■0613■
オトナアニメ Vol.30 15日発売
●『翠星のガルガンティア』第1話Aパート徹底分析
SFアニメ特集と聞いていたので、自分から「第1話の作戦を詳述しましょう!」と企画を出し、ラフも切りました。ただ、土壇場で設定考証の直しが入ったので、ちょっと心配。
「ディメンストリーム」「ヘクサエレナ級特務艦」……こういう用語は、コンテで加えられたらしいんです。取材のとき、村田和也監督が「自分の作業用のコンテです」と見せてくれたのですが、色エンピツでの書き込みや付箋が、ギッシリと。あれは、原画を生で見るのに近い快感がありました。
●特集『惡の華』
僕が担当したのは、長濱博史監督と加藤哲宏(実写パート)撮影監督のインタビューです。あと、ミニコラムが三本と、実体験コラム。
……僕は「オトナアニメ」の特集は、滅多に誉めないんだけど、これはいい。いま『惡の華』を楽しみに見ている人なら、みんな喜んでくれるんじゃないかな。ちょっとした裏話ですら、きちっとコラム化してあって、「ああ、楽しいなあ」って。
僕は、声優さんのインタビューは積極的に断るんだけど、伊瀬茉莉也さんのインタビューなら、やりたかったよなあ。
●『ねらわれた学園』『宇宙戦艦ヤマト2199』ミニコラム
今回は著者校はあったけど、特集全体の中で、どういう扱いなのかは不明。そんな立場で、著者なんて言えるんだろうか?
■
大学を出たばかりのころ、一度だけ、Vシネマの制作進行をやったことがあった。
僕は免許がなかったので、運転手を雇って、必要な場合に、荷物を運んだりしてもらっていた。
それで、僕の下に二人ぐらい制作助手がいて、いちばんダメな助手は、やたら運転手をコキ使うんだよ。なにかしら余計な用事をつくって、「車を出させましょう」と言う。「そんなの、俺たちが分担して運べばすむだろう?」ととがめると、「だって、このために彼はカネで雇われてるわけですから」と、シレッと反論するわけ。
どんどん仕事を増やして、デザイナーやライターにどんどん押しつけて、「だって、こっちがカネ払うんだから」って態度の人って、たまにいる。
そういう人は、「仕事を終わらせる」というビジョンがないから、時間切れまで、ドタバタしている。で、言い訳はいつも「時間がない」。
学生時代、特殊メイクが得意な後輩がいて。彼によく、マスクを作ってもらっていた。
マスクって、俳優の顔に樹脂を塗って、型をとるでしょ。「固まるまで、一時間かかります。一時間、ジッとできますか?」と、その後輩は、必ず俳優に聞く。「えーっ、一時間も?」と、誰もが驚いて、「……まあ、しょうがないか」と、腹をくくるわけ。
だけど、実際には、30分ちょっとで型は固まるんだよ。わざわざ「一時間です」と言うのは、型を外したとき、俳優に「もう終わったのか、意外と早かったな」と、ホッとしてもらうためなんだそうだ。
……だから、時間って、つくれるの!
「仕事をする」って、つまりは、時間をつくること。「仕事をする」って、楽しいことのはず。雇っている、雇われているに関係なく、みんなが楽しい時間を過ごすべきなんだ。
■
先日、同年代の編集者が『ガンダムUC』について、面白いことを言っていたよ。
バナージ君は、ジンネマンやブライトたちの説教を聞かされて、分かったフリをしているだけ。彼が行動する動機は、ミネバとかマリーダとかロニ・ガーベイ(CV:伊瀬茉莉也)とか、結局は女の子だけだよね!と。
でも、それは正しいよね、という話。オッサンの説教で動くような若者には、期待できない。
バナージ君の体験の面白さは、モビルスーツに乗ったり、大気圏突入したり、死ぬような目にあいながらも、年ごろの女の子たちに恵まれつづけていること。
「女目当てで行動しただけなのに、どうして、こんなムチャクチャなことになってるんだ?」という得たいの知れない体験が、彼の残りの人生を形づくる。大人たちが導いているわけじゃない。そんな欺瞞に満ちた物語は、もう必要ない。
■
ひさびさに、放射能の話。
産地偽装が常態化している、日本の米。農家の人自身が「基準値以下でも食べない」と言っているわけですよ。→■
米だけじゃない、キノコ、梅、牛肉……。検出されやすい食材の傾向ぐらい、つかんでおいたら? 江戸川のウナギも、食べれなくなっちゃったしね。
■
| 固定リンク
コメント