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2015年1月20日 (火)

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レンタルで『ダイ・ハード/ラスト・デイ』。シリーズ5作目。「~4」とか「~5」と付けてくれないと、「どうせ見ただろうから、借りなくていいや」となってしまうので、付けたほうがいいんではないか。
Szklana_pulapka_6059129ロシアが舞台で、ブルーを基調にした冷たい映像は、なかなか陰鬱で良い雰囲気。マクレーン父子が敵対しているのも、殺伐としていて好き。
カースタントが、なかなか凄い。スタント自体も大事だが、短いカットを大量に重ねているのが上手い。「映画は編集で救える」という言葉は、『スター・ウォーズ』一作目のときに生まれたらしい。フッテージ(撮影素材)がどれだけ貧相に上がってきても、テンポある編集で生まれかわる。


ただ、後半の舞台がチェルノブイリで、放射能を除去する装置が出てくるあたりで失笑してしまう。原爆や放射能を過小評価して描くのは、もはやハリウッド映画の伝統芸だ。
それ以上に、マクレーンがロシアの民間人の車を二台も盗んだうえ、二台目を盗むときに「ロシア語なんて分からんよ」と言って、運転手を殴り倒してしまうのはどうかと……。
ちょっとの爆発ぐらいでは、人が死なないのが『ダイ・ハード』の世界だと思う。なので、街中でロケット弾をかわして背後で爆発させるのは、「誰も死んでない」で説得できる。でも、あれだけの死者が出たチェルノブイリに陰謀説を付加したり、「海外が舞台なら何をやってもいい」と誤解されるような無神経さが、散見される。

僕も、「銃で撃ち合ってるだけの派手なアクションが見たい」と軽い気持ちで借りてきたんだけど、人間観って、そういう映画にも出てしまう。意図しない部分まで表出してしまうので、表現は怖いと思う。
もちろん、僕自身の人間観が変わったせいもある。フィクションに求めるものも変わった。撃ち合いと爆発が、えんえんと続くだけの映画をボーッと見ていたい欲求もある――。


友だちとのメールで、お互いに「今期の深夜アニメは、アレが面白い」「いや、期待したより面白くなかった」とやり合っているのですが。やっぱり、子どもが生まれると、深夜アニメに時間を避けないそうなんだけど、実は彼のほうがアニメのソフトを買っている。買うときは、全巻まとめてドカッと買う。なので、業界にとっては、彼のほうが「お客さん」だと思うんだよね。

僕は、変身バンクを気に入って、バンク目当てで毎週見ていて、ストーリーは問わなかったりする。絵柄、もっというと「線」が好きで見ているとか。どんどん、部分評価になっている。オープニングや変身バンクだけ集めた、安いソフトが出れば買うのに……と思っている。
深夜アニメぐらいは享楽的でいいだろう、と思う一方、「僕が中高校生のころのアニメは、社会に拮抗していたなあ」と思い出したりもする。劇場公開によってアニメが実写映画と並ぶことで、若者の嗜好をオジサンたちに知らしめる回路ができていた。ラジオの映画レビュー番組で「『ガンダム』ってのを見たけど、よく分からなかった。だけど、ロボットのデザインはセンスいいね」と映画評論家が語っていて、「ざまあみろ!」と喜んだりもした。

今のアニメがどうとかいう以前に、若者とオジサンが分断しているか、オジサンが若者の気分のままでいすぎるのかも知れない。そのために、お互いの相違を認識する回路が(必要)なくなってしまったのかも知れない。お互いに知らしめるべき価値意識を、フィクションに込められていない、あるいは読み取ろうとしない、そういう怠慢もあるのかも知れない。

こんな社会だから、引きこもりも悪くない。だけど、フィクションって、社会と接続してしまう。自分の部屋でこっそり作った作品であっても、ネットに乗ったら、双方向になってしまう。批判も受ける。そう簡単に、現実逃避はできない。
でも、社会に接続しながらモラルを磨いていかないと、作品の出てくる土壌そのものが腐りかねないからね。土壌だけは枯らしてはならないと思っている。

(C)2013 Twentieth Century Fox

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