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月刊モデルグラフィックス 3月号 25日発売
●廣田恵介の組まず語り症候群 第3夜
今回のサブタイトルは「メッキスポークに救われたい」。お題は、フジミ模型の1/12 サイクロン号です。デロリアンを取り上げた前回と、あまり主張が変わってないような……。
没ネタ・コーナーには、私の作った1/35ガンヘッドが掲載されています。
このガンヘッド、ちゃんと見て欲しいので[fg]に投稿しました。→■
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『たまこまーけっと』第3話、今回もいい。元気が出た。
第1話が大晦日、第2話がバレンタイン、第3話で新学期。祭事モノですね。この庶民くささがいい。
今回は、朝霧さんというメガネの子が、たまこのテリトリーへ侵入するエピソード。たまこのテリトリーは、おおきく分けると、まず商店街でしょ。だから、トリを抱いて来た朝霧さんは、商店街の入り口で「私は、ここで」と立ち止まる。
簡単に言うと、朝霧さんが入り口から「中」へ入ってしまえば、たまこのテリトリーに侵入することになる。その「中」と「外」の描き分けは、おそらく、体育館のシーンから始まっていると思う。たまこたち仲良し3人の話す声がオフで入るのは、体育館の「中」の絵でしょ。だけど実際には、彼女たちは体育館の「入り口」に腰掛けている。「中」にいるのは、朝霧さんだけであって。
(後半の体育館のシーンでも、朝霧さんは体育館の「中」に取り残される。トリは体育館の「外」へ追い出されるけど、たまこは「中」に残っている――ってことは、朝霧さんとの距離が縮まったわけだよね。前半よりは。)
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前半の商店街のシーンの絵を見ていくと、豆腐屋、花屋、魚屋、コロッケ屋と回っていくけど、どの店も「入り口」を描いてない。初めからキャラが店の外にいるか、カメラから入り口を外している。朝霧さんは、すでにたまこのテリトリーの「中」へ入っているからね。
そして、たまこの餅屋に着くと、なんと朝霧さんは、最初から「店の中」に立ってるじゃないですか。どんどん、段取りを省いていく。距離感がゼロに近づいていく。
例をあげはじめると、キリがないんだけど……。朝霧さんが、母親からメールを受け取るシーンでは、「たまこの家の中から見た庭」が映る。晩ごはんを食べていく話が決まった後は「庭から見た、ガラス戸の中のたまこと朝霧さん」。誰と誰が「外」にいるのか、「中」にいるのかを意識して見ると、朝霧さんの心理的立ち位置が分かる。
後半、喫茶店へ行くシーンなんて、たまこは「ちょっと“出て”くるね」なんて言っている。で、トリを店の「中」に残して、たまこと朝霧さんが一緒に「外」へ出ていくのが、大事なんだ。
小津安二郎の映画って、畳文化を意識したカメラワークになっているでしょ。『たまこまーけっと』も、商店とか、敷居とか、ガラス戸とか、日本の建築をうまく使って、親しみを出している。その中で、「遠慮」とか「気配り」とか、ささやかな情緒を描いているのが、なんともしっとりしていて、大人っぽいよねえ。
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31日発売の「俺の艦長」(■)、もうamazonでは扱わないのかも?
しかし、この本もワガママなもので、『ガンダム』劇場版三部作は無視しているのに、『ガンダムUC』からはシーンやセリフを拾っていたりするので、そこが読者につっこまれそう。
アニメを通じた「俺語り」なので、そこは許して欲しい。
(C)京都アニメーション/うさぎ山商店街
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