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2013年3月 4日 (月)

■0304■

今年も、明治大学で、ゲスト講師をすることになりそうです。
今年で三回目になりますが、ウソかマコトか、僕の授業はアンケートで上位なんだそうです。


20代の頃は、とにかく映像の制作現場なら何でも見ておこうと思って、安いアルバイト代で、いろんなところへ飛ばされた。
CMの現場へ行くと、いちばん威張っているのは広告代理店で、僕が明日の弁当を用意しようと思って「何時ごろに来られますか?」と聞いても、目を合わせない。こっちはアルバイトの雑魚なんだから、それはまあ、仕方ない。

だけど、編集作業に立ち会った日、様子が変わった。
僕は他社から飛ばされてきたアルバイトだから、終電が終わらないうちに帰ろうと思って、「お先に失礼します」と、ひとりで編集スタジオを出た。
翌日、大手広告代理店の男が、初めて僕の名前を呼んだ。「お前、スポンサー様より先に帰るんじゃない!」 どうやら、全員で徹夜したらしい。編集作業をしていたのは、2~3人のオペレーターだけだったはず。後は全員、後ろの椅子でボーッとしていた。一体全体、代理店とスポンサー様は何のために徹夜していたのか、よく分からない。

「お前が誰に雇われてようと、関係ない!」 代理店の男は吐きすてるように言った。ようするに、所在なさげにみんなと同じ椅子に座り、みんなと同じように徹夜すれば良かったんだろう。
20年前の話だが、今も同じだろう。いや、日本全体がそうだ。「理由はない」「とにかく、みんな一緒」。


僕は、学級委員や生徒会の役員になるのが好きだったけど、教室で話し合って何か決めていると、生徒に自主権があると信じ込んでしまう。
実際には、生徒たちが何を議論しようと、何を多数決で決めようと、職員会議で一蹴されてしまう。

敗戦・無条件降伏後の日本のミニチュアだよ。学校の教室は。
日本は間接統治されたから、あたかも日本政府が物事を決めているかに見える。実際は、アメリカ政府の意向が最優先で、アメリカに従わない総理大臣はさっさと降ろされてしまう。朝鮮戦争とか冷戦とか、アメリカの勝手な事情が日本の運命を左右してきた。今だって、そうだ。
だけど、政治家たちは自主権があるフリをつづける。

政治がそんな風だから、商売も「ウソ」と「フリ」をつづける。徹夜したら、仕事した気分になる。理由は説明できないが、スポンサー様より先に帰ってはいけない。中身がない。実体がないことをつづけているのに、翌月には口座に給料が入っている。

しょせん実体がないから、サボっても給料がもらえる。しょせん実体がないから、裏口入学する。しょせん実体がないから、テレビCMで名前の連呼されている企業に入りたがる。
誰も、本当のことをしない。本当のことを言わない。本当のところは、女子選手を罵倒し、怪我まで負わせる柔道の監督。本当のところは、罪のない人を何度も誤認逮捕して、謝ってすませるだけの警察。

ソ連は「ソビエト連邦」の略だと習った。イギリスは、本当は「大英帝国」という。しかし、地図をいくら見ても、日本は「日本」だけで、国の名前がない。


実体のない国だから、偏差値のような「何となくの目安」が好まれる。赤点をとったら留年だが、満点をとる必要はない。偏差値を上回っていれば、そこそこ生きていられる。満点をとるため努力するのは愚か者。満点なんてとりつづけたら、目立ってしまう。目立ったら、嫉妬される。
ようするに、罰ばかりが用意されている。

本当は、「お前が頑張ったおかげで、これだけの成果が上がった」と誉めてやらねばいけないのに。「これは、お前にしか出来ないよ」と、独自性を認めてあげねばならないのに。
「生まれてから、誉められたことがない」という大人がいる。罰を受けた記憶しかない。そういう大人は、幸せも成功もイメージできない。
「無条件降伏」という罰を受けた国だから、理想がない。

明日、仕事をはじめる前に考えてほしい。誉められなければ、誰も幸せになれない。互いに認めあい、本当のことが言えないのなら、あなたの職業は、いつまでも空っぽのままだよ。

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