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2015年3月14日 (土)

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『Gのレコンギスタ』第24話。残り二話で、この消化ペースは、さすがベテラン。「権力者になりそうなベルリを憎むマスク大尉が、どうやってベルリと友だちになれるか?」という、シンプルな方向性が浮かび上がってきた。
Nj0hudndhあと、生きていても仕方のない大人は、さっさと殺す。その辺、最近の富野由悠季さんは分かりやすい。昔の作品では「こんないい人、将来のある人をどうして殺すの?」という理不尽を感じていたけど、ここ二話で死んでいる人たちは救えない人たちばかりだから。嫌な気持ちはしない。
ただ、スルガン総監の死に方とアイーダの反応は生々しくて、とても見事な演出だけど、見たくはなかった。アイーダが空気もれを防いで救ったと思ったら、別の窓から宇宙へ吸い出されていた……という、彼女の迂闊さが招いた死に見える。そこは、ちょっと意地悪。だけど、あの気まずさは『ハート・ロッカー』などの現代の戦争を描いた映画に見るリアリティで、富野さん、そこは勉強なさったんだと思う。

いい加減、「首が吹っ飛びました。どうです、過激でしょう?」というのは卒業したいよね。いまだにそういう演出をやっている富野さんを、見たくはないでしょう。作家は進化するんです。あの歳で向上心を失わないって、驚異的だと思います。ハングリーです。

(実は仕事で関わることになったので、絵コンテを見せていただいた。それぞれのキャラクターに関して、一言二言ずつ富野さんのメモが書いてあって、その言葉の優しさにジーンとしてしまった。
Gセルフがアサルトパックで狙撃するとき、カメラが各モビルスーツをPANして、名前のないキャラクターまでもが「よく狙え!」「私がついてる!」って声をかけて元気づけるでしょ? 『Gレコ』ってそういう作品なんですよ。)


作品のスタッフの方から紹介していただいた、宮城県の復興情報発信アニメーション『今、ふたりの道』()。自治体のつくったアニメなんだけど、サラッと現状を描いていて、けっこう良い。本当に「情報発信」であって、感情的ではない。
津波のシーンをかなりリアルにやっているけど、「アニメなら生々しさを希釈できるのでは?」と狙ってやったのだそうです。セル画の質感だと、フィルターがかかる。現実を直視しないですむ。だけど、描きたいものだけ取捨選択している分、描かれてないものを「なぜ描かなかったのか」気になる。ネガとポジみたいな関係がひそんでいる。実写映画だと、すべてポジだから疲れるんだろうな。

昨日、アニメ会社に取材して、一昨日が児童虐待の講演でしょ。さすがに、人と会いつづけるのがしんどくなった。引っ越し準備も原稿もあるから、二時間の映画をレンタルして見ている余裕はない。そういうとき、30分のアニメって、ちょうどいい。
人と会っていてしんどいなんて、今までにない経験なんだけどね。ドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』をケーブルテレビで見たけど、あれも辛かった。


それなのに、明日の夜はイベントの司会です。
“小澤雅人監督(「風切羽」)×廣田恵介(映画ライター)×水井真希監督 性虐待や性暴力、「児童ポルノ」とは何か、更にクリエイターと「表現規制」について”(
渋谷アップリンクにて、映画【ら】上映20:30~、トークイベント21:45~の予定。

このトークのテーマは、監督が水井真希監督が決めたと思うんだけどね。「終わったら、朝まで飲みましょう」なんて話もあったんだけど、そういうことも無さそうです。

(C)創通・サンライズ・MBS

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