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『アナと雪の女王』を見た夜、『塔の上のラプンツェル』を見直してみた。やはり、『アナ~』は表情や仕草の細やかさが、段違いに向上している。
CGモデルって、一度作成してしまうと、後は演技で勝負するしかないから、指先の動きひとつ無駄にできない。体全部をめいっぱい使わないと、強い感情をしっかり伝えることは出来ない。そこが、微妙な心模様を沈黙のうちに伝える日本との違いなんだろうな。
ディズニーは、今までになく強気だと思う。確かに、この表現力は脅威だよ。
アカデミー賞をとった『Let It Go』は、二人のヒロインのうち、姉のほうが雪の女王として孤独に生きようと決めたシーンで歌われる。だが物語は、「ひとりで生きてないで、みんなで生きましょう」という方向へ進む。そこが、最も僕がノレなかった理由かも知れない。
「冷たい氷の中が居心地がいい」「その方が自分らしい」と決意した人間を、「みんなの中に戻ってこい」と引き戻すのは、同調圧力でしかない。「ひとりで生きるのも、個人の自由だよ」と認めたとき、ディズニーは殻を破れるんだろうな。
ジョン・ラセターが、プロデューサーなんだよな。アニメの表現としては、確実にブレイクスルーしている。もう一回、見たい……。
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昨日、池袋で在特会の集会とデモがあったってね。ヘイトデモへのカウンターを名乗る人たちが、「レイシストくたばれ」と猛反撃している動画を見たよ。どっちもどっちだよね。
「在特会の集会を許可した豊島区に抗議する」「ヘイトデモは法律で禁止しろ」という人もいたけど、それじゃダメだろ。ヘイトデモさえも「表現の自由」として許容するのが、成熟した社会だと思うぞ。「脱原発デモは許すが、ヘイトデモは許さない」社会なんて、俺は薄気味悪いな。人種差別を、自分と関係ないと思っているから、「法で禁じろ」なんて言えるんだよ。
「在日韓国人、中国人の人たちに申し訳ない」と思うなら、普段から彼らと仲良くすべきだ。普段は、彼らの身の上なんて考えもしないんだろ?
児童ポルノ法と同じだよ。いつもは「児童の人権」なんて意識していない連中が、議論も抜きで「ハダカはけしからん、法で縛れ」と極論に走っているだけ。「彫刻作品のハダカが街頭に展示してあるのは芸術だが、同人誌だの成人漫画だのは犯罪だ」とかさ。芸術の中に猥褻が生じ、ポルノの中に芸術が生じる。経験が浅く考えが幼稚な人間は、そのようなアンビギュイティ(曖昧さ)を理解できないわけ。
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「うちは私企業ですから」『ドラえもん』しずかちゃん修正問題――自主規制を「制作の一部」と言い張るテレビ朝日の呆れた回答(■)
昼間たかしさんの孤軍奮闘。この記事を読んで、俺もテレ朝に抗議のメールを送ったけど、腹立たないかな、この対応? 担当者の思考停止ぶりは、もはや「人間やめました」レベルだよ。
俺は、この国が怖い。この国は、個人の思考を奪おうとするから。組織に順応し、組織の権力を無意識に行使している人間が、あまりにも多すぎる。
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