■0625■
モデルグラフィックス 8月号 本日発売
●組まず語り症候群 第8夜
今回の『紅の豚』をもって、宮崎アニメ短期連載は終わりです。
タイアップでも何でもなく、完全に趣味の連載でした。むしろ、ジブリは迷惑したんじゃない(笑)?
●シャア専用組まず語り
「シャア特集なのに、なんでアレを取り上げないの?」と聞いたら、いきなり「載っけるから、書いて」と。
シャアのヘルメットについて書いたけど、第2話で外した「ヘルメット」は、ノーマルスーツのやつでしたね。
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フィンランドを舞台にした不思議な映画、『ククーシュカ ラップランドの妖精』をレンタル。フィンランド映画かと思ったら、ロシア映画でした。第二次世界大戦末期、自軍から見放されたソ連兵とフィンランド兵。彼らは、国境最北端のラップランドに住む部族、サーミ人の女性に命を助けられる。
面白いのは、この3人の言語がバラバラなところ。ヒロインは、実際にサーミ語を話す女性が演じており、フィンランド兵に惚れこんで、自分から積極的にアプローチするところが迫力。(メイキングを見たら、民族衣装など着ておらず、英語を話していた。)
彼女は、自分の名前を知られたとき、「呪いをかけないでね」と、おかしなことを言う。
『ゲド戦記』(原作の)みたいだな……と思っていたら、ネイティブ・アメリカンのような呪術を使うので、ラスト近くでは驚かされた。幻覚性キノコも出てくる。
むしろ、こうした意外な地域に残っている生々しいシャーマニズムや死生観が、欧米のファンタジーに影響を与えたのだろう。
文学や創作には、どこか奪われたものを取り戻すかのような痛々しさがあり……そうした切実さの感じられないフィクションには、魂を惹かれない。
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吉祥寺のヨドバシまで歩き、レゴ売り場に行ってみた。
売り場についたとたん、「直江さん、遅くなりました」という言葉が胸に浮かび、自分でも驚いた。家に帰って、パッケージを開けたときも、同じ気持ちになった。
当時の僕は、直江さんの作品に触らせてもらったり、河森正治さんのレゴ作品を量産するときに手伝った程度で、自分からレゴに触れることはなかった。
今回買ったのは、千円もしない小さなセットだったのだが、思っていたよりもパーツは多かった。
僕は、三月末にクロアチアから戻ってから、作りかけのプラモデルに触れる気さえ、なくしていた(塗装や改造なしのパチ組みのみ)。どういう心境の変化かは、まだ説明できない。
直江さんにとって、レゴを組み立てることは、際限のないプラスオンであり、世界を拡張する行為だったはずだ。なぜか、それだけは断言できる。彼にとっては、すべてが「現実」だったんだ。
その豊かさに、僕は一ミリでいいから、繋がっていたい。この気持ちは、どうにも説明ができない。
(C)2002 Sony Pictures Entertainment
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