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2014年7月 6日 (日)

■0706■

いま発売されている『ダ・ヴィンチ』8月号に、 『不健全図書「新基準」初適用、改正児童ポ51et0txjtcl__sl500_aa300__2ルノ法成立 マンガ・アニメ表現規制の今後は?』(取材・文/橋富政彦氏)という記事が掲載されています。
僕は、「児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。」署名の呼びかけ人として取材を受けました。最初は、青少年健全育成条例についても語ってほしいと依頼されていたのですが、漫画規制については専門の人が良かろうと思い、永山薫さんを推薦しました。

漫画・アニメ規制に明確に反対の立場をとる記事はページ数をもらえることが少なく、『ダ・ヴィンチ』の記事も1ページです。
ただ、編集部に反応を送れば、定期的に載せてもらえるかも知れません。編集部内で回覧できるよう、FAXやハガキなど、形の残るもので送った方がいいですね。

僕もいま、あちこちに取材を申し込んでいますが、漫画・アニメ規制に積極的なところほど、取材に応じてくれやすい。漫画・アニメ規制について立場を明らかにしていない児童保護団体などは、反応が鈍いです。何とか、彼らの本音を聞いてみたいんだけど……。


フランス映画、『最強のふたり』。
157792_4首から下が全身麻痺しているフランス人貴族の介護人として、アラブ系の青年が訪れる。しかし、青年は失業保険が目当てで、介護になど興味はない。金持ちの白人と、貧困層の有色人種が不治の病を通じて交流するプロットは、『最高の人生の見つけ方』そっくりだが、『最強のふたり』は実話ベース。フランス映画らしいアンニュイさが漂う。笑えないジョークも出てくる。

全身麻痺の初老の貴族には、ペンフレンドがいる。黒人青年は「文通なんて、まどろっこしいよ」と、相手にいきなり電話をかけてしまう。繊細さと豪胆さが交換され、やがて二人はひとつの人格のように統合されていく。
黒人青年は、笑い転げながらオペラを見る一方で、柄にもなく絵を描きはじめる。彼はなりゆき任せの行動しかとらないが、それは白人貴族がやりたくても出来ないことばかりなのだ。

まだ職につけないでいる頃、彼は何もすることがなく、仲間の集うたまり場に向かう。カメラは、彼の後頭部をアップで撮りつづける。
介護の職を解かれた後、まったく同じカメラワークが繰り返される。つまり、介護の経験を通じた後でさえ、彼は何も変わらなかったという意味だ。こうした細部に、カメラの、映画の知性が宿るのだ。


秋になったら、チェコに旅行できないかと考えはじめている。ヨーロッパばかり行っているので、別の地域でもいい。
しかし、署名活動にかかったお金は、思ったより大きかった。貯金を回復させるには、もっと仕事をしなくてはダメだ。今月は、漫画・アニメ規制について語るネット配信も始めようと思っているが、場所代に1万円、ノートPCの頭金で1万円、告知用ポストカード作成に1万円……と、少しずつお金が出ていってしまう。

そうした社会に訴えかける活動をやめ、海外旅行もあきらめるとしたら、自分は「2年ぐらい前の自分」に戻るのだろう。……それは面白くないね。当時は、自分を矮小化していたと思う。穴倉に引っ込むようなものだ。
そもそも、結婚もしてない一人暮らしの中年が、ひっそりとアニメやフィギュアにかまけて暮らせる世の中ではなくなってしまった。だから、僕はこの記事()に抗議文を送ったんだ。

僕なんかはマシな方で、(性虐待をふくむ)大人からの虐待で、生きているだけで辛い人はいっぱいいると思う。アニメや漫画は、そういう人たちを確実に救ってきたはず。
アニメや漫画に出会えなかった人は、さらに陽の当たらない裏道を、逃げ隠れるように生きているのかも知れない。「人生、負けた」と思い悩んでいる人たちが、肩を寄せ合えるように……大きなお世話かも知れないけど、僕はそう思いながら生きていきたい。

(C)2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP

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