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印象の薄れないうちに、クロアチア旅行の印象を書いていこうと思います。「○○大聖堂を見ました」みたいなことは書きません。
エピソードとしては、帰国して成田の税関を通るとき、職業欄に「フリーライター」と書いておいたら、「お仕事で行かれていたんですか?」と聞かれ、「本当にクロアチアだけですか?」と税関職員のお姉ちゃんに追及されたこと。
挙句、「アフリカへは行かれませんでしたか?」って、何でだよ。俺だって、仕事でアフリカへ行くようなルポライターになりたかったよ。
さて、お姉ちゃんといえば、同じツアーのおじさま方が「クロアチアは美人が多いね」と異口同音に。ちょっとした土産物屋でも、ハッとするような美人が店番している。しかも、ツンケンしていて、愛想がない。 トイレ掃除していたお姉ちゃんも、ゾクッとするほど美人だった。なんで、あんな綺麗な若い娘が、トイレ掃除なんかしてるんだろう?
派手な観光都市でも、隅っこのほうには古いアパートがあり、そこから出勤スタイルのお姉ちゃんが出てきて、ツカツカと足早に狭い石畳の街路を急ぐ。しかも、無表情に――ああ、この国に住みたい!
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お姉ちゃん話を続けます。
俺はやはり、どこへ行ってもディズニーが好きなので、つい探してしまいます。ドブロヴニクという城砦都市では、ほぼ丸一日が自由行動だったのですが、小奇麗な本屋で、ディズニー物を物色していました。
すると、スラリと背の高い店員のお姉ちゃんが「Can I help you?」って、声をかけてくれるんです。「アイ・ウォント・ディズニー」と答えると、「ウチは、ディズニーは置いてないんだけど……」みたいなことを言いながら、一緒に探してくれるんですよ。そしたら、「Oh,Finding Nemo!」と、薄い絵本を持ってきてくれた。だけど、『ファインディング・ニモ』はディズニーって書いてあるけど、ピクサー作品だろう、俺たち的には……。
その後も、ディズニーのマークを付けたピクサー作品の絵本を持ってきてくれるんだけど、「そうじゃなくて、セル画時代のディズニーの絵本が欲しい」と、英語で説明する能力がない……。
すると、『白雪姫』の絵本があった。描き下ろしの絵が、すごく綺麗。これは、いい本を見つけたよ。
すると、お姉ちゃんが「あなたの子供は、女の子なの、男の子なの?」と英語で聞いてくるわけです。そりゃ、そうだよね。
「ノー、ノー。フォー・ミー。アイ・ラブ・ディズニー!」と、キモいことを英語で説明すると、さすがのお姉ちゃんも絶句していたね。……こういうリアクションだけは、万国共通なんだな。
その後、なぜかディズニーでも何でもないお姫様モノの絵本を指さして「これはどう?」なんて言っていたけど、どう思われたかな。
『白雪姫』と『ダンボ』を買って、「もう一冊、あの店で、何か買おうかなあ」と思い返したころには、もう顔が真っ赤になるぐらい日焼け、ビール焼けしていた。こんな顔で、あのお姉ちゃんと話すのは、ちょっと恥ずかしい。
……クロアチアの思い出というと、美しい町並とお姉ちゃん。これに尽きます。
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僕は、ほぼ毎日、昼食はビール、晩ご飯にはウィスキーを注文した。ホテルのバーが高い場合は、テレビを見ながら部屋で……とか。
翌朝は早いから、絶対に二日酔いにならないよう、22時には寝るわけです。すると、目と耳だけではなく、海風を肌に受けたり、日本とは違う角度から照りつける太陽とか、積もった雪とか、指先で触った古い城砦の感触とか……、そういう五感が、夢になって出てくるんです。
だから、毎晩、一度は夜中に目覚めてしまって。
気が向いたら、次はクロアチアのオヤジたちの話を書くかも知れません。■
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