■0813■
10月の旅行で、ロシアのシェレメチェボ空港で、一泊しなきゃならない。
空港から2キロほど離れたホテル(一泊8,000円)を予約したので、トランジットビザが必要。ところかが、ロシア大使館(領事館)の窓口では、旅行業者優先で、3時間待っても順番が来なかった。
お盆休みを待って、今朝は早くから出かけ、再びロシア大使館前に並ぶ。
ところが、窓口で「この申請用紙は、今はもう使えません」と、つっ返される。では、なぜダウンロードできるようになっている? まぎらわしい。
ばかばかしいので、ホテルもキャンセルして、空港に泊まろうと決めた。ところが、「もしホテルをキャンセルしても、返金はしません」と言われる。……こりゃ、「ロシアは観光客に来て欲しくないのか!」と、旅行者が憤るわけだよ。
もしビザを取得できても、ロシアルーブルしか使えないとか、いろいろ不都合はありそう。8,000円ドブに捨てて、悪名高いシェレメチェボ空港に泊まるしかないのか……。
ただ通過するためだけに一泊するのに、どうして、こんなに苦労しないといけない?
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もうひとつ、「もうロシア大使館に来るのはイヤだ」と思わせる理由があります。
国内の旅行業者たちが、個人の申請者には分からないようなローカル・ルールを、勝手につくっているからです。例えば、個人で初めて来た人は、なんとなく領事館の入り口付近に立っています。業者たちは、自分のカバンを壁際に並べて、「こっちが正規の列!」みたいな顔をしている。
僕より早く、最初に入り口に到着していた女性が、「あそこにカバンを置かないと、ダメなんでしょうか?」と聞く。業者の人は、「カバンを置いておけば、申請の順番でモメずにすむからね」と答えていた。だけど、知らない人からすれば、「自分が間違ってるんじゃないか?」と不安になるよ。
20代の頃、土木作業のようなアルバイトもしたんだけど、あの雰囲気に近い。基本、「誰かがズルをしないように」「勝手に横入りしないように」って程度の、たったそれだけのルールなんです。
そういうルールを課せられたときって、人間の「昆虫性」みたいなものに気がついてしまうよね。バスの番号札をとるときの屈辱感、とかさ。基本的に「他人を信用しないルール」だから。
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僕が覚えている、美しいルール。
手塚治虫の『漫画の描き方』で、女性を描くときに気をつけること。「直線を使わない。」「小指を離すと、女っぽい。」
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サンリオの人形アニメ『くるみ割り人形』を、ひさびさに見た。
「ゆりかごに 花いっぱい…」で始まる、あの魅力的な主題歌は、寺山修司の作詞だったのか。寺山は、前衛的な作品だけでなく、こうしてポピュラリティのある「仕事」をこなしているのが、すごいと思う。
主演声優は、杉田かおる。『金八先生』に出演する前です。
1979年といえば、『ガンダム』が放映された年だけど、80年代はアニメの思春期だったんだと思う。だから、あの頃にうまくいったことは、今でも生かすし、失敗したことは二度とやらない。
80年代のものを見て、簡単に「懐かしい」と口にしてしまう人は、あの頃にトライアルされたあれこれが、今でも重層的に流れていることに気がついてない。ピンポイントだけしか見てないんだと思う。
(C)1979 SANRIO CO,LTD.
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