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2013年12月 7日 (土)

■1207■

昨夜6日、秘密保護法が成立した。
12_06cimg0259_3僕は午前中から、国会裏へ行った。
ここへ来るのは、水曜の議員まわり(請願)で終わりにするつもりだったが、前日夜、ネット中継している人が「とにかく今からでも来て欲しい」と悲鳴をあげていたので、行かないわけにはいかなかった。
なので、前夜に原稿を終わらせて、早めに出かけた。すでに、議員会館前は、人々でごった返していた。
創価学会の現役会員が「公明党に裏切られた」と叫んでいたのには、驚かされた。学会員は秘密保護法反対なのだ。

国会周辺を歩いていたが、仕事のメールや電話が途切れないので、暗くなる前に帰ることにした。その夜、自民党と公明党のみの賛成で、秘密保護法は成立した。多数決って、学級会かよ……。
この数日で、僕は自民党が数にものを言わせて、どんなに醜いことをするのか、幼い頃から「この大人たちは何をしてるんだろう?」と疑問だった国会が、すっかり幼児化してしまっていることを思い知らされた。そして、狙いすましたようなタイミングで国会中継を打ち切ったり、はじめから中継するつもりもないNHKが、たった2~3日で国営放送と堕する様も、目撃した。

集まった数千人の人々、夜には一万人をゆうに越えた人々は、声をかぎりに叫んだ。それ以外、何も方法はない。手も足も、もがれた気持ちだった。
議員まわりでは、自民党議員の事務所で働く連中が、あたかも「これで一生、安泰だ」とばかりに両手に腰をあて、薄笑いで対応するのを、数十センチ間近で見た。

次の選挙は、ない。ないと思う。ニュースは一本調子になり、そもそもニュース自体がテレビからも新聞からも減っていき、広告代理店は政府に有利なキャンペーンを数秒単位で繰り返し、多様性は喪失していくだろう。


「まさか」と思うよね。僕も、実は半信半疑。だけど、ナチスだって最初から「戦争やろうぜ、国民の諸君!」と煽ったわけじゃない。「皆さんにとって、良いことをしますよ」と言っていたはず。

『メガゾーン23』みたいに、いつの間にかアイドルが愛国心を煽る歌をうたい、彼女のファンたちが愛国者に転がっていく。戦争は、戦争の顔をしてやっては来ない。
誰からも愛されたことのない者、親からほめられたことのない者、女から「好きだ」と言われたことのない者たちは、他人を妬みやすくなる。彼らの妬みを、俺だったら利用するね。「君自身は悪くない、君を愛さない社会が悪いのだ」と、仮想敵を創出する。幼稚で短絡的な、分かりやすい敵対構造をつくる。「ヤツらを憎めば、いい社会になる」ってな。

そう考えていけば、総理大臣、あんな胃の悪い59歳のオジサンに、キモいまでに心酔する若者たちが多いのも、納得いくだろ? みんな、愛されてないのさ。
彼らが愛されるような、開かれた柔軟な社会をつくるべきなのに、逆に、彼らをだまして搾取する社会をつくり上げてしまった。


自分が多数派に属していると錯覚し、何も主体的に考えなくなったら、いざ表現規制が来たとき、何も抵抗できないだろうな。そのときには、まさしく手も足も出ない状態になっている。

日本雑誌協会が、児童ポルノ法改悪への反対広告を出したってね。
P13112501日本雑誌協会は、秘密保護法にも反対声明を出しているんだよ。秘密保護法が「国防のためですよ~」とすり寄ってきたのと同じように、児童ポルノ禁止法は「子供たちのためですよ~」って顔をして、僕たちの前に現われた。

そして、児ポ法改悪を目指しているのは、誰と誰ですか? またしても自民・公明・維新だろ? すべて繋がってるじゃないか。
法規制だけでなく、あれも禁止、これもタブーで、がんじがらめにしないと、社会の形を維持できないんだろうな……今の日本。

そして、僕たちが持っている武器は、あまりに、あまりにも少ない。せめて考えよう、勇気をもって考えよう。

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