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2015年1月29日 (木)

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レンタルで、『ローン・サバイバー』。
Main_largeアフガニスタンで4人のアメリカ兵がある任務につくが、人命優先の判断をしたため、ひとりを除いて凄惨な死をとげる。実話を元にしているので、ラストに死んでいった兵士たちの遺影や結婚式のビデオが出てくる。
あまりにも酷い話で、本当に戦争がイヤになります。だけど、人間をイヤにはならない。戦争反対の人は、こういう映画を見ればいいと思うんだけど、どうも敬遠しがちなような気がする。兵士を「人殺し」と呼ぶような、雑な感性では割り切れない複雑さがある。
映画は「作戦に参加した兵士たちは立派、悪いのはタリバン」と言っているようにも思えるが、言外に「でも、悪い人間ばかりじゃない」「人間に失望しないでほしい」と訴えている。

過酷な山岳地帯でのドキュメンタリックな撮り方に、目が離せなくなる。すごく、イヤな場所に派遣されるんですよ。岩ばかりで、まっすぐ歩けない。平地なんかない。足をすべらせたら、木にぶつかるまで転がり落ちる。視界が悪くて通信にも向いていないため、4人は孤立してしまう。
そこへ、山羊飼いの老人と少年がやってくる。実は、彼らはタリバンに米軍の動きを連絡してるんだけど、武器を持っていないから殺してはいけない。じゃあ、どうするのか。
この緊迫したシーンで、山羊の顔がアップで入ったりする。とてもイライラするんだけど、演出としては、すさまじく効果的ですね。だって、その場にいる兵士たちにとっても、山羊なんて邪魔なんだもん。映画というのは、観客を二時間ジッと座らせるかわり、“座っているだけでは味わえない感覚”を、生理を通じて訴えつづけるメディアなんだよね。だから、何度も見ているうちに印象が変わったり、歳をとると別の映画のように見えてきたりする。


この作戦で死んだ兵士たちは、20~30代。冒頭に、『G.I.ジェーン』に出てきた訓練のシーンの実際の写真が出てくる。あれだけ非人間的な訓練を受けて、ようやく銃を持たせてもらえる。ヘリにも乗れる。その一方で、彼らは家族の話、新居の話なんかをしている。
日本のアニメを見ていると、何の訓練もしてない若者が「フィーリングがあった」とかいう理由で、最新鋭ロボットに乗って戦ってしまう。そして、訓練をつんだプロの軍人は冷酷で残忍に描かれている。あの感覚は平和ボケというより、ロジックとか段取りを無視しすぎていて、ちょっと怖い。

なんかかこう、「善いことをイメージした人なら、きっと善い人だ」って感覚。善いことをするには、どういう段取りを踏まなくてはならないか、そこをスキップしている。
もちろん、アニメに限った話ではない。政治も社会も、いつも明確な段取りをぼやかしたまま、のらりくらりと話をはぐらかしているように見える。その一方で、個人が何をやったのかだけは、苛烈に問いつめる傾向がある。


ちょっと他の方の意見も耳に入れたいと思い、【児童ポルノに関するアンケート】というのを作りました()。
問1で、必ずひとつ選択しないといけない設定にしてしまったので、「本当は選びたくなかったんだけど……」という人は、問2にその旨、書いてください。アンケート作るのは初めてなので、不備があってすみません。

それと、別に「何が児童ポルノに当たるのか」正解を探すアンケートではないです。どこかへ提出するつもりないです。なので、児童ポルノと直接は関係ない話を書いている人がいますが、それでもまったく構いません。

こういう、ややアバウトな場を用意しておかないと、僕自身も窒息してしまうので。あまり身構えずに、協力お願いします。

(C)2013 Universal Pictures

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