■0716■
東京ウォーカー 7/30日号 本日発売
●『風立ちぬ』レビュー
去年の夏は、同誌に『おおかみこどもの雨と雪』のレビューを書いたなあ……と、しみじみ思い出す。
『風立ちぬ』は、やっぱり、宮崎作品をずっと追ってきた人が、最後に見届けるべき映画。『雑想ノート』まで読み込んだ人が、いちばん面白く見られると思う。
もちろん、モデルグラフィックス誌の原作も、ちゃんと厚みを持たせて、生かしている(僕の好きな、クレソンばかり食べているドイツ人も、ちゃんと出てくる)。
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友人に薦められて、『ゾンビランド』をレンタル。もう少し、気分的に重たいときに見れば良かった。それだけが残念。こんなに気持ちの軽くなる映画も、ひさびさ。引きこもりで童貞の青年が、ゾンビだらけになった地球を、サバイバルする。ゾンビ殺しの達人や、詐欺テクニックに長けた美人姉妹たちとの、楽しいロード・ムービー。ゾンビ映画やホラーが苦手な人でも、これは大丈夫なはず。88分というコンパクトな上映時間も、小気味いい。
主人公が、最後に何を手に入れたか?というと、これが予定調和ギリギリのところで、「ああ、なるほどね」と思わせるモノローグでしめくくっていて、心がサッパリする。
そのモノローグの直後、彼らを乗せた車が、バーンと一匹のゾンビをはねて去っていくんだけど、それがすごく効いていた。単にアクセントをつけるための演出だったのかも知れないが、心強いというか、ホッとさせてくれた。
ゾンビ殺しの達人が、「俺の唯一の才能が、まさかゾンビを倒すこととはな……」と、妙な自信の持ち方をするのが、カッコよかった。ああいう風に生きたい。
彼が、「たまに何かを破壊しないと、気が狂うのではないか」と怖れているのも、よく分かるような気がした。
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10月のクロアチア旅行、まずは、初日と2日目に泊まるザグレブの宿を予約。
あと、リエカで一泊、ロヴィニで二泊、最後にザグレブで、もう一泊のつもり。
もうひとつの懸案事項、ややこしいロシアのトランジット・ビザを、どうやって取得するか。申請用の写真だけは撮ってきたが、業者に頼むかも知れない。たった一泊のために一万円も出すのは、たいへん癪だ。
あちこちのブログで旅行記を読んだが、資金が尽きるまで、えんえんと各地を旅しつづけている女性がいるらしい(日本人ではないけど)。
僕は引きこもり体質だから、死ぬときぐらいは、どこか異国の路上で……と思っている。
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先日の日曜、新宿で打ち合わせだったんだけど、「選挙フェス」というのが、渋谷で盛り上がっていたらしいね。→■
官邸前の脱原発抗議も、代理店の連中のおかげで「フェス」みたいになってしまったので、いろいろ思うところはあるんだけど……都民として、山本太郎には入れようと思っている。
彼がチェルノブイリに行ったときは、「この人は何をしたいんだ?」と、かなり怪しく思っていたんだけど、今回は論点を明確にしてきたからね。
テレビしか見てない人にとっては、原発事故も何も、ぜんぶ終わったことみたいだね。俺はもう、「コレとコレは危険だから、食べないほうがいいよ」とか「原発はやめたほうがいいよ」とは言わない。俺は、客をだましてでも「カネさえ入れば、汚染なんてどうでもいい」と思っている食品業者の多さに辟易して、そいつらに加担するのがイヤなんだ。
こんな連日の猛暑なのに、原発2基しか動いてねーし。なのに、「こうしてエアコンが使えるのも、原発様のおかげです」と盲信している連中は、『続・猿の惑星』みたいだよね。
最近、公衆トイレの落書きって減ったでしょ? みんな、インターネットに書くようになったんだよ。顔を出して、声に出していえない後ろめたいことばかりなんだよ、日本人。
本気で言いたいことは、やはり相手の目を見て、言うしかないんだ。
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