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2014年12月 5日 (金)

■1205■

『ベイマックス』の試写。仕事でインタビュー予定なので、サラッと。
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ロボット物です。ロボット・アニメです。『ジャイアント・ロボ』(もちろん今川版)、『アイアン・ジャイアント』、ボーイ・ミーツ・ロボット好きの日本人なら、見る資格と権利と義務があります。ちょっとした背景やコスチュームに、「これ、ひょっとして○○!?」と指差したくなるようなオマージュが満載です。

何より、舞台がいい。史上初めての、「海外から見た変なニッポン」の裏返しにある理想化された日本(東京)。未来ではなく、現在ってのがいい。「これ新宿にある通りだ!」とか、「ひょっとして上野のガード下?」とか、いろいろ発見がある。
CGアニメの強さは、既視感だから、知っている場所が出てくるほうが刺激的だし、愛着もおぼえるわけです。あと、CGは情報が効率的に伝わる。風船にさわったことのない人はいないから、風船で出来たベイマックスに触った感じは、誰にでも分かる。「ここは少し硬いんだな」「これぐらい押しても平気なのか」と、シナリオ的な説明なしで伝わる。(2Dで風船の質感を出そうとしたら、そういう演出と作画を考えないといけない。果たして、それを手で描けるアニメーターは誰なのか? 人選も考えなくてはいけない。)

もうひとつ、人物の表情ですね。これが、すごいレベルに達している。記号的な表情ではない。微妙なニュアンスが漂っている。まるで、俳優が演じているみたい。
「これはもう、全面的に3Dになって、2Dは特殊なジャンルになるな」と思ってしまった。全世界的には。『妖怪ウォッチ』は2Dで残るだろうと思ったけど、エンディングが3D作画でも、怒る子どもはいないでしょ?


もうひとつ、これはメカニックの話、エンジニアたちの話です。科学の門外漢は、ほとんど出てきてません。(主人公の母親がわりの、美人な叔母さんぐらい。)
そこが、好悪を分けるとは思う。14歳の主人公ですら、専門用語を平気で使い、幼さをまったく感じさせない。「子どもなんだから、未熟でいいんだ」って考えが、かけらも無いんです。そこがカッコいい。

子どもを主人公にして、「科学技術はどうあるべきか」を分かりやすく描けるだけで、もう降参!という気がしてしまう。
日本人には、基礎学力がない。それは理科や物理の授業の話ではないです。問題が起きたとき、どういう手順を踏んで、どう役割分担して、どこまでリスクを負えば解決可能なのか、日本人には考えられない。「まあ、何となくやろう」「ダメかも知れないけど、頑張ろう」としか思っていない。今の選挙活動を見ても、そうですね。有権者にメリットを提示できていない。スローガンの連呼だけ。ロジックがない。スローガンだから、平気でウソもつく。「政治ごっこ」「ままごと」なんですよ。


そういう意味からも、僕は「アニメは3Dになる」と思ってしまう。何よりも効率がよく、2D的な感情表現さえ可能になったから。「なんとなく、一生懸命やったから、伝わればいいな」ではなく、「どうすれば伝わるのか」討議した痕跡が、動きのひとつひとつに宿っている。
CGだから手抜きとか冷たいとか、そういうレベルの話ではなく、強い事実をより多くの人に伝えるには、CGが向いているんだと思います。実写だと3時間かかるところを、90分にできる上、年齢層を広げられる。どうすれば分かってもらえるか、ロジックがあるからです。
茫洋な、感覚的な好き嫌いなど、どこかへ消えてしまいます。

(C)2014Disney.AllRightsReserved.

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