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2013年7月27日 (土)

■0727■

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を、レンタルで。
001_mainこの映画は、3月のクロアチア旅行の機内で上映されていたが、なんとなく、英語が分からなくても楽しめそうな『ホビット 思いがけない冒険』を選んでしまって、未見だった。
CGをふんだんに使った、人工美あふれる映像は、好みが分かれるだろうけど、僕は好き。ヒンドゥー教の世界観に、マッチしている。

生きのびるために殺めた魚、吹きあれる嵐をも「神」と認める世界観は、魅惑的だ。あらゆる現象、あらゆる感情に、目に見えない根拠があるわけだから。
だけど、日本人には信仰心がないって? ――日本人は「テレビで言っていた」から信じる、「テレビに出てないから」信じない、マスコミ教です。
簡単に泣けて、簡単に笑えるテレビ的な映画が、日本人向けなのかも知れないね。


僕が雑誌やムックに書きつづける理由は、世の中に、ちょっとでも役立ってほしいから。
アニメのことで、少しだけ知識が広がったとか、監督の考え方が興味深いとか、あるいは好きなアニメの記事が載っていて、いいヒマつぶしになったとか……読者に、そう思ってもらえることが、第一の任務だ。

「どうでもいいから書き飛ばして、さっさと金を貰う」だけのライターも、いるかも知れない。家族を養っていくために、質を問わずに仕事している人を、否定はしない。貧乏のつらさも、僕はよく知っている。
ただ、出版にかぎらず、みんな、目先の損得を考えすぎる。怖いぐらい、自分の損得勘定を最優先する。

知り合いが、「ちょっとは金だせるから、取材しない?」とか言ってくる。「これはいい作品だな、広めたら世の中にプラスになるな」と僕が思ったんなら、こっちから「ぜひ、取材させてくれ」と言うよ。「金やるから」という理由では、動けない。
僕らの仕事は、読者の「余暇」に奉仕しているんだから、質が問われる。誠実であらねばならない。「金になりゃ、何でもいいだろ」「金払うんだから、従えよ」という考え方には、とうてい同意できない。


「自分の得になるものが善、損になるものが悪」と割り切ってしまうのは、受験勉強がそうだし、社会もそういう構図になっているからね。
試験の前になると、他人のノートをコピーしてたでしょ。罪悪感もなくカンニングもやる。そんな小手先で切り抜けられてしまうほど、甘っちょろい試験しか課せられない無能なクソ教師、お手軽に「教育」で稼ぐ大人が、まずはゴミクズ。

他人の丸写しを「これが私の答えです」と提出できてしまう、不勉強で恥知らずな学生ども。
そんな幼稚な世渡りが、まんま通用してしまう社会の仕組み。組織にとって得になることなら、犯罪レベルのウソでも、ついてしまう(「会社ぐるみ」ってヤツね)。その反面、個人に対しては罰しか与えない。みんな、他人のあら探し、揚げ足とりばかり熱心。

インターネットが、それを加速させている。Youtubeに、犬がキュウリを食べている動画があるんだけど、「腎臓に良くないので、与えないほうがいい」なんてコメントを寄せるヤツがいる。世の中には「間違い」と「正解」しかないと思っている。そして、自分は常に「正解」サイドに立っていたい。間違いたくないから、独自の思考をせず、まして行動するでもなく、ただ「判断」しかくださない。
正義ですらない。世間に対して「正しさ」をキープしていたいだけ。そのためには、他人が損してもいい。理由なんかない。思想もない。ただ、マジョリティに属していたい。それが今の日本人。本当にクソッタレ。

どんなに孤独でも、自分の信じるもの、美しいもの、尊いもの、守りたいもの、失って惜しいものを持ちつづける。そのためには、自分が損したっていい――いろいろ失うと、ちょっとの損得なんて、気にもならなくなるよ。

(C) 2012 Twentieth Century Fox

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