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Febri Vol.20 10日発売予定
●Febri Art Style
今号から、アニメ作品の背景美術にスポットを当て、一作品ずつ美術監督にインタビューしていきます。第一回は『凪のあすから』の東地和生さんです。
●Double Circle 企画者インタビュー
東芝が川崎市とコラボして展開するWeb用アニメのプロデューサーにインタビュー。
●クール・ジャパン社会学 第三回
レナト・リベラ・ルスカ氏へのインタビューを記事化。今回は英語圏、特にアメリカでのソフトの消費のされ方について。
Febriはすごく元気な本で、次号に向けての企画も、すでに動きはじめています。
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『マイマイ新子と千年の魔法』のふるさと、山口県防府から、お酒が届きました。なんと、「新子の覚悟 家出の『友』」という言葉とともに、見慣れた後ろ姿が……! 防府日報の縄田社長、ありがとうございました。
こういう遊びが出来るのは、地元ならではと思います。4年前の厳しかった、でも熱かった「新子の冬」を、複雑な気分で思い出しました。
だけど、振り返るには、記憶が生々しすぎますね。
先日、モデグラ編集部に打ち合わせに行ったら、ファンレターを渡されました。『組まず語り症候群』の感想とともに、カラーのフリーペーパーが入っていました。「やばい、この人は“分かっている”ぞ!」と焦ってしまうほど、僕と視点の似ている方だった。
まだまだ、文化は元気だなあ……と思うのですよ、こういう嬉しいことがあると。
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特定秘密保護法、本日午後、強行採決の噂が流れています。僕は火曜日夜の抗議活動に参加、そのときにも「強行採決された」という声が、国会裏(議員会館前)の僕らに届きました。それは誤報だったのですが、いまの自民党ならやりかねない。
翌日水曜(昨日)、「議員まわり」行動に参加。三回目。全国から集まってきた人たちと一緒に、自民党議員の事務所に陳情に行きました。
……ま、これもひどかったね。議員はいなくて、秘書や受付が対応するんだけど、若いのに精神ねじまがっちゃって、まあ。「党則がありますから」「党の方針にのっとって」って、そんなんじゃ自分の思考がなくなるよ?って話。いい大学でたのは、無神経に人を見下すためかよ。
「強行採決だけは、やめてくださいね」とお願いしてきたものの、大宮市の公聴会も強行採決で決めてしまいましたからね。独裁だよね。原発事故後、ソビエトは崩壊したでしょ。日本も、もう国の形を維持できなくなってきている。
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それにしても、法律家やジャーナリストばかりか、演劇人や映画監督まで反対を表明したというのに、アニメ業界人は高畑勲と宮崎駿の2人のみ? アニメ業界だけ、社会と隔絶されている。あらためて、ガッカリしました。問題意識、ないんすね。
僕のようにアニメ関連の本に書いていて、その一方で原発や秘密保護法に反対していると「何、あいつサヨク?」みたいなことを言われる。そう言っている本人たちは、とりあえず考えなくても行動しなくても済む、ネトウヨみたいな生ぬるい立場でボーッとしている。自分と社会の関わりに鈍感すぎ。ラクしすぎ。
別に、こんな歪んだ社会と接点を持ちたくなかったら、部屋から出ずにゲームに溺れていてもいいと思う。それが、その人にとっての「自由」であるなら、無理やり外へ出ていく必要はまったくない。
だけど、ゲームやアニメの規制が、容易にできる社会になるよ。『夢と狂気の王国』で、宮崎駿と鈴木敏夫が、「いよいよ戦前に戻そうというんだな」と話していたでしょ? そういうところにピンと来ないといけないんですよ。アニメ・ファンであればあるほど。
いい歳こいてアニメ見るっていうのは、「自由」を行使するということだからね。個人にとっての「自由」のみが問題なんですよ、詮ずるところ。抑圧から、完全に解放された立場でいること。何でも楽しめること、何もせずに一日をすごすこと。誰にも邪魔されず、ひとりで夕陽をながめること。自由だけが、人間を人間に保ってくれる。
それとは逆の社会へ、ものすごい勢いで疾走をはじめているのが、今。
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