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2014年9月 6日 (土)

■0906■

先日、アメリカでの長期勤務から帰国したクリエイターさん(アニメ業界の方ではありません)へのインタビュー後。編集者が「いま一番、オススメのアニメ」として、『Gのレコンギスタ』を薦めていたので、すっかり嬉しくなってしまった。
Photo ただ、『G-レコ』は、僕らファースト・ガンダム世代のオジサンたちは、それぞれの立場から「支える」作品であって、僕らがメイン消費者になってしまうのは、結果的に(作品にとっても僕らにとっても)幸福ではないだろうと思っています。

僕は子供のできないまま生涯を終えそうなので、「ファースト・ガンダムを見ていた年ごろの自分(13歳)」を、勝手に『G-レコ』の視聴者だと決めつけているんだけど(笑)、その世代の子たちは、ネットゲームやLINEが楽しみなんでしょうか。
『G-レコ』のプラモデルにしても、もっと簡単に組み立てられるものが出ないものだろうか……と、オモチャ好きの編集者と話したりしています(彼は既婚者だけど、子供はいません)。

MBSでは10/2から、TBSでは10/3から放送開始です。
いずれも深夜なので、小学校高学年~中学生ぐらいの子供のいるお父さんは、録画して見せてあげてください……と、勝手な願望を書いておきます。
つまり、僕の次の次の世代のために残しておきたい(そのために具体的に何ができるのか?)と、そういう意味で発奮させてくれるアニメ作品、それが『Gのレコンギスタ』です。


来週、国会議員と一般国民が【エロ漫画規制は是か非か?】について配信をやりますけど()、表現規制以外の話題は、なかなかTwitterで触れづらくなってしまった。
「児童ポルノではなく、ちゃんと児童性虐待記録物と呼ぶべき」という主張が、「あの人はエロ漫画を保護したいだけ」と矮小化され、何をどう言っても「しょせん、自分の欲望を肯定したいだけ」と解釈する人があらわれるから。つまり、「実社会の性虐待を隠れ蓑に、過激なエロ漫画を許容している男」と、表現規制に興味のない普通の人たちまでが言い出すようになってしまった。

そればかりか、僕が(性虐待を含む)被虐待児童の保護活動をしているNPO法人に接触しているのも「実は、エロ漫画擁護が目的」などと書かれてしまい、まあようするに「児童を助けたいなんて崇高な目的で行動するオタクなど、いてたまるものか」「しょせん、オタクは自分の性欲のためにしか動かない」と、人を見下げることで安心したいのだろうね。
と同時に、「性虐待記録物に注意を向けさせることで、実はエロ漫画や低年齢アイドル、あるいは痴漢や女子高生ビジネスを見逃そうとしている」と勘ぐられても無理がないほど、盛んに活動しているように見えるらしいので、「そうまで疑うなら、いっそ何もかもやめちゃうか」と、あきらめはじめてもいる。
(「本物の痴漢が、痴漢冤罪の危機感を訴えているとき、廣田の行動動機が分かった」と勝ち誇ったようなツイートも見かけてしまい……反論する気力さえわかないよ。そうまで、人を貶めたいか……)


なので、Twitterで親や近親者から性虐待にあった人の体験や意見を読んでも、もはや無視するしかなくなってしまった。僕が性虐待についてRTすると「エロ漫画擁護のためのポーズ」と受け取られてしまうから。「エロ漫画好きのオタクが、性虐待サバイバーの人たちをダシに使っている」ように見えるなら、それこそ誰も救われない。せっかく性虐待防止に興味をもったオタクの人たちも、偏見で見られてしまうだろう。
それと、やっぱり、僕のように未婚の中年男が性虐待に興味を持つこと自体、気味悪がられるのね。フリーライターなんて職業も、怪しげだし。

だったらもう、世間で行われているであろう性虐待については口をつぐみ、性虐待サバイバーの体験談を広めることはせず、「沈黙の連鎖」(それこそが性虐待を可能にしているというのに!)に手を貸すよりない。
この社会のどこかで、いまも性虐待に苦しんでいる子たちを助けたいなら、彼らを保護するNPO法人に、黙って寄付するぐらいしか手段がない。

僕のように、雑誌に書ける人間が「沈黙」することは、加害者にとっては都合のいいこと。僕は、本当は加害者にインタビューして、告発したいぐらいなの。
だけど、そういう記事を出版できたとしても、「じゃあ、エロ漫画は罪じゃないんですか」「性虐待記録物がどうのと言っているくせに、過激なジュニアアイドルは見逃すんですか」と、僕の責任範囲だけが拡大していくんじゃないか……。


「性虐待記録物」という呼び名を広げたいのは、創作物規制と実際の性虐待・性暴力を分けて論ずるためだった。ところが、創作物を「しょせんエロ漫画」と笑う人たちが、「オタクじゃなくて近親者が性虐待してるから、オタクは無罪なんだってさ~」と無責任に発言してるのを見ると、徒労感しか感じない。
近親者だろうと通りすがりのオタクだろうと、性暴力は絶対にしてはいけない。その根本的なモラルまでもが、嘲笑と野次馬根性によって歪められてしまっている。

ネットの回線を切って、生身でできることをやるしかないんでしょうね。
今月末、性虐待サバイバーの方と会います。そのことをネットに書くかどうかは、分かりません。人と人が会って話せば、わざわざネットを媒介する必要もないからね。

(C)創通・サンライズ

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コメント

止めてくれて結構

投稿: たか | 2014年9月 6日 (土) 22時36分

廣田さんが行った「児童性虐待記録物と呼称を改めるべき」という署名活動そのものに勇気づけられました。
政治への不信に苛つき、悲観しているだけではなく、小さくても行動できることがあると知りました。
同じような想いを持った人たちは、廣田さんを嘲笑する人たちよりもずっと多いはずです。

廣田さんは間違ってなんていなかったと、
そして、とても感謝していますと伝えさせて下さい。

投稿: 高橋 | 2014年9月 6日 (土) 23時06分

■高橋様
コメント、ありがとうございます。
上のコメントにあるように、やめて欲しがっている人がいるのも事実ですから、公開討論を終えてから、今後どうすべきか考えたいと思っています。

>政治への不信に苛つき、悲観しているだけではなく、小さくても行動できることがあると知りました。

それは、何より建設的なことです。
社会で起きている問題は、社会に対して働きかける以外、改善する方法はないと思います。
もちろん壁はあるでしょうけど、何もしないよりは、ずっと良いはずですよね……。

もし、高橋さんの行動するきっかけの一部になれたのだとしたら、あの署名も決して無駄ではなかった……と、今は信じさせてください。

投稿: 廣田恵介 | 2014年9月 6日 (土) 23時45分

自分も先の署名の意義に賛意を示しました。
その意思は今も変わりません。

同じような思いをもって賛同のボタンを押した人間が、
少なくともあれだけの数いるのは紛れもない事実です。

どうかご無理なさいませぬよう。ご自愛なさってください。

投稿: 匿名 | 2014年9月 7日 (日) 02時52分

初めてコメントさせていただきます。
「児童性虐待記録物」の署名の辺りからTwitterや、ブログなどを拝見させていただいていました。

私は、数年前のDL刑罰化の辺りから表現規制に興味を持ち、反対署名などにも署名させていただいたりしたのですが、こういった活動の仕方の知識のない私には自発的な運動は難しく、SNSの日記で取り上げたりといったことしかできず歯噛みする毎日です。
そんな中で廣田さんのように精力的に行動されている方がいることに本当に救われる思いです。
心無い声もあるかと思いますが、私や、先の署名に賛同された皆様は廣田さんのお考えを賛同・支持しています。

このようにコメントでの支持を表明することしか今の私にはできませんが。
私も真に子ども達と創作物の守られる世界のために一歩一歩でもすすめるよう努力しようと思います。

長文失礼いたしました。
ご多忙かと思いますが、無理をなさらずご自愛ください。

投稿: 原野 | 2014年9月 7日 (日) 08時23分

■匿名さま
コメントありがとうございます。
確かに私は、1万3,000名もの賛同者の方たちをつい忘れ、孤軍奮闘している気持ちになりがちです。
味方もいるんだ、ということを肝に銘じたいと思います。

■原野さま
コメントありがとうございます。
愚痴のつもりで書いた日記が、意外な反響を呼んでいて、戸惑っています。

私の場合、昨年末、山田太郎議員の街宣でチラシ配りをしたのが、こうした活動のきっかけでした。なので、まだ一年にも満たないうちに、力を使いすぎたのかも知れません。
「必ず名前と顔を出して行動する」という自分ルールが、意外に重たかった面もあるでしょう。

>私も真に子ども達と創作物の守られる世界のために一歩一歩でもすすめるよう努力しようと思います。

特に前者(児童保護)は、最前線で苦労されている方が、いっぱいいます。
実効性のある方法ほど、地味で忍耐が必要です……もし私が脱落したとしても、何卒よろしくお願いします。

投稿: 廣田恵介 | 2014年9月 7日 (日) 12時18分

あなたのやっていることは間違ってないです。

理不尽な悲しみを減らすための行動をやめてしまうことで、現実に生まれる「どこかの誰かの未来」が失われてしまう可能性が生まれるわけで、それを憂いたうえでの行動は肯定されるべきことです。
今は周囲の不理解ゆえに傷つく事はあると思いますが、俺はあなたがやっていることはオタクどうこうではなく、「公平のない正義」であり「大人としての正義感」に裏付けられた善だと思います。

社会に反対されながらも自分が正しいと思うことを貫くのは、とても大変なことだと思います。しかし、あなたのような人がいるから「守られた可能性」があったと思います。今まで頑張ってきたことで疲れが出たと思いますので、まずはほっと心と体を休めてください。

※返信不要

投稿: akagami | 2014年9月 7日 (日) 17時45分

■akagami様
「返信不要」とのことですが、励みになりました。
ありがとうございます。


投稿: 廣田恵介 | 2014年9月 7日 (日) 18時18分

失礼します。

廣田さんの尽力に報えるような力は今の表現規制反対派には無いです。
今の表現規制反対派はマトモじゃないです。
どこかおかしいんです。
表現規制反対から距離を置いた今、そう思います。


「マンガ・アニメを規制するな」と言う一方で女性には「糞フェミ」と言い放ち、反差別・反ヘイトスピーチには「韓国の陰謀」「日本人こそ差別されてる」と言い放つ、そんな人達の言う「表現の自由」って何なんですか?
在日の方々や障害者、性犯罪被害者などの存在を踏みにじる「表現の自由」って何なんですか?


在特会の亜種ですよ、今の表現規制反対派は。
そんな人達の錦の御旗にされている「表現の自由」が憐れでならないです。

投稿: べね豚 | 2014年9月 8日 (月) 22時25分

■べね豚さま
コメント、ありがとうございます。

Twitterの中では、表現物や性的な事件・話題が持ち上がるたび、不毛な対立が増えていきます。
「表現の自由」以前に、Twitterの中(もしかすると、ネットの中全体)が窮屈になってしまいました。

条件反射のように「児童ポルノ」と繰り返すのと、何でも「在日の陰謀」にするのは、どちらも同程度の思考停止です。
そういう人たちまで救うには、僕の人生をぜんぶ使っても足りません。

最後の瞬間まで、誠意をつらぬきたいとは思っているのですが……。

投稿: 廣田恵介 | 2014年9月 8日 (月) 23時14分

ご無沙汰です。
こちらは相変わらずでやってます。

表現規制の件、何か何処かで記事が上がる度にコメント欄で「オタク消費を妨げたら経済が云々」ってのが必ずひとつは出てくる状況に疲れちゃって。
もうなんか勉強しない人達を傍観してます。
敵だって馬鹿じゃなかろうに。

反原発でも表現規制でも、僕なんかがやれるのは結局日々を大切に積み重ねながら生きる、それだけです。

Gレコはまだ冒頭10分しか観ていませんが、監督が大人は観ないでイイと言う言葉を表層だけであげつらってネットマスコミが取り上げて、直情的にファン?が騒ぐ。
ゴメンねもううんざりなんだ。

廣田さんの上映会案、素敵ですね。
Gレコが深夜にしか放送枠を取れなかったと推測出来る理由。
それを踏まえて尚監督が大人は観ないでイイと発言した理由。
その状況にどう手を出して支えて行けるのか。
そういう事を考えることに自分のリソースを使いたい。
だから。
そういう事を考えられない人は、お疲れ様でした。

投稿: てぃるとろん | 2014年9月14日 (日) 03時26分

■てぃるとろん様
ご無沙汰してます。

>反原発でも表現規制でも、僕なんかがやれるのは結局日々を大切に積み重ねながら生きる、それだけです。

問題を遠くに追いやって、「自分は今までどおり、ひっそりと消費と享楽を繰り返していれば無事に一生を終えられるんだ」とタカをくくっているように聞こえます。
日々を大切にするのが困難になったから、僕は署名をやったり国会議員に会いに行ったりしたのに……。

>その状況にどう手を出して支えて行けるのか。
>そういう事を考えることに自分のリソースを使いたい。

上映会などの「楽しい苦労」は、状況がノーマルで、経済的にも精神的にも余裕があるときに出来ることです。
僕は、今の状況をノーマルとは思っていません。なので、「上映会をやりたい」というのは、それこそ問題を追いやった先にある理想でしかないんです。

投稿: 廣田恵介 | 2014年9月14日 (日) 09時13分

廣田様

ああ、そうか。
ええとですね。
正常な生活の継続の為の日々を努めることこそが、異常を検知する為の物差しになると言いたかったんです。
自分の分を超えて無理して3万も5万もするおもちゃやBDBOX買って食うにも困ったりする状況は異常で、通常は買うのを抑えたり、消費や享楽に費やす分を頑張って余分に稼いだりします。
規制や原発に反対するのも正常な生活の経験があってこそ異常に気付けて反対なりなんなりが出来るのであって、最近の反規制の方をみているとそもそも僕なんかと正常の基準が違うというか、知らずに来ちゃったかなと思うことがたまにあります。
僕自身、乱消費はかなりしなくというか、出来なくなりました。

上映会云々は、前回の廣田さんの日記を拝読して正直に思った感想です。
僕が「楽しい苦労」だけを買おうとしていると受け取ってご不快に思われたならお詫びします。

投稿: てぃるとろん | 2014年9月14日 (日) 09時56分

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