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2014年2月27日 (木)

■0227■

気分のすぐれぬまま、『ネットと愛国』(講談社)を読んでいる。在特会に取材したルポルタージュ。
会長の桜井誠という男は、つまり「永遠に勝てない戦いをしかける」ことで、決して達成されない革命の中に自分を躍らせている。それは、創造的な人生だ。
無論、桜井に勝手にネタにされた在日外国人の人たちは、いい迷惑だろう。だけど、桜井が「殺す」と叫んだところで、実際に外国人が殺されるわけではない。そこが桜井の姑息さであり、「勝てないけど負けない」コツなのだろう。勝つ必要はない。勝ったら、そこでゲームは終わってしまう。永遠にゲームをつづけるコツは「負けないこと」。ゲームを続ける理由は、「だって、あいつらがズルしてるから」という言いがかりで十分。これは桜井、うまいこと考えたよなぁ……。

お手軽に「ぜんぶ韓国のせい」にしているネトウヨは幼稚だけど、桜井は戦前から連綿とつづいている差別意識をヒョイと利用したのがズルいし、賢い。本当に創作的、芸術的だと思う。
繰り返しになるが、在日韓国人、中国人の人たちはいい迷惑だろう。桜井を誉めて不愉快なら、その分は僕が謝る。しかし、桜井を「人種差別をやめろ」と諭すのは、戦場で「戦争反対」と叫ぶのに等しい。おそらくは、人種差別でなくともいい。韓国でなくとも、歴史認識でなくともいい。肝心なのは、桜井が「生きづらい」ことであり、それに対して「戦いを挑む」ことなのだ。その戦いは、誰にも止められない。生きづらさに対して戦う。その権利は、誰にも等しく与えられているべきだ。

ただ、僕はペ・ドゥナが好きだし、ポン・ジュノの映画も好き。韓国映画を楽しむことと、桜井誠の生き方に感銘を受けたことは、今のところ矛盾しない。
最近、HDリマスターされた映画で、『ありふれた事件』というのがある(←予告。やっぱり抜群に面白いな)。連続殺人者が、楽しみのために次々と人を殺していく。見ていて愉快ではないが、彼の中には厳然としたルールがあり、彼はその中でしか人を殺さない。困ったからといって、自らのルールを書き換えたりはしないのだ。だから、『ありふれた事件』を「人殺しはよくない」という理由で否定することはできない。その感覚に、ちょっと似ている。


そろそろ、本当の話をしようではないか。誰に嫌われようとも。
都知事選での痛手が、かなり効いている。宇都宮けんじ氏の政策は、生き残るための具体的ヒントにあふれていた。しかし、「内発するパッション」という意味では、田母神俊雄氏が誰よりも優れていた。田母神氏が、あの勢いで「ブラック企業を殲滅する」と言ってくれたら、僕はかなり参っていただろう。
もちろん、原発はやめないとダメ。だけど、田母神氏のパッションは肯定する。なぜ20代有権者の24%が田母神氏に投票したのか? 政策はともかく、生きるためのエネルギーを感じたからではないのか?

僕を失望させたのは、小泉=細川ごときに「脱原発」の三文字で踊らされた者たちが、あまりに多かったことだ。原発を成立させている構造をこそ砕かねばならないのであって、原発だけを今の日本からチョキチョキ切り抜いて、ゴミ箱に捨てることなんて出来ないはず。その認識の甘さは、かつての自分も間違いなく抱いていた。だから、余計に嫌悪感があった。
原発事故を契機に、沖縄に母子避難した人がいる。ちっとも愚かではない。よく頑張っていると思う。ただ、そのお母さんが「自衛隊はいらない」と言っているのには、違和をおぼえる。災害派遣でも自衛隊は不要なのだろうか? 自衛隊は人殺し集団ではない。「沖縄に来ないでくれ」と米軍に言うなら分かるのだが……。

僕も、放射能汚染を忌避する。東北~関東産の野菜や魚は、口にしない。それは変わらない。だけど、「原発も軍隊も、自分の見えないところに押しやってしまえ」では、結局は原発を成立させた社会構造を強化するだけではないのか。
脱原発運動は、頓挫しつつある。都知事選は、それを証明した。よく噛んで含めて、この先を考えなくてはいけない。


別に、僕はヘサヨと呼ばれようと何だろうと構わないんだけど……ようは、姑息さを持って、「勝てるルール」で権力と戦っている人が、あまりに少ないんだよな。もっと卑怯でないと、権力には勝てないですよ。児童ポルノ法規制に反対するんでも、もっと利用できるものは利用しないと。生きていくためには、何でも。

児ポ法規制強化に動いている人権団体は、犯罪に近い戦略までとってますからね。
桜井誠は、戦うための燃料を間違えていると思うんだけど、間違えているからこそ、正論では倒せないわけ。「間違ったもの勝ち」のルールなんだよ。そういう目線で、自分の向き合っている問題を真正面から見つめなおさないと、とりあえず勝てないです。違いますかね?

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