■0519・署名者一万人へ向けて■
そろそろ映画の感想でも書きたいのですが、またしても署名の話です。「署名のことは、自分とは関係ない」という方も、できれば読んでください。
『児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。』署名キャンペーン(■)は、約9,300名の署名を集め、残り二週間で一万人を達成すべく、動き出しています。
私は、この署名のためにTwitterとFacebookを再開しまして、さまざまな助言やお叱りをいただいています。しかし、嬉しいことも、いっぱいあります。
例えば、pixivに署名拡散のために、イラストを描き下ろしてくださった方がおられるんです。(↓ 表示に時間がかかります。)
また、署名簿は百数十ページになってしまうので、同人誌印刷業者さんにお願いしたらどうか、と意見をいただきました。業者さんに見積もりをお願いしたら、「署名簿」としか書いていないのに、「この署名、私も賛同しました」と返事が来たんですよ。
値段も、他の企業相手の大手印刷業者とは比べものにならないほど安かったので、お願いすることにしました。
こういうことがあると、しんどい中でも「署名活動やって、よかったなあ」と思えるんです。イラスト見たときなんて、泣いてしまいましたからね。
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4年前の『マイマイ新子と千年の魔法』続映署名のときは、だんだん署名が中心ではなくなっていったんです。署名なんて宛てにせず、ファンがそれぞれ、地元の映画館に働きかけたり、お絵かきサイトをつくったり、フィギュアを自作したり、得意分野で盛り上げていったわけです。
最後には、署名がオマケのようになっていきましたけど、それで良かったと思います。『マイマイ新子』は一年以上も、日本のどこかで上映されつづけていましたから、目標は達したんです。
それぞれの活動が「アニメ・ファン」という塊の中で完結していたから、うまく行ったんだと思います。限定された中で高まった熱が、「アニメ・ファン」の外にも、少しかも知れないけど、ちゃんと飛び火してくれました。
ところが、『児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。』署名は、もともと社会全般と、深いところで関わっています。私は、法律や政治にも詳しくなく、「フィギュアが児童ポルノと呼ばれた」事件への憤りが消えないうちに、「もともと言葉が良くないのではないか?」と思い、この署名を思い立ったのです。
しかし、表現規制に関しては、これまで長年、活動されてこられた方たちがいます。
その方たちからすれば、「何だか得たいの知れないヤツが署名なんて始めたぞ?」といぶかしく思われたでしょうし、今でも信頼を得てはいないと感じます。
「あなたには降りてもらって、もっと有名な人に署名活動を引き継いでほしい」とも言われました。業界のすみっこにいる無名ライターですから、無理もありません。
もっと神経をとがらせねばならないのは、僕が「今までどおりの僕の思考」で行動すると、それまで運動してこられた方たちの積み重ねた実績を破壊しかねないんです。だから、「アイツには、なるべく大人しくしてて欲しい」と、きっと思われているんでしょう。
『マイマイ新子』のときみたいに、みんなでケンカもしながら、とにかく上映だけはつづいている……という、「騒げば騒ぐほど効果が上がる」って現象にはなりづらい、なり得ないのかも知れません。それが「しんどさ」の一因です。
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マチ★アソビなどで、好き勝手なトークショーをやってきましたけど、「廣田の思ったようにやればいい」とはならない。政治的思惑も作用しているし、この同じ世の中に、虐待の犠牲になった人も暮らしている。そういう人には訴えづらいし、ひょっとしたら憎まれているのかも知れません。
だけど、僕はこの法律を理不尽に感じています。政治にも反対活動にもうといけど、「あまりにも乱暴で、不合理で、とても納得できない」と思っています。
その心の動きだけは本物だし、隠すわけにはいかない。黙ってしまっては、抑圧に負けたことになる。僕の沈黙は、他人への抑圧にもつながると思います。
「何だかおかしな法律だけど、怖いから黙ってよう」と屈したとき、僕の心は壊死するんでしょうね。
いまは、チラシ一枚、まくことが出来ない状況です。しんどいです。
「ちょっと協力してやってもいいかな」と思ってくれた方は、ぜひ署名してください。よろしくお願いします。『児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。』→■
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