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友だちから、「あんたは文章を売り物にできるのだから」と言われて、ハッとした。
それは、ちょっと違う。小説や詩のように、雑誌に載せても文庫にしても同じ価値を発揮するような文章は、僕は書いていない。その年、その月に発売される雑誌に「ページを構成する」「ページの一部を作る」のであって、文章だけをお金にしているわけではない。
企画を持ち込むこともあれば、「ガンダムで何かやりたいんだけど、ネタない?」と相談される場合もある。そこに答えを持ってくるというか、素材を用意する。少なくとも、それが僕の仕事。
なので、ライターだから文章が上手いとか下手とか、ライターだから文章が上手くなりたいというのは、ややお門違いな評価であり、願望だ。シメキリに間に合うように(つまり全体の制作期間を考慮して)、そこに必要な素材を配置することの方が、何十倍も必要な技術だ。
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WEBアニメスタイルさんで、『機動戦士ガンダムUCインサイドアニメーションワークス2』を取り上げていただき、その文中に「作画参考などマニアックな資料満載だった前著に対して」という記述がある。
「マニアックな資料」が、バーニア炎やカメラ内の光源などの撮影指示書をさすのだとしたら、それは「ガンダムUCの現場でしか通じない資料」のこと。絵コンテやタイムシートなどの共通言語ではない、ローカルルールのことでしょう。ローカルルールは、どんな職種の現場にだって、必ずある。
「その瞬間、そのスタッフの間でしか通じないルールを徹底させる」のは、仕事を納期どおりに完成させ、なおかつ、クオリティを維持するための工夫だよね。根性論ではない。
なんかね、目に見えない「文章の神さま」「絵の神さま」みたいなものを素人が信仰するならまだしも、現場が頼りはじめたら終わりだと思う。
(そういう信仰を持っている夢見がちな人とは、怖くて仕事できないですよ。僕は、「早く終わらせて、早く呑みにいく」ことを目標とするようなリアリストと仕事したい。)
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秋元才加の存在を数日前に知り、彼女がタンクトップでロボットを操縦する『ウルトラマンサーガ』をレンタルしてきた。冒頭で『ビューティフル・ドリーマー』をパクってみたり、けっこういいセンスの映画。秋元は、『牙狼』のスピンオフ映画で、主演するんだよね。もう、雨宮慶太のもとにいるんだったら、秋元主演で『ゼイラム』を撮りなおしてもいいじゃん?
やっぱり、女優にとって怪獣映画は特別だろうし、怪獣映画にとっても女優は大事だろうし。日本映画専門チャンネルで『フランケンシュタイン対地底怪獣』を見たんだけど、水野久美がいなければ、ストーリーを構成できないようになっているよね。
やっぱり、その女優が単独で強いのではなく、女優と映画の「関係性」さえよければ、いくらでも魅力的になる。
ところで、『ウルトラマンサーガ』のVFXには、白組が参加している。
白組といえば『ガッチャマン』なんだけど、どうしてあの映画だけが執拗に叩かれるのかと思ったら、剛力彩芽の熱心なアンチがいるせいでは……と、友人の指摘。
せっかく良い部分があっても、自分の目で確かめようともしない愚民どもが、かさにかかって映画をダメにしてしまう。
(C)円谷プロ
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