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モデルグラフィックス 2014年1月号 25日発売
●宮崎駿の描いてきた飛行機械、その魅力と演出
私とからぱた氏が組んだ、最後の記事となりました(モデグラでは)。
このページに載っている素組み完成品は、私が打ち合わせの帰りに買ったものや、秘蔵の絶版キットを、自ら組んだものです。
「資料性のない、叙情的な文章で、宮崎メカを語ってほしい」というオーダーでした。しかし、表紙に『風立ちぬ』の文字は入れられなかったか……。
●ギャラクティカNOW 第二回
今回は、主役バトルスター艦ギャラクティカ。どろぼうひげさんの鬼電飾作例の下に、『ギャラクティカ/序章』の日本語吹き替え版がいかに素晴らしいか、書き連ねました。
●組まず語り症候群 第13夜
今回のサブタイトルは、「金型を守護に持つ女の子たち」。からぱた氏担当の最後は(連載自体は、千葉ーザム氏担当で、次号も続きます)、基本に帰って?女の子キットとなりました。
からぱた氏は、いつも他誌の仕事に追われている真夜中とかに、「廣田さん。ちょっと発狂しそうな原稿、頼んでいいですか?」「廣田さん。今回は、キチガイのフリして原稿を書いてください」などと電話してくるのでした。
僕は、彼の依頼だけは決して断りませんでした。進行が強引でも、結果が面白くなるのは分かっていたから。彼から電話が来ると、僕は他誌の仕事を、すべて一時中断して、モデグラの原稿を最優先しました(それぐらい余裕をもったスケジュールで仕事できてないと、プロとは言えない)。オーダー自体は遊びっぽくても、最後まで緊張感を持続させられる、優れた編集者でした。
彼がモデグラを辞めることは、かなり以前から聞かされていたし、今後どこへ行くのかも知っています。あとは「また仕事しましょう」という言葉に、ウソがないことを願って……って、その日まで、僕はライターやめられないじゃない!
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水曜夜は、火炎瓶テツさん主催の秘密保護法反対・官邸前抗議。木曜夜は、テレビでも報道されている「STOP!秘密保護法 11.21大集会」(日比谷野外音楽堂)へ参加。(←主催者発表で7000人。会場の外には2000人ぐらい?)
当初、15日に予定されていた採決は、延期につぐ延期。それは、ようやく各界から著名人が反対の意志を表明したからであって、(維新の会はともかく)みんなの党さえ、自民党になびいてしまった。
みんなの党ってヒドくて、手の平を返したことを責められるのがイヤで、毎日訪問していた人たちが訪ねていっても、門前払いくらわせたそうです。つい昨日まで応援していた人たちを、そうやって裏切るんですね。
この秘密保護法案をめぐって、本当にウンザリするのは、そういう醜い大人たちの態度を見せつけられること。子供に言えないでしょ、「僕たちの投票で議席を得たはずの政党が、ウソついて逃げだしたよ」なんて。
簡単に言うと、「いちばん偉い人たちがウソをついても、合法的に黙っていられる」法律。さらには「そのウソを暴こうとするヤツは、たとえ一般庶民でも逮捕してしまえ」法案。だから、警察が権限を拡大したがっているわけ。
「そんな北朝鮮みたいな国になるわけないじゃん」とノホホンとしている人は、よほど幸せな人生を送ってきたのだろうな。
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日比谷の大集会では、残った野党の人たち、日弁連の人、作家の落合恵子さんらがスピーチした。新聞労連の委員長は「このままでは、政府の広報担当が言ったこと以外、書けなくなってしまう!」と怒っていたけど、俺は恥ずかしかった。
なぜなら、アニメ業界では「広報担当の言ったとおりに書く」ことが、なかば常態化しているからです。いまや、若いライターや編集は、「あたりさわりなく、言われたことだけ書こう」程度の意識しか持ってないんだよ。恥ずかしい。
もちろん、優れた広報担当者なら、記事に口出ししなかったり、いい方向へ修正してくれます。だけど、広報担当者みんなが「たくさんの映像作品を見て、あらゆるジャンルの本を読んで勉強しているか?」と言うと、答えはノーです。だから、担当者の無知のために記事がつぶされ、改悪される。
出版関係者の間では「あんなに記事に口出しするのは、アニメ業界とゲーム業界だけ」と、笑われてるぐらいなんです。
秘密保護法が通ったら、ほどなくして、児童ポルノ法改正も来るでしょう。当事者たちの意識が低いままなら、一網打尽にやられるね。
音楽に詳しい編集者と話すと、ダンス営業規制があるから、秘密保護法案にも神経をとがらせているわけ。表現規制にもつながる法案だしね。ナヨナヨと愛国者ぶって、自民党にスリスリしてる場合じゃないと思うぞ、オタク諸君。
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コメント
まったくです。
映画の記事はネタバレにはうるさいところもあるけど、媒体によって使い分けしてるし、原稿チェックもタイアップ以外はほとんどないくらい。
それでも、取材とかするとどこでもなんでもかんでも「原稿チェック」とか言ってくるのが面倒。
ひどい抜き出しをしてきたTVやら週刊誌やら大新聞様やらのおかげだよ!
投稿: umezo | 2013年11月24日 (日) 10時28分
■umezo様
おっしゃるように、実写映画は、基本的に何を書いてもOKですよね。それだけ映画言論に歴史があって、社会性があるということですね。
>それでも、取材とかするとどこでもなんでもかんでも「原稿チェック」とか言ってくるのが面倒。
アニメ業界なんて、ライター個人の記名記事なのに、担当者が勝手に書き換えてきますからね。びっくりします。
「アニメ誌に言論の自由なし」と言い切っていいと思います。
投稿: 廣田恵介 | 2013年11月24日 (日) 15時30分
まったくです・・
反韓・反中ムックのほうがアニメ誌より自由に書けるというのもおかしな話です・・ww
記事の性質は違いますが、記者クラブ体質というか、供給される側がおとなしく従っときゃいいんだよ、的な態度がなんであんなにまかり通ってるんだろう?
投稿: umezo | 2013年11月29日 (金) 10時44分