり仲間だ。アニメ記事の場合、「版権チェック」がある。ここで、いつも主従関係が生まれてしまう。「従わなければ、画像は使わせませんよ」と、平然と脅迫してくるアニメ会社もある。パワハラの起きる場合が多い。


そもそも、膨大に直しが出たら、下へ行けば行くほど疲弊する。
担当者が「ここ、全部ナシで」と気軽に赤を入れたら、編集やライターやデザイナーは、なんとか工夫して「ナシ」にされたところを、埋めないといけない。

「こういう書き方しないでください」「こう受け取らないでください」と言われる場合は多い。もっとも力関係を実感させられるのは、「これ、ちゃんと調べましたか? ウィキペディアを見て丸写しじゃありませんよね?」と、根拠もなく疑われるとき。アンタは俺の上司か先輩ですかと。
ようは、アニメ会社の担当者は(社員なので)プロだが、こちらはプロ扱いしてもらえないのだ。

というより、彼らは不眠不休でオーダーに従うのがプロだと思っている。クオリティを高めるのではなく、「言うことを聞く」のがプロだと思っている。
しかしそれは、僕らライターが「はいはい、版元様の仰せのままに直します」と従いつづけてきた結果なのだ。


実写映画業界では、たとえ宣伝担当者が原稿を見ても、一文字たりとも直さない場合が多いのだから、やはりアニメ業界の一部に、幼稚なパワハラの起きやすい下地がある。
上下関係を与えられたとたん、遠慮会釈なく、相手に際限のない要求をつきつけてくる。教え子をセクハラする学校教師のように、「これこそ自分の権利だ」と言わんばかりに。

今日も、Twitterでは「モテ、非モテ」といった言葉が、悪意と自虐のもとに交わされている。
男がモテない理由は簡単で、性格が悪いから。「あなたは、何もかも顔のせいにしている」「あなたは、自分がされたくないことを他人に平気でしている」と大学時代に指摘され、それ以来、自分がモテないのは性格のせいなのだと自覚をしている。

アニメ業界では、幼稚なパワハラが起きやすいと書いた。濃いアニメファン同士も、よくトラブルを起こす。オタクならではの性格の悪さ、というものは間違いなくある。恨みぶかいというか、自分ひとりが不愉快なら、平気で場の空気をにごすのだ。そのくせ、「俺のことを変なヤツだって思ってるんだろ?」と、隅っこでいじけている。
コミュニケーションの不足をフィクションに頼った分、毒素の濃度は増している。薄めるには、生身の人間と触れ合うしかない。


どこへ行っても、うっかり気を許すと、力関係に取り込まれてしまう。
誰もが誰かを罰したいと思っている国だから、自由でいることは難しい。

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コメント

>「勝手ながら」の前置きで、締め切りが旅行中に設定されていたりするので

ものすごくわかります。
自分はフリーでデザイン・組版、CGの仕事をしています。
最初におおまかなスケジュールを頂いても、基本、それより前倒し進行。
とにかく早く出せ、と。
こちらはそれ以外の仕事も同時進行しているので、いろいろやりくりしつつ、プライベートな時間も削りつつ間に合わせますが、
再校、再々校等経て最後の最後、この修正したのチェックしてもらえれば責了で入稿ですよってところで、
編集担当が「見てる時間がない」という、くだらん理由で締め切りが1週間延びたり。。。
これに間に合わせるための努力は何だったのか…
これが終わると想定して入れた次の仕事のスタートも遅れる…
(むしろ月刊誌の仕事の方が楽ですね。絶対〆切りがズレないですから。笑)
だからといって、こんなスケジュールじゃできないですよ、と言えば次からは仕事は来ません。
編集様々、版元様々です。
ちょっとでも嫌みを言おうものなら、「みんなどこだって同じですよ」って返されます。
問題を解決しようと思ってないし、いや、問題だとも思ってない。

版元・編集者から印刷所までの工程の人間は少なくとも「いいモノを作ろう」という観点では同じ仲間だと思うんですけどね、どうも違うようです。
そこはこの仕事をしていてつくづく感じます。

でも全ての編集の人間がそうだとは言いません。
たまに神のような編集さんがいます。
そういう時の仕事に対する喜び感はたまらないものがありますから、
まだもう少しこの仕事を頑張ろうかと(笑)。

投稿: solao | 2015年4月 5日 (日) 14時22分

■solao様
だいぶ前にも、コメントくださった方ですよね。ありがとうございます。

>これに間に合わせるための努力は何だったのか…
>これが終わると想定して入れた次の仕事のスタートも遅れる…

そうそう。こっちは自分でスケジュール管理しているので、誰かのせいにできないばかりか、誰かのせいで休みも潰れるし、他の仕事にしわ寄せが来てしまうんですよね。
「終わらせるための工夫」をしないから、日本人は大きな連休をとれないんですよ。睡眠不足自慢ばかりしている。

>ちょっとでも嫌みを言おうものなら、「みんなどこだって同じですよ」って返されます。
>問題を解決しようと思ってないし、いや、問題だとも思ってない。

問題提起すると、「あの人、変わっている」「厳しい」とか言われてしまうんですよね。
そういう幼稚っぽい同調圧力がイヤだから、こういう仕事をしてるんだろうに……。低いほう、遅いほう、ダメなほうに合わせておいて、「出版不況」に責任をなすりつけたりしますからね。不況だろうが何だろうが、売れる本は売れているのに。

>たまに神のような編集さんがいます。

着いていこう、学ぼうという気になれますよね。そういう人を裏切りたくないとも思えますしね。
僕は、優れた編集者の役に立てるなら続けていこうという気持ちでして、すべて自分の思い通りにコントロールしたい欲求はないですね。

投稿: 廣田恵介 | 2015年4月 5日 (日) 15時45分

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