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2014年4月29日 (火)

■スウェーデン旅行記・5■

■4/16-4
さて、カクネス塔、科学博物館、民族博物館、国立海洋博物館を回ってから、入り江の向こう側に見える美しい建物を目指して歩きはじめた。
Cimg0231 近くまで来て、ようやく気がついた。この建物が、今日中に行こうと決めていた、北方民族博物館だったのだ。(もちろん、ストックホルム・カードで入れる。カードの有効期限は今日の20時なので、とにかく使いまくる。)

ただ、北方民族資料館の中身は、たいして面白いものではなかった。
近くのスタンドで、フレンチ・ホットドッグを買い食い。徒歩数分のところにあるヴァーサ号博物館を目指す。
ヴァーサ号博物館は、世界最古の木造戦艦をそのまま展示してあるという。どの旅行記を見ても「オススメ!」と書いてある。「でも、単なる古い帆船でしょ?」とタカをくくって、入場してみて仰天した。

これはもはや、異星から飛来した宇宙船である。
Cimg0240写真一枚では、この奇怪さは伝わらない。そもそも、全体を見渡すためには首をふらないと、視界に入らないのだ。(スペック上では61メートルしかないはずなのに、途方もなくでかい!)。
まるで、捕らえられた怪獣が封印されているかのよう。船体の前面には両眼のように窓があり、鼻のように舳先が突き出している。
このヴァーサ号は、半分は確かに17世紀の造船技師たちが造ったのだろうが、もう半分は神様が創ったのだ。

船体には、護符のように人間の顔がギッシリと彫刻されている。砲門を開くと、その裏にはCimg0245鬼のような顔が刻印されている。それによって敵を威嚇するのだろう。こんな異様な物体には、生まれて初めてお目にかかった。

場内の誰もが、呆気にと られていた。
美術品でも歴史的遺構でもない、あの世から忽然と現われた怪物を間近に、誰もが言葉を失っていた。

■4/16-5
博物館めぐりは、まだ続く。中央駅まで戻って地下鉄やバスを使うつもりでいたが、意外と歩いて回れるではないか。
「地球の歩き方」のコピーと、現地で入手した大きな地図を頼りに、歴史博物館を目指す……標識に通りの名前が書いてあるので、それほど迷うことはない。
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写真右手に見える、オスカル教会にも立ち寄った。何か礼拝が行われていたので、じっくりと内部を見ることは出来なかった。
歴史博物館は、オスカル教会のはす向かいにあった。
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正式な名前はなんというんだろうか、このような物語性のある半立体の彫像が多数あって、どれも異様な雰囲気で楽しめた。
僕からすれば、ヘンリー・ダーガーの作品とあまり変わらない(笑)。

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そろそろ日が傾いてきたが、この近くに戦争博物館というのがあるはず。だけど、分からないんだわ、道順が。
Cimg0262ストックホルム中心部に近いので、道はかなり錯綜している。だけど、このS戦車が絶好の目じるしとなった。もちろん、実物である。
午後4時を回っているせいか、客は少ない。日本人カップルが、館内にあるライフル銃のゲームで遊んでいた。
「えっ、銃のゲーム?」と驚くかも知れないが、この博物館は「戦争は悲惨ですね、やめましょうね」という博物館ではない。

何しろ、最初に出迎えるのが「殺しあう猿たちの等身大ジオラマ」 である(写真の解像度が低くて、すんません)。
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あきらかに面白がって作ってるよね、これは。何かこう、『20001年 宇宙の旅』的な。いやがおうにも、期待は高まる。
Cimg0269少しずつ近代化してくるんだけど、こうやって雪の中で倒れてしまった兵士のジオラマとか(すべて1/1スケール)。
あと、写真がブレてしまったので載せないけど、「三角木馬に乗せられて苦しむ兵士」とか……捕虜になって、拷問されてるってシチュエーションだろうか。どこかこう、「ね? 面白いでしょ?」的不謹慎さが漂う。
秘宝館というか、ディズニーランドの『カリブの海賊』的な、ああいうおぞましさなんだよな。

それと、写真がブレてて恐縮なんだけど。
Cimg0275こういう戦闘車両とか無人機とか、実物大の兵器を天井ぎりぎりに突っ込んでるのね。もう無理やりに。
もちろん、おみやげコーナーにはプラモデルが大量に売っている。軍服や装備も売っていて、とにかく「ここに来るぐらいのお客さんなら、ミリタリー大好きでしょ?」と決めつけてるのがいいよね。
コンバット・レーションの展示コーナーの奥に、ちゃっかり食堂があったりしてね。閉まっていたけど、メニューが何だったのか気になる。

トイレに入ったら、『ゾンビ・コマンド』だったかな、兵士がゾンビになる映画のチラシが貼ってあって、英語で「当博物館にて上映予定!」とか書いてあんの。
いや、面白かったなあ……と戦争博物館を出たころには、夕方5時近く。そろそろ、帰途につく。

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地下鉄駅前のスーパーで、本日初のビール(税込11SEK)を買い、広場で飲む。
Cimg0280
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その駅から地下鉄に乗車、ホテルの最寄り駅へ向かう。駅名は最初の三文字と最後の三文字だけ記憶しておき、車内の電光掲示板をチェックしておけば、迷うことはない。

さすがに疲弊し、フラフラとホテルへ向かって歩いていると、両手にスーパーの袋をさげたオジサンが「ペラペラペラッ」と、スウェーデン語で話しかけてきた。
「Excuse me?」と聞き返すと、英語で「お前の背負ってるバッグ、ハンサムだな。ヤー! ヤー!」とのことであった。そっすか。「サンキュー」と苦笑して、別れた。

ホテルで残金を確認。2,800SEKと、小銭ちょっと。
明日は、いよいよゴットランド島へ向かう。(つづく)

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2014年4月26日 (土)

■スウェーデン旅行記・4■

■4/16-1
ストックホルム、3日目。初日の夜に買った「ストックホルム・カード」は、48時間有効なので、今日は中心街から離れた博物館を回ることにする。

まず、スカンジナビア半島で最も高い(155m)カクネス塔へ。
中央駅からバスなので、駅のインフォメーションで乗り場を聞く。メモ帳にはスウェーデン語で「カクネス塔」とメモしてあるので、それを見せながら聞けば、一発で通じる。
Cimg019069系統、郊外へ向かうバスに乗る。今日も肌寒いので、コートをはおる。
まだ8時台で、通勤時間帯だと思うのだが、優雅に騎兵隊が大通りを通りすぎていく。他の日、観光地でもない場所で騎兵とすれ違ったこともある。これが日常の風景なのだろう。

カクネス塔へは20分ほどで着いてしまった。10時オープンなので、まだ時間がある。塔の前では、フランス語を話す女性の二人連れが、物憂げにオープンを待っていた。僕は塔を離れ、なだらかな牧草地帯を歩いてみた。
Cimg0201_2馬が、草をはんでいる。鳥のさえずりだけが聞こえ、時間か止まったかのよう。コートを脱ぐと、やはり風が冷たい。

カクネス塔へ戻るが、10時をすぎても、まだ開かない。二人連れのフランス人たちも、イライラしている。10分か15分ほどして、やっと扉が開いた。
30階がガラス張りの展望室になっており、31階が屋上、つまり吹きっさらしである。
30階までエレベーターで昇るのだが、うっかり非常ボタンを押してしまった。(日本と違い、おそろしく押しやすい位置にあるのだ!)
Cimg0202_4「オイオイ、何をする!」と、一緒に乗っていた工事のおじさんが声をあげる(言いわすれたが、この建物はテレビ塔である。デザインは『大鉄人17』に出てきたロボット、ワンエイトに似ている)。
工事のおじさんは、作業のために降りたフロアで、仲間に「今の警報、なんでもないからなー」と声をかけている。ちょっとした騒ぎになってしまった。
誰かに謝るべきなのだろうが、なぜか僕は笑い出してしまった。フランス人女性たちは、やけに落ち着いている。僕らはそろって、30階の展望室で降りた。

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展望室の下に、トイレがある。僕がトイレへ向かうと、女性のひとりが「ヘイ!」と壁を叩いた。振り返ると、「まだ、この上に屋上があるのよ」と指さしている。トイレを終えて、彼女たちの後につづいた。
高い所にのぼれば、それは眺めがいいに決まっている。ちょっと白けて、10分かそこらでカクネス塔をあとにした。それより、バスで来る途中に博物館が密集した場所を見つけ、そこが気になっていたのだ。

歩いていける距離なので、青空の下、ぶらぶらと歩きはじめた。先ほどの女性二人連れも、カクネス塔にがっかりしたのか、通りの向こうを歩いている。
Cimg0207_2地図を見ると、まず科学博物館がある。ゲーム展をやっているせいだろう、子供たちがバスでおおぜい、やって来た。
受付で「英語は分かりますか?」と聞かれる。さらに「ゲーム、やりたいですか?」とも聞かれる。よく分からないが「イエス」と答えると、大急ぎでゲームコーナーの入場チケットを印刷して、わざわざ離れた場所にある館内マップを持ってきてくれた。とても親切。チケットには「11:30」と印刷されている。

さて、11時30分ちょっと前に、ゲームコーナーに着いてしまった。受付の青年が、身ぶり手ぶりで「もう少し時間がたたないと、中に入れないんです」と説明してくれたのが嬉しかった。「オーケー」と笑って、科学博物館をあとにした。

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この辺りは、まるで「博物館横丁」といった趣き。科学博物館の向かい側に建っている、民族博物館へ直行する。
世界のさまざまな地域の、独特な衣装や生活用具が並んでいる。日本の鎧や、お城のミニチュアなどもあった。地味だが、とても味わいのある博物館だ(これらはすべて、ストックホルム・カードで入場可能)。

警察博物館はつまらなそうなのでスルーして、やや離れた国立海洋博物館へ。ここは無料で入れる。
Cimg0222内部はびっくり仰天、1/30スケールぐらいのさまざまな艦船が、ぎっしりと数え切れないぐらい並んでいる。これぞまさに艦これ。
古い帆船の操舵輪(キャプテン・ハーロックみたいなアレ)があって、もちろん自分で持つことが出来る。これがまた、でかい。

館内は、実物の船のような内装になっており、窓の外から見える入り江とあいまって、ムード満点。ストックホルムの中心街からは離れているものの、こんな充実した博物館が無料とは。

お昼をすぎ、お腹がすいてきたが、対岸に見える瀟洒な建物が気になる。バスには乗らず、そこまで歩いてみようと決めた。
そこで僕は、生涯忘れることのできない物体を、間近にすることになる。 (つづく)

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2014年4月24日 (木)

■スウェーデン旅行記・3■

■4/14-4
入りたい教会が閉まっていたので、ガムラ・スタンの町を歩くことにする。日差しはあるが、テラスでビールを飲むような気候ではない。立ち止まると、寒いのだ。
Cimg0126ふいに見つけたのが、「Science Fiction Bokhandeln」という本屋の看板。ショーウィンドウの中には『セーラームーン』のぬいぐるみ、『進撃の巨人』の翻訳コミックが並んでいる。
この書店、一部は完全に日本のコミックとアニメで占められており、日本風の漫画の描き方がズラリと並んでいる。他に、日本語の読み方・書き方の専門書まである。
ちょっと興奮しながら、四冊ほど「MANGAの描き方」や日本風コミックを購入。(こういう、不意の買い物にはカードを使う。キャッシュは飲食代として残しておく。)
店内ではマニアが騒いでいるだけでなく、母親が娘にMANGAを買い与えたりしていて、あまりの牧歌的雰囲気に、クラッときてしまう。

もう一軒、「COMIC HEAVEN」という古本中心の漫画専門店もあった。MANGAっぽい表紙のペーパーバックも置いてあったので「これはコミック? 小説?」と聞くと、「コミックです。中身、見ますか?」と、ビニールを破って見せてくれた。この店では、二冊購入。
日本のサブカルは、こんな北欧で愛されているのだ。

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ガムラ・スタンを歩きながらビールを飲みたくなったので、大きなスーパーへ入る。キヨスクのような小さな店では、ただの一度もビールを見かけなかった。
Cimg0146(座って、スマホを見つめている人。やはりコートにマフラーをしている。寒い日だったのだ。)
スウェーデンで缶ビールを歩き飲みしている人は、ほとんどいない(日本でもそうか……)。店頭で買ったら、座って飲むのが最低限の礼儀なのだろうか、ビールの空き缶や空きびんは、あちこちに転がっていたのだが。

そして、ガムラ・スタンからストックホルム中央駅へ歩き出す。夕暮れに近いので、町を歩きながら、もう一本ビールを……と思ったのだが、これが売っていない。駅の地下の大きなスーパーにもない。またガムラ・スタンまで戻って、同じスーパーで買う。一本の缶ビールで、僕は夕陽を楽しんだ。
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いつの間にか、ガムラ・スタンの南、スラッセンの駅前に出ている。駅の右手は丘になっており、そこからビルに渡る廊下があり、何だか温泉街のような和やかなムードだ。
そこから一本で、ホテルの最寄り駅に着く。

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昨日と同じセブンイレブンで、夕食のピザを買い込む。店番は若いお姉ちゃん。スウェーデン語で「こんにちは」は「ヘイ」か「ヘイヘイ」だが、このお姉ちゃんは、笑顔で「ヘイヘ~イ!」 その言い方がかわいい。
小さな紙コップに無造作にためてあったお釣り用のコインを、レジスターにザラザラ移しながら、「いま、ちょっとコインが足りなくてね……」と笑ってごまかすのも、キュートだった。

ホテルに戻ると、濡れたままのタオルは交換しておらず、部屋は寒い。
Cimg0188映りの悪いテレビを見ながら、冷えたままのピザをビールで流し込む。
さっきの女性の「ヘイヘ~イ」も可愛かったが、男性店員が「ハロハロ~」と言っているのも聞いた。クロアチアと違い、都心でも愛想のいい美人が多い。
僕にとって、海外旅行は「飛行機で行くキャバクラ」的な側面が、間違いなくある。(つづく)

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2014年4月23日 (水)

■スウェーデン旅行記・2■

スウェーデンに行こうと思ったのは、ネットでゴットランド島にのこる教会の廃墟を見たからだった。10万円以下で航空券を買えたので、フェリーを予約……が、VISAカードでないと予約できないので、まずはカードをつくって……と、かなりドタバタな旅支度となった。

14日朝、成田を出発。スウェーデンのアーランダ空港まで、フィンランドのヘルシンキ・ヴァ Cimg0001_3ンター空港を経由して10時間ほどの旅。今回は、携帯スリッパを持っていったので、多少は楽に過ごせた。
(ヘルシンキ空港で発見した、ちょっと不気味な「TOP Model」なるキャラクター・コンテンツ。スウェーデンでも、ちょくちょく見かけた。)

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スウェーデンでの貨幣は、1スウェーデン・クローナ(SEK)=16円前後。これが基本。カード払いが主流で、キオスクでジュース一本を買うのにも、みんなカード払いしている。
しかし、私は数万円分のユーロをSEKに換金。高い買い物(空港バスのチケットなど)はカード払い、飲食代はキャッシュとしました。あと、トイレね。たいていの公衆トイレは、5~10SEK払わなくては入れないので、小銭は持っておいた方がいいです。
アーランダ空港のインフォメーションは、とても聞きとりやすい英語で対応してくれるので、つい甘えてしまう。

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夜20時ぐらいに、ホテルの最寄り駅に到着。中央駅から四つ目の地下鉄駅なので、かなり賑やか。(駅のキップは買わずに、空港で買った「ストックホルム・カード」を使います。これは交通機関に乗り放題なので、かなり便利。)
駅からホテルまで、やや道が分かりづらいので、初回のみタクシーを使用(88SEK)。黒人の運ちゃんは「ここらは、道が狭いんだよ」とボヤいていた。
20時でも明るいので、駅までの道をおぼえつつ、晩飯を調達。セブンイレブンのサンドイッチ、50SEK。店員のお兄ちゃん、「温めるかい?」と親切。ビールは、ホテル近くのスーパーで、2本17SEKで購入。ビールを買うには、大きめのスーパーに行くしかない。

ストックホルムは、大都会。まだ、異国に来た気がしない。

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曇天の朝。いったん、ジャケットだけで外に出たけど、あまりに寒いのでコートをとりにホテルへ引き返した。みんな、コートにマフラーで歩いている。
行き先は、スクークシェルコゴーデン(森の墓地)なる、寂寥とした場所。墓地だが、観光地として人気が高い(ハイシーズンには、ツアーがあるぐらい)。
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朝9時に、地下鉄で到着(駅から徒歩数分)。
さまざまなデザインの墓石があり、不謹慎ながら、見ていて飽きない。観光客は、私ひとりだけ。母のことなどを思い出し、朝からしみじみ。
Cimg0037(桜の季節なので、地下鉄内にこんなポスターが。)
地下鉄を乗りまちがえても、ストックホルム・カードがあれば、まったく問題なく引き返せる。(地下鉄の中では、お姉ちゃんが読みおわった新聞を「読みたい方、どーぞ」って感じに、手すりにかけていた。網棚がないせいだろう。)
昼食は、露店のホットドッグですます。30SEKだったかな。

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午後は、中央駅からすぐの旧市街“ガムラ・スタン”を散策することにする。
まず、遠くからでも非常に目立つリッダーホルム教会へ向かう。ところが、建物が工事中で中には入れない。近くでは、映画だかテレビだかのクルーがロケしていた。

ガムラ・スタンの王宮へ向かう。ここにある施設(王宮の内部)は、すべてストックホルム・カードで入れる。悪趣味なまでの豪華な調度品を、たっぷり眺めるCimg0061
(写真撮影は不可だが、この艶めかしい天使像は入り口付近にあるので、撮影できた。このちょっと先、全裸で男とキスしている女性像があったのだが、そのエロティックさは直視できないほど強烈であった。)
あまりにも凝った衣装などを見ると、「彼らはいったい何を怖れていたのだろうか?」と、不思議な感慨にふけってしまう。仮想敵でも設定しなければ、こうまで技術とデザインで圧倒する理由が見当たらない。

王宮博物館には、消失した旧王宮の遺品が、洞穴のような場所に展示されている。
「グレイ・クラークのパッセージ」という壁画が、『ハウルの動く城』に登場する荒地の魔女にそっくり。

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楽しみにしていた大聖堂、これも閉まっていたので、さして興味のないノーベル博物館にストックホルム・カードで入り、内部から大聖堂を撮る。
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Cimg0117   
日が傾くほどに味わいぶかくなっていくガムラ・スタンめぐりは、もう少しつづく。

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2014年4月22日 (火)

■スウェーデン旅行記・1■

4月14~22日まで、スウェーデンを旅行してきました。といっても、首都ストックホルム近郊が中心です。途中、フェリーでゴットランド島へ渡り、二泊しました。
片道10時間近い長旅だったので、今日は写真を何枚か貼るだけにします。明日から少しずつ、具体的にどこへどうやって行き、何を思ったのか記していきたいと思います。
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2014年4月13日 (日)

■0413・新たな署名について■

昨日より、新たな署名を開始しました。
児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。 (

まだ解決したとは言えない(むしろ個人造形家を萎縮させてしまった)アニメ・フィギュア=児童ポルノ騒動から、僕は「児童ポルノ」という言葉が、法律の目的から外れ、「なんだかエロいもの」「オタクやヘンタイの玩弄物」のようなニュアンスで使われていることに気がつきました。
ここ数年、「児童ポルノ」に漫画やアニメなどの創作物を加えるべきか否かという議論がつづいてきました。しかし、児童(17歳以下)への性犯罪が減っているようには見えません。取り締まる側の警察官ですら、LINEなどを使って中高校生と知り合い、買春を持ちかけたりしています。

本来、そのような犯罪現場で撮影された写真を「児童ポルノ」と呼ぶはずです。
ところが、アニメに規制が入り、18禁として売られている漫画が「児ポ」と蔑まれる。現実に起きた犯罪と創作物がゴッチャに語られ、ついには無生物であるフィギュアが「児童ポルノ」として削除を命じられてしまった。
それだけ言葉が軽くなり、「汚いもの」「規制してもいいもの」程度の内容しか持たなくなっている。
AKB48ですら、蔑みたいときには「あんなの、児童ポルノだ」と呼ばれてしまう。この言葉は、すでに児童を保護していない。


この状況を、まずは整理したいと思いました。
それなら、もはや性的スラングに堕した「児童ポルノ」を法律から切り捨てたほうがいい(「ブルセラ」のような俗語としては残るでしょうけれど)。
犯罪過程で生成されたもの、という意味で【児童性虐待記録物】と言い換えれば、何がいけないのか焦点が明確になるのではないか。

「児童ポルノ」の単純所持禁止が、今回の法改正には盛り込まれています。しかし、あまりにも「児童ポルノ」の定義があいまいなため、「我が子の入浴している姿を撮影しても、児童ポルノ扱いされ、捕まるのではないか」と危惧する声もあり、海外ではそのような冤罪が現に発生している。
しかし、【児童性虐待記録物】といえば、入浴は除外されるはずです。「虐待であるか否か」が判断基準になるからです。

同時に、漫画やアニメなどの創作物は【児童性虐待記録物】から外されるはずです。漫画やアニメを規制するか否かは、また別の議論です。

するとただひとつ、性犯罪にあった「被害児童」をどう減らすのか。実在の児童を、どう保護するのか。その課題だけが残されることになろうと、私は考えました。
今は児童の存在をさしおいて、「まず単純所持禁止だ」「いや、漫画も早く取り締まれ」など、「大人が大人をどう罰するか」だけに話が終始しているように見えるのです。


私は知識不足ですので、表現規制について広く長く研究してらっしゃるNPO法人「うぐいすリボン」()さんに、助言を求めました。私の文案から削れた箇所も、盛り込まれた箇所もあります。
初日で1,000名以上の賛同者が集まってしまったせいか、早くも「叩き」が始まっているようです。本来なら、私のごとき無名の「自称:フリーライター」が何をどうわめこうが、耳にとどかないと思うんですがね。ここでもまた、問題がすりかわっている。

規制派・反対派に別れて、大人同士が過剰に監視しあうのも、そろそろやめてはどうでしょうか。創作物の自由だけが守られて、日本に暮らしている児童の保護が後回しになるとしたら、もちろん気分が悪い。しかし、「児童ポルノ」という俗語を使っていては、議論が深まりません。

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2014年4月10日 (木)

■0410■

Febri Vol.22 本日発売
Cover2
●『ガンダムビルドファイターズ』 広瀬正志さん×三石琴乃さん対談
ベテランお二人の対談記事です。
三石さんは同い年なのですが、かわいい性格の方でした。やっぱり、20代はまだまだ人生経験が浅いので、僕は40代女性のほうが話していて面白い(それで最近、キャバクラに行ってないのかも)。

●Febri Art Style
第三回は、『いなり、こんこん、恋いろは。』の背景美術。原作モノの場合、美術はどんなところに気をつけているのか、大西穣美術監督にうかがいました。

●クールジャパン社会学 最終回
レナト・リベラ・ルスカさんのインタビューを元に、コラムを構成する連載も最終回。とりあえず、このテーマは語りつくしたので、次はオタク業界のタブーを語るような連載が面白いのでは?などと話しています。

●『ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル』全話解説
前回は、梅津泰臣監督にキャラデについて聞きましたが、このアニメはメーカーに直される部分がほとんど無くて、非常に書きやすい。
ラスト3話は、絵コンテを読んで書いたのですが、コンテは細部まで工夫してあって、すごく面白い。放送見て、作画の乱れに驚いたけど……でも、僕は作品がボロボロになればなるほど、最後まで見てやろうと思ってしまう。「作画がダメだから見ない」では、あまりに冷たい。


「フィギュアは、児童ポルノではありません。」署名が、あちこちで記事になっている。
僕は、日本テレビに「どうして署名を始めようと思ったのか」と聞かれ、「どうせ業界の人たちはこの問題を無視して、規制された個人造形家たちを見殺しにすると分かっていたから」と答えた。署名簿を見ると、個人で活動されているクリエイターのお名前を、ちらほら見かける。アニメーターの方もいたし、お会いしたことのあるプロモデラーの方もいた。
だけど、何をビビっているのか、この期におよんでシカト決め込んでいる業界人たちがほとんど。それが僕には、毎度おなじみの光景になりつつある(……って話も、記者の方にした)。

署名の効果は、ニュース・ネタにしてもらって、多くの人に関心をもってもらうこと。そこに期待した。(なので、AFEEさんが途中から相乗りしてきても、より広く知れ渡るなら……と、OKした。署名が十数名しか集まらなくても、僕はひとりで提出するつもりだった。)
僕は、いま苦労してブログ移行させられている個人造形家の人たちの代弁をしているつもりはないし、実際、彼らを救えていない。怒っている人もいれば、萎縮している人もいる。
誰にどんな理不尽をいわれようとも、作りつづけてほしい、としか言いようがない。(それゆえに、いつもは「どんどん模型を作ろうぜ!」と叫んでいる方々が、今回にかぎって貝のように黙ってらっしゃるのが不思議でしかたない。いったい何が不都合なんでしょうか?)

かくいう僕も、これだけ毎日いろいろあるのに、半年かかったフィギュアを完成させてしまった。『タイムボカン』の淳子ちゃん()。設定を見ると「10歳」となっている。
天野喜孝さんのキャラ表を見ても、やっぱり10歳なりに視聴者に愛されるような「かわいい女の子」として描いてあるんだよ。そして、『タイムボカン』シリーズは、どんどんヒロイン・キャラのセクシーなシーン(服がビリビリに破れたり)が増えていく。それは何、「児童への悪影響」なの? 子供の嗜好を自在にコントロール可能と信じているとしたら、それこそ怖ろしい話だ。 


スウェーデンへの旅行は、14日から22日までです。
『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』に、少年のような風貌のサガという少女が出てきて、女であることを隠しながらサッカーやボクシングをする様がすばらしいんだけど、あの映画もスウェーデン製。DVDを買ったぐらい好き。
『ぼくのエリ』といい、映画つながりでスウェーデンに決めたわけではないんだが。教会建築は、出来るだけいっぱい見てこようと思う。

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2014年4月 9日 (水)

■0409・署名提出■

本日9日午前11時、GMOメディア株式会社(渋谷・セルリアンタワー)に対し、「フィギュアは、児童ポルノではありません。」と題した抗議署名()、1,118名分を提出いたします。
いくつか取材の問い合わせが来ていますので、取材希望の方は、11時にセルリアンタワー一階においでください。

署名提出には、山田太郎参議院議員、同議員が顧問を勤めるエンターテイメント表現の自由の会(AFEE)の坂井崇俊氏が同行します()。

提出後、詳細なレポートをこのエントリーに書き加える予定です。


11時、渋谷セルリアンタワー集合ですが、山田議員と秘書(兼AFEE編集長)の坂井さん、AFEE副編集長のにしかたさん3名は、道路事情のために、やや遅れて到着。
現地には、すでに朝日新聞社さん、日本テレビ放送網さんがいらしてましたので、少しだけ署名の概要を説明しました。他に「マンガ論争」の永山薫編集長も、カメラ片手に取材に来られました(ただし、GMO社内での取材は拒否されました)。

GMO側は、取締役・管理部部長の方と事業推進室室長の方の計二名が対応に出ましたが、特に横暴とか素っ気ない態度ということはなく、話し方は丁寧でした。
Untitledまず、私から抗議文を読み上げ、1,118人分の署名簿とコメントを印刷したものを手渡し、GMO側の説明を聞きました。(以下、青字は録音データを起こした部分です。)
「(削除の対象となったブログサービス)AutoPageは広告収入をベースに事業をさせていただいており、広告主様のほうから、今回のフィギュアは児童ポルノではないのですが、児童ポルノにあたいするもの、もしくは青年の猥褻な局部が出ている画像とか、広告を掲載するサービスとして不適切な画像に関する監視や運営が、不十分だというご指摘を受けました。」
現在、ブログのサービスとしては、他社に押されているのだそうです。
「そこでAutoPageを家族みんなで安心して使えるセグメントに位置づけて、家族が安心して使えるサービスへ転換をはかろうと考えたのが、きっかけでございます。」
「外部機関」とは、広告主のことだったわけですね。

「我々なりに児童ポルノに関する勉強はしておったつもりではいるのですが、若干、表現が不十分といいますか、フィギュアに関して児童ポルノだと位置づけてしまうような誤解されがちな表現をつかってご案内してしまったことによって、非常に多くの方にご心配とご迷惑をおかけした点については、率直に反省し、お詫びいたします。
表現の自由に関してなんですが、弊社の運営サービスに関して、たとえば警察からの開示要求についても任意でのご協力はしていなくて、必ず令状を使ってユーザー様の情報をお出しするような運用をしております。表現の自由の重要性に関しては、私自身、芦辺憲法(芦辺信喜の憲法学)で学んだ人間なので、××(聞きとれず)を支える重要な権利であることは、もちろん理解しております。ただ、今回の件に関しては若干、猶予期間が短かったこと、それから児童ポルノ改正法に関する議論が盛んなタイミングで、誤解を招くようなご案内をしてしまった点が、ご迷惑をおかけした原因になっていると弊社としては考えております。」



次に、今後の対応について話してもらいました。
「明日が(ブログ削除の)期限となっているのですが、他の方々からもお声をいただいておりますので、もう少し猶予期間を延長したうえで、今ある中身のコンテンツをより簡単にエクスポートできる、本来は有償として提供している機能も、対象の方には無償でお使いいただけるよう、対応をとらせていただきたいと思っております。
“児童ポルノに類する”という表現で、あたかもフィギュアがそれにあたるかのような表現をしてしまったことについては、いまお問い合わせしていただいているユーザー様に対して、その点は訂正してお詫びするするという形で、対応をとりたいと思っています。
弊社としては、児童ポルノ法改正について賛成でも反対でもないスタンスがインフラ事業者としての原則ですので、その点について誤解が生じているのであれば、お詫びして訂正いたします。
あとは“外部機関”という表現の仕方が非常に不十分だったと思うのですが、実情は広告主様に関連する部分になりますので、特定の政治勢力からの働きかけがあった、ということは一切ありませんので、その点についてはお約束いたします。」


以上について、山田議員から「正式な声明なりを出されてはどうか」、「フィギュアは扱わないという運用変更を、きっちり言っていただいた方がよい」と、提案がありました。
私は、まだ疑問が晴れないので、削除被害にあわれた方のブログ(Rising Forceさん)から、GMOメディアサポートセンターの返事を見せ、さらにネット内でのリアクションや波紋の広がりについて話しました。「世間が嵩にかかって、『やっぱりオタクの文化は潰したほうがいいんだ』という流れになってしまうと、そこにGMOさんが加担したような形になってしまいますよ」と。
さらに、山田議員から何度か、「公式な声明を出されてはどうか」という提案。GMO側は「うーん……」と黙りこむ、その繰り返し。こうして音声データを聞きなおすと、遅々として会話が進んでない。果たして、GMOメディアは公式声明を出すのでしょうか?


「政治家としていちばん危惧していますのは、GMOグループさんがこうした措置をとられますと、社会的な大きな影響があると思っています。企業の自主規制だとしても、その影響ははかり知れないと思います」、これは山田議員の発言。ほかに、坂井秘書からAFEEとしての抗議声明も出されました()。
場所をホテルのラウンドに移し、朝日新聞さん、日本テレビさんの取材を30~40分ほど受けました。誰もが読める記事となって、「児童ポルノ」という言葉の軽率に使われている現状が広まってくれることを期待します。

いま、削除予定のブログの方とTwitterでやりとりしましたが、現在の移行作業では、手間も時間もかかりすぎるそうです。
言葉でどう言おうが、為されたことは表現弾圧であり、GMOメディアは加害者です。誠意ある対応を求めます。

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2014年4月 6日 (日)

■0406・署名継続■

表現規制に抗議する署名を、継続しています。
フィギュアは、児童ポルノではありません。

まだあと、100名以上、必要です。 目標の1,000人、達成しました!
女性の署名、多いです。「俺の女友達は、ドン引きしてるだろうな……」と思いきや、昨夜、「署名するからね」とメールが来ました。
Twitterも再開しまして、大量に情報を得ることができました。姫宮よしあき氏のツイートが、いまの状況を端的に言いあわしていると思ったので、引用させてください。

『猥褻取り締まりでなされるのは社会の平穏という社会的な益。児童保護でなされるのは児童個々人の安全という個人の益。児ポ法自体は、まぁ誰が見ても大事ですよ。その大事さを悪用して漫画猥褻まで取り締まろうってんだから児ポ法改「悪」とか言われるんだよね』

児童ポルノ規制法は、別にわいせつ物を取り締まる法律ではないんです。それを、規制強化したがっている国会議員ですら、ゴッチャにして語っている(わざとゴッチャにしているのかも知れない)。
例えば、児童(17歳以下)とネットで知り合って、性行為を強要したり、お金を渡してエッチなことをするのを禁ずるのが「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、通称「児童ポルノ法」です。このうち、「実在児童のエッチな写真も、製造・販売してはいけない」という部分だけが、ひとり歩きをしている。
ひとり歩きの結果、しずかちゃんのヌードが消され、フィギュア制作者が追い出されてしまった。不条理だ。

児童買春している狼藉者には、現役警察官も非常に多いんですけどね……(検索すると、いっぱい出てくる)。元警察官僚の平沢勝栄議員は、どうして実際の児童買春事件には黙っているのかなと。そっちはスルーして、どうして単純所持と漫画のことばかり、いつもいつも口にするのかなと。
(4月3日、平沢議員に届けられた公開質問状では、そこまでは聞いていません。あくまで、「平沢勝栄チャンネル」の中での発言に絞ってあります。手加減したんだから、ちゃんと回答してくれますよねー?)


署名については、この土日で1,000名の目標人数に達するかと期待していたけど、ちょっと怪しい。 ちゃんと集まりました。
数年前なら、万単位は行ったはずとも言われています。やっぱり、3.11以降、個人の自己防御が強化されすぎ(なぜなら政府も自治体も会社も、個人を守ってくれないと分かったからですよ)、それぞれ分断してしまったんでしょうね……。

今回のフィギュア弾圧に合ってしまった方たちに対しても、「自己責任」的な論調がある。当人たちのブログ(10日まで残されるはず)を、ろくすっぽ見てもいないんだよね。「どうせ、裸のやばいフィギュアなんだろ?」と、勝手に思っているだけ。お前らは、原始人かよ。検索して、その目で見て、現行法に抵触しているかどうか、確かめてみればいいだろ?
人を責めるにしても、言いがかりなんだよね。今の日本。単なる嘲笑なんだよ。手前の自尊心がかわいいだけ。本当の、心から生じる怒りではないんだよ。心から怒ったことあるかよ? 心から怒れば怒るほど、ロジカルに行動しなくちゃいけないんだよ。俺は平沢議員やGMO(ティーカップ)社に激怒はしても、いきなり殴りこんだりはしないもん。

だけど、ある沸点をこえたとき、感情が表現活動になるのかも知れないね。
俺は芸術家ではないが……表現や創作だけは、守らねばならない。心の自由のために。本当の怒り、本当の喜びのために。

(――さもないと、僕の父親のように、妻を刺し殺して刑務所行き、なんていう悲惨な末路が待っているぞ。あの時でさえも、僕は法をこえるような怒り方はしなかった。)


こんな状況でありつつ、14日からのスウェーデン旅行には行きます。もうキャンセル料が発生してしまう時期なので。出発直前まで、バタバタになりそうだけど。
奇遇にも、スウェーデンは『ぼくのエリ』の生まれた国です。

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2014年4月 3日 (木)

■0403・署名開始■

フィギュア・ブログ問題を受けて、Change.orgで署名を開始しました。
フィギュアは、児童ポルノではありません。

この署名によって、一方的に削除を強要されたモデラーさん・絵師さんを助けられるわけではありません(当事者の中には、個々に戦っておられる方もいます)。
しかし、GMOティーカップ・コミュニケーション一社に、たとえ数十人でも数百人でも、まとまった抗議を表明することで、「フィギュアは児童ポルノではない」「ユーザーさんたちに非はない」と主張することになり、他のブログ・サービスが同じ圧力をかけてきた際、「こういう前例があるので、従えません!」と応用できるのではないでしょうか。

いまは少しでも、武器を増やしましょう。平沢勝栄議員に対する公開質問状も、何か決定的なことを聞いているわけではありません。次の一手を繰り出すためのプロセスです。
「山田太郎議員やAFEEだけでなく、直接的な反対活動をしているヤツが、常にいるぞ」という状況そのものを維持すること。それには、僕みたいな無名なヤツがぴったりだし。

この署名は、とりあえず一ヶ月で1,000名を目指しています。「teacupの当事者に何か一言いってやりたいけど、いささか面倒だ」……という方、ぜひ署名にご協力ください。
この署名と平行して、同じような圧力をかけてくる会社があったら、僕はより強力に抗議します(もちろん合法的にね)。


先日のエントリー(平沢議員への公開質問状の件)をTwitterやブログにリンクしてくれた皆さん、誠にありがとうございました。
あと、どういうわけかGIGAZINEさんもリンク貼ってくださり、毎度毎度(フィギュア関連ではコレとか)、ありがとうございます。お世話になりっぱなしなので、私もTwitterに復帰しようかと考えています。

このブログもアクセス解析のシステムが変わって、先週とか先月とかのエントリーが思わぬところにリンクしてあったりする。そこに、ちょこっとコメントが書いてあったりして、ほぼ批判意見なわけ。別に同調しなくてもいいけど、たまには聞こえるように反論したら? あちこちで分断して、気づかれないように「アイツの言ってること違うよなー」って。
Twitterだって、そうでしょ。フィギュア・ブログの件の他人事っぷり、ちょっと鳥肌が立つほど冷たかったぞ。まるで削除されるのが自己責任みたいな論調さえあった。(今回の署名は、削除されそうな人たちの側に、少しでも立っていたいのが動機です。)

空気なんか読まなくていいけど、人の痛みを分かる姿勢ぐらい、持ちましょうよ! 「そうは言っても、社会の仕組みがこうだから」「嫌だろうけど、いちおう決まりだから」。そんな自己責任強要の結果が、こうした表現規制を加速する。同じ趣味の人間さえ助けようとしない無関心さは、規制する側にとって都合がいい。


僕は18禁同人誌は買わないけど、買う人、書く人には、完全に自由でいてほしい。それでモヤモヤが晴れるなら、18禁でもエロでも結構じゃないか。
たとえ俺が同人誌を見て「うわ、これは引くわ……」と思ったとしても、関係ないよ。俺なんかの嫌悪感より、どこかの誰かの内心の自由が優先する――それが、健全な社会ですよ。

他人の心のいちばん柔らかいところは、互いに守ろうぜってことです。
「芸術でもなんでもないエログロ漫画を取り締まれ!」って人はね、「他人にも自分と同じように、踏みこんでほしくない柔らかい部分があるのだ」と想像できないのね。だから「犯罪を誘発する」など、外部に理由を求める。いやいや、お前さんの独善的で偏狭な心だよ。他人の柔らかい部分を、鎖で縛りたがっているのは。

――自由とは、薄くて軽いシャツのようなもの。誰が着たって、かまわない。

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2014年4月 2日 (水)

■0402・怒■

【ネット規制】児童ポルノ規制法で、アニメ系フィギュアブログが次々に閉鎖!外部機関から相次いで運営に削除要請!自民は更に児ポの強化も示唆! new!!(
……ついに、予想していたことが起きましたね。個人モデラーのブログが「このたび外部機関より、ご利用ブログに児童ポルノまたは それに類する疑いのある内容の投稿があるという指摘があり」、4月10日をもって強制削除。

リンク先のツイートを元に、該当するteacupブログを見てみましたが、「一体どれが児童ポルノ?」と戸惑うばかり。やむなく、4月1日付けで、teacupの「権利侵害・プライバシーに関するお問い合わせ」フォームから、以下の質問を送りました。
【問い合わせ対象に記したブログならび、いくつかのteacup運営によるフィギュア・モデルのサイトが、「児童ポルノ」と指摘され、停止・閉鎖されるとネットで話題になっています。これらのフィギュア・モデルのどこが「児童ポルノ」に該当するのか、具体的にお聞かせください。また、指摘してきた「外部機関」とはどこなのか、具体名をお知らせください。該当ブログの削除日(2014年4月10日)までにご返答いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。】

「問い合わせ対象に記したブログ」には、「瓢箪山電気」さんを挙げさせていただきました。[fg]で、何度かお見かけしたことがあったので……ご迷惑でしたら、お詫びいたします。
そして、これがTwitterのまとめですか()。 ガレージキットやフィギュア文化を守ろう、少なくとも今回、一方的に削除されそうな人たちの味方になろう……という動きには、まったくなってないのな(本日13時時点)。よく仲間を見捨てられますね! 「次は、俺の番かも知れない」という想像力がないと、こうやって表現規制サイドの片棒を担いでしまうことになるわけ。
僕は模型雑誌に書いているし、趣味でフィギュアも作っていますからねえ。どうして皆さん、他人事と思えるのか、さっぱり分かりませんね!


もうひとつ。自民党の平沢勝栄議員に、公開質問状を送付しました。
Untitled内容証明書として郵送しましたから、ちゃんと公の文書として保管されてます。
(左の写真は、郵便局からの受領証の一部)
回答期限は、今月いっぱいとさせていただきました。
質問は、「平沢勝栄チャンネル(児童ポルノ禁止法案改定案について)」内での発言に限定しましたので、ちゃんと答えられるはずですよね?

山田太郎議員かAFEEが、平沢議員への要望書を準備しているそうで、僕もメールで意見を伝えましたが、反応を待ってはいられない。ちょっと動きが遅すぎますね。
児童ポルノ法改正案が施行される前に、個人でフィギュア作っている一般人たちに、こうして圧力がかかってるじゃないですか。一発ぐらい殴り返さないとダメですよ!

アニメも漫画もフィギュアも、僕たちの文化じゃないのか? なぜネットで内輪もめばかりしている? 僕たちの文化でなければ、誰の文化なんだよ?
(で、結局は実際に動いた個人が「何アイツ?」と、何もしてないヤツに叩かれるんだよね。過去に何度か経験ずみ。)


怒りついでに、もうひとつ。『Wake Up, Girls!』の公式サイトで「実写映画化!」と告知され、写真も出ていたから、「山本寛監督、ついに実写に再挑戦か!」と胸が熱くなった。
……そしたら、エイプリル・フールのネタ? あの程度が? 他のアニメは、ちゃんと実写映画と連動しているのに、『WUG』はネタなのかい。まるで、「ブルーレイ売り上げ第一位!」とか、達成可能な願望をジョークにしているようで、情けない。志が低すぎる。

俺は『私の優しくない先輩』で、山本監督のファンになりましたからね。『WUG』で実写に戻ってきて、今後さらにアニメをつくり続けるんだろうな……と、勝手に期待を膨らませていました。その期待を「騙してごめんねー」と笑われてしまう気持ち、分かりますか。
いや、俺の気持ちなんかより、「実写化がジョーク」なのが低レベルすぎて、ガッカリしたっすね。
 

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