« ■0127■ | トップページ | ■0130■ »

2014年1月28日 (火)

■0128■

永井一郎さんが、亡くなった。
永井さんの思い出というと、まずは『機動戦士ガンダム』なんだけど、特に第13話『再会、母よ…』なんだよね。その時点で、「このアニメは、何かというと永井一郎に役を振る」という認識ができていたので、そのキャスティングの苦しさをちょっと笑いながら見るというか。「また永井一郎かよー!」と笑っていたのは、間違いないね。

『再会、母よ…』は、アムロが地球で母親と再会するエピソード。アムロの乗ってきたコアファイターがジオン兵に見つかると困るって、民間人のお婆さんが出てくる。どう見ても、お婆さんなんですよ。なのに、声が永井一郎さんなの。やっぱり、テレビの前で爆笑して。「お爺さんなら分かるけど、お婆さんまで永井一郎なのかよ!?」って。
だから、劇場版で『再会、母よ…』のエピソードが生かされると知ったとき、気になったよね。あのお婆さんの声、永井一郎のままなのか? 果たして、劇場版では、ちゃんと女性の声優が演じていたので、「あ、やっぱりねえ」って。だってそりゃ、お婆さんの声だもんね……。


『ガンダム』で言うと、ランバ・ラル隊のモブの声にも、もちろん永井さんが参加していて。
爆笑したのは、ハモンがアムロを「気に入った」といったあと、ラル隊の兵士たちが茶化すでしょ。「男冥利に尽きるってもんだぜ!」って。その若い兵士の声を、なぜか永井さんがやっている。すごい変なんだよ。かん高い声で、無理やり若い声つくっていて。やっぱり、テレビの前で「今のセリフは、永井一郎じゃダメだろ!」って笑い転げて。

劇場版Ⅱで、もちろん耳をそばだてて聞いたよね。そのシーンの若い兵士の声を。ちゃんと、いい感じに別の声優さんが演じていた。「だって、あの声は永井一郎のままでは変だもんね……」「さすがに、スタッフも分かっていたか」と、また納得したりして。

確か、『ガンダム』映画化当初、「ナレーションはテレビと同じく永井一郎さん。それと、ドレンの声だけは永井さん以外に考えられないので、劇場版でも永井さんで」とアナウンスされていたんだよね。だから、劇場版一作目では、ドレン役は永井さん。
ところが、劇場版Ⅲでドレンが再登場したら、声がレビル将軍役の池田勝さんになっていた。「永井さん以外、考えられない」って言ってたのに(笑)。

だから、「おいおい、話が違うぞ」というか、「なんでこの役が永井さん?」「さすがに変でしょ?」って部分で 『ガンダム』は楽しんでいた。割と、声優さんは、ミス・キャストのときに本当の面白みが出るんじゃないの?


『ガンダム』がそんな具合だったから、「声:永井一郎」というクレジットを見るだけで楽しくなってしまって。
『北斗の拳』がアニメになったとき、原作を先に読んでいたから、「この役は誰がやるんだろう?」って、気になるわけ。ケンシロウとかラオウは、そんなに外さないだろうから、誰でもいい。
「ハブ」っていう、猿みたいな小悪党が、一話だけ登場するんだけど、原作を読みながら「このハブって奴は、もう永井さんしかいないよな」と確信していて。「ニィヒヒヒ!」という笑い声が、永井一郎さんにピッタリなんだよね。

でも、アニメの『北斗の拳』は、一話かぎりの悪党の声は、わりとおざなりにキャスティングしている印象だった。ザコは、たいていナレーションの千葉繁さんが兼ねていたし。だから、ちゃんと永井さんを出してくれるのか、不安ではあったんだよね。
いざ、「ハブ」の登場する回が来たんですよ。テレビの前で、「うーん、誰が声やるのかなあ?」と待っていたら、なんと永井一郎さんなんだよ。「ニィヒヒヒ!」って。
「やった、永井一郎だ!」って、飛びあがるほど興奮して。そんなもん喜んでるの、日本中で俺だけ(笑)。だって、エンドクレジットで「ハブ:永井一郎」と映る瞬間を、何度となく夢想していたからね。


宮崎駿作品でも、王道的なハマリ役はダイス船長やミトじいなんだろうけど、『ラピュタ』のハゲた将軍がいたでしょ? あの将軍が、もうバッチリで。電話線を切られて「もしもしもしもしもし!」って慌てる芝居なんて、「ああ、永井一郎……!」
そのシーンだけ、いま見返してしまいました。別に笑いを狙っていないのに、笑えてしまうことってあるじゃん。永井一郎さんの芸歴や偉大さを知ったうえで、「また変な役やらされてるよ」「どう考えても、無理があるでしょ」と笑ってしまう。ラジオでガンプラの歌をうたわされたりさ。

普通ならサラリと流れるところに、いちいち笑いのポイントをつくってくれた人が、永井さんだったね。俺の人生の中ではね。

|

« ■0127■ | トップページ | ■0130■ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■0128■:

« ■0127■ | トップページ | ■0130■ »