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冬コミ初日の昨日、りんかい線国際展示場駅にて、山田太郎議員の街宣お手伝い。コミケ帰りのお客さん向けに、児童ポルノ禁止法改正に反対するビラを配布した。ビラは夏コミに配ったものと同じみたいだったけど、演説では、CG児童ポルノ裁判についても触れていましたね。(街宣の詳細は、昼間たかしさんが取材してくださいました。■)
街宣は、今日も14時から行われる。
僕はビラ配りのボランティアだったので、山田議員の言っていることをじっくり聞けなかったんだけど、「どうして私がひとりで立っているかというと、国会議員で明確に反対している人が、私しかいないから」という意味のことをおっしゃっていた。
お客さんの中には「児童ポルノの規制に反対するなんて、とんでもない!」と言っている人がいたけど、「これが児童ポルノです」という明確な定義ができない法律なんでね。画像掲示板で、「児童ポルノの貼り付けは禁止です」と書かれていたりするけど、書いてる本人にも「ここからは児童ポルノ、こここまでは児童ポルノではない」なんて線引きできないはずだよ。まさに、言葉だけが一人歩きしている危険な状態。
その現状に、漫画・出版業界は声をあげている。しかし、アニメ界隈でメシを食っているはずのライター・編集者の耳には、この規制の存在自体が届いていないかに見える。
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児ポ法に直接関連していなくとも、例えば、一般社団法人「人工知能学会」の学会誌の表紙が「女性蔑視」と言われたでしょ。「この表紙むちゃくちゃ気持ち悪い」「これはダメだ…」とか、主観で「性差別」と断罪されている。国際的には通用しない、とか。
そういう人たちは、どうもキャラ絵であるとか、擬人化とか、オタク界隈のトレンドに弱いみたい。本来、見るはずではなかった人たちの目に、たまたま触れてしまった感がある。
それだけ、日本のオタク文化に於ける「性」のあり方が特殊で理解されづらいことの証なんだけどね。この絵に男の「願望」「欲望」を見る人は、おおぜいいる。だけど、悪いけど、ありふれた絵だよね。二次元萌えという概念をインストールされている僕らからすると。「品が良すぎる」と言ってもいいぐらい。
今、世間から「気持ち悪い」と分断されていた二次元趣味(イラストや漫画だけでなくアニメやゲーム、フィギュアも含まれる)が、白日のもとに晒されはじめている。オタク趣味が一方的に「キモい」と断じられ、公然と罰せられる時代が到来した――とさえ言えるかも知れない。
何しろ、『艦これ』の絵を見て「ポルノだ!」っていう人が出てきたんだもん。「そんな無理解なバカはほっとけばいい」んだろうか? 来月からの通常国会で規制強化されたら、そんな悠長なことは言ってられなくなる。
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『艦これ』のどこがポルノなんだよって思うけど、安倍晋三がASEANでAKB48を登壇させたじゃん。あの写真を見て「こんなの、欧米では児童ポルノですよ」って怒っている人がいた。
つまり、何であれ女性がモチーフで「気持ち悪い」と感じさせてしまうものは、即座にポルノ呼ばわりされる時代が来てしまったのではないか。『かぐや姫の物語』で、「子供の半裸・裸身は欧米では制約がつく」と無責任に批判していた人がいたけど、「日本ではOKでも、欧米ではポルノ」。この言い方が、来年は流行るかも知れない。
……この風潮に、児童ポルノ禁止法の強化が加わったら、「成人男性は成人女性の出演しているAV以外は見るな」となってしまう。性欲の全体主義化だよ。表現の自由以前に、心の自由の問題だよ。アニメのキャラを見て、僕らオタクが「かわいいな」「エロいな」と感じたら「気持ち悪い」=「ポルノ」=「法で取り締まれ」。
リベラルとか左派とか呼ばれている人ほど、そういう短絡に陥っているかに見える。そのような短絡をなぞるかのように、児ポ法が動きつつあるということね(■)。
今、なにをどうしたらいいのか、僕には分かりません。なので、まずは明確に反対している議員を応援する。規制反対の世論を高めるぐらいしかないのね。今のところは。
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