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創 2014年7月号 明日発売
●「児童ポルノ」と封印された『ヴィオレッタ』公開めぐる攻防
サブタイトルは「映倫と配給会社はどこで対立したのか」。配給会社のアンプラグドだけでなく、映倫の大木圭之介委員長にも取材し、双方の言い分を載せています。
以前、WEBラジオで「映倫なんていりません!」と怒鳴った僕ですが、今回は丁寧に取材を申し入れ、「もし『ヴィオレッタ』単体のことを話せないなら、映倫の審査基準ついて、映倫の人の口から語ってほしい」「そうでないと、配給会社に有利な記事になってしまう」と、食い下がりました。
おかげで、委員長に取材できたうえ、『ヴィオレッタ』の審査経緯を詳しくお聞きできました。大木委員長は、たいへん協力的で、多くの資料を提供してくださいました。また、映倫は小さな雑居ビルの一室に間借りしているのですが、それは審査料のみで運営しているためです。この記事によって、映倫への誤解が払拭されることを期待します。
しかし、映倫が「児童ポルノ」という言葉を恣意的に使ったことも事実。配給会社さんが粘り強く交渉して、一発逆転で「児童ポルノではない」という最終審査を勝ち取ったわけです。
「この記事を書けるのは自分しかいない」という自信のもとに、しつこく取材しました。
『ヴィオレッタ』映画本編の感想も、いずれブログに書きたいです。ストレートで情熱的、誠実だけどどこが歪な、愛らしい映画です。
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『児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。』署名簿の進捗ですが、入稿後に、コメント欄が正しく表示されていないというミスが見つかりました。
コメントの語尾が切れている程度だったので、「メインは名簿なのだから、目をつむろうか?」と悩んでいたら、助っ人の事務職の方が「どうしても直させてほしい」と言ってくださり、翌日、無事に解決しました。
その方はいま、封筒に全議員の宛名を貼りつづけてくれています。昼間の仕事が終わってから、夜、作業なさってるんです。
僕らは団体でも組織でもありませんから、個人の責任でやるしかないんです。国会議員全員に手紙を出すって、こんなに大変なんです。経費もかかります。国会議員は国民の代表ですから、この署名を無視して目を通さないなんてことは、決して許されません。
議員ひとりひとりに「ちゃんと読みましたか?」とFAXでも送りたいのですが、また721通も送らないといけない……。
議員会館は同じ住所なのに、全議員バラバラに送らなきゃいけない(郵便局にも確認しましたが、他に方法はない)。なんで、そんなに不合理なんでしょうね。でも、送りますよ。手作業で。
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もうひとつ、時事通信社の記事、『人付き合い苦手=毎夜コンビニ弁当-女児殺害で逮捕の勝又容疑者』(■)。
時事通信社、問い合わせメールに返事がないばかりか、電話での問い合わせも受け付けていませんでしたので、プランBに移行させていただきます。ちゃんと返事してれば、ここまでやらないのに……残念なことです。僕は、誠実さに欠ける相手には、手加減しませんので。
人付き合いが苦手なのに、アニメの話では盛り上がり、ひとり分の食事を毎日ひとりでとっている僕は、この記事に「お前にも殺人者の素養があるよ」「お前みたいのは社会に必要ないんだよ」と指さされた思いです。
同時に、僕の個人的体験――母親を父親に殺されたことが、重くのしかかって来ます。
この事件を他人に話しても、「そんな忌まわしい話をするな」って顔をされます。同情なんてしてもらえませんよ。
この件に関しては、僕は被害者遺族として裁判に関わりました。しかし、事件の第一報を立川警察から聞かされたとき、頭の中にこんな言葉が浮かんだんです。「自分は、人殺しの息子として、これから生きねばならないのか」。
くり返しになりますが、同情なんてしてもらえませんよ。もうすぐ離婚から10年にもなろうという独身中年に、世間は甘くありません。……いや、甘やかせてもらってきたんだろうな。友達には助けられたし、多少の仕事は失ったけど、十分に取り戻せたし。
だけど、不意に「お前、何様?」「お前の過去、振り返ってみろよ」と、胸の奥から自己否定の気持ちがこみ上げてくる。再婚話が出てこないのも、もともと「家族」って単位に、僕が向いてないからだろうな。
人殺しも怖いが、個人を、「ひとりで生きること」を排斥する社会だって、同じぐらい怖ろしい。ひさびさに「誰とも会いたくない」「人間が怖い」という気持ちに陥ってしまった。
(署名簿は、ちゃんと20日までに発送しますので、ご心配なく……。それが終わったら、またひとりから始めよう。)
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