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東京ウォーカー 本日発売
●『かぐや姫の物語』、『夢と狂気の王国』紹介記事
レビューというよりは、普通の人向けの紹介記事です(執筆時点では『夢と狂気の王国』は、未見だったし)。
そもそも、高畑勲とはどういう人なのか?ということをザッと紹介していて、『太陽の王子 ホルスの大冒険』にも言及。いま、レンタル店に行くと、3本ぐらいDVDが置いてあるんだよな……記事執筆にあたり、10年ぶりぐらいに見てみた。
かつては、狼やネズミの襲撃シーンが止め絵であることが不満だったんだけど、やっぱりヒルダだね。ヒルダの表情が、すべて持っていく。
「美女なんだけど、実は敵」という設定は、70年代のロボット・アニメにもあったんだけど、この背徳感、ぞわぞわする感じは、子供にも分かるんだよね。
明朗快活な主人公が、ヒロインによって秘密を共有させられる――という後ろ暗さが、何とも心地いいよね。
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今月は仕事もいっぱいあるんだけど、飲み会の予定もいっぱい。日曜には、イベント『オッサンになったから、美少女フィギュアでも作ろうぜ!』(■)もあるんだけど、その前日はクラス会なのだ。
次に旅行に行けるのは、貯金が回復しているであろう、来年2月以降。安い航空券を買う前に、二度もクロアチアに同行してくれたスーツケースを、新調したい(あまりにも重すぎるので)。靴も、新しいのを買いたい。
僕は天涯孤独なので、誰かがお金を出してくれるわけではない。ぜんぶ、自分で稼がないとダメ。だから、消費税も住民税も「痛い」と感じることができる。
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秘密保護法に対して、各界から批判続々。TVキャスターだけでなく、俳優の伊勢谷友介まで反対しているとは、知らなかった。
だけど、個人が発言すると、必ず袋叩きにあって、謝罪させられるのな。この国って。「集団で囲んで黙らせる」国民性なんだよ。たとえ、秘密保護法を廃案に追いこめたとしても、日本人の陰湿さが変わるわけじゃない。「逆らわずに黙っていよう」「自分だけは責任を負うまい」という国民の狡猾さは、「気に触ったヤツは、こっそり逮捕」という秘密保護法の精神に、そのまま直結している。
まったく退屈な話がつづいて申し訳ないけど……日本人は70年間も戦争をしなかったから、温厚な国民なのか? 戦争で使われなかった暴力は、狭い国土のいたるところに噴出しているように見える。警察官は横暴になり、やすやすと市民を逮捕し、もはや弱者の味方ではなくなった。プラカードに総理大臣への質問を書いた主婦を、背広姿の男たちが取り囲む。健全なはずのスポーツの世界で、師匠やコーチが、怪我を残すほどの体罰を加えている。
脅迫と罰則によってコントロールされる社会。子供たちは、罰せられるのがイヤだから宿題をやる。楽しいから、誉めてもらえるから、やるんじゃない。
公園に行くと、つくづく憂鬱になる。「花火禁止」「ボール遊び禁止」「犬の散歩禁止」……。すべて、警察と自治体の看板だ。
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表現規制は、思わぬ形でやってくると思う。「こういう描写は禁止しますので、よろしく」なんて、お行儀よくやってこない。ある日いきなり、誰かが逮捕されるとか、取り返しのつかない状態で姿を現すのだろう。
あるいはこっそりと、誰にも気づかぬ形で我々の心に忍び込み、もっとも深いところをギュッと、力まかせに締め上げるのだ。
そのときには「痛い」と言うことさえ、禁じられているのかも知れない。いや、禁じられずとも、僕らは勝手に黙りこむ。罰が怖いから、勝手に黙る。僕らは、そういう教育を受けてきた。
まったく、僕をこんなに憂鬱にさせる日本政府に、税金なんて払いたいわけないじゃない……。
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