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2013年1月20日 (日)

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輪廻のラグランジェ season 2 第5巻 29日発売
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●ブックレット作成
インタビューは、作監さん3人の鼎談です。
原画は、メカ作監の松村拓哉さんのレイアウト修正を大きく載せました。レイアウトを描くということは、海や空などの自然物、そしてカメラの歪みも描くということですね。

原画を選ぶときは、枚数を多く載せればいいとは限らない。止めで成立しているカットを選ぶ。枚数の多いカットは、スタジオの負担になるので、避ける(制作中にスキャンするのは動画であって、原画はスキャンしてないので……下手をすると、作業料が発生してしまう)。
それはスタジオに気を使っているのではなく、ブックレットの制作日程を考慮し、かつ購入者が「なるほど」と思えるような情報量を見込んでいるからです(止め絵でも見ごたえのあるカットを選ぶ)。


“放射脳”ママが孤立していく、あまりに今日的な劇映画『おだやかな日常』。渋谷のユーロスペースで最終日に見に行ってきた。場所柄か、若くてお洒落な女の子もチラホラ。
1010542_01パッと見て顔の分かる役者は、被災地から避難してきたのに「放射能がうつる」とビラを貼られてキレる、寺島進だけ。あとは、みんな無名の、それゆえにリアルな顔つきをした俳優ばかりだ。
そんな役者たちの「見知らぬ感じ」もリアルだったし、被写界深度の浅いカメラなので、ちょっとした動きで、きれいにピントが外れる、その距離感が心地いい。

とは言え、冒頭、地震警報の不安なメロディだけで、一気に2011年3月11日に引きもどされる。
それからは、既視感の連続だよ。「今は、日本全体で立ち上がるべき時なのよ!」「被曝被曝って、あなたが不安を煽ってるんでしょ?」と、マスコミそのままのセリフを、自己主張のように繰り返すママさん。
「5年後、10年後の不安よりも、今は経済! 経済を回すべきだろ?」と空元気の経営者。みんなみんな、この目で見てきた光景。

その反面、近所の幼稚園に乗り込んで、「マスクさせてください、小さい子にマスクさせてください!」と狂奔する主人公の姿も、きっちり痛々しく描く。「なんですか、宗教ですか?」「気持ち悪い」と言われたり。
これが、あの日からの日本(特に関東、都市部)の現実。「こっちまで来るかな、放射能?」「……ええ~? 来るわけないじゃん! 来ないだろう!」など、会話のリアリティ。
撮影は一年前だったそうだが、こんなきわどい内容、よく一般公開できたよな。
(この作品は、映倫の審査を受けていないっぽい。ユーロスペースは全興連に加入しているけど、それなりのハンデはあるんじゃないかな。)


印象的だったのは、「放射能なんて大したことないわよ」「不安を煽るのはやめなさいよ」「自分だけ助かりたいわけ?」と攻撃的だったママさんの旦那が、電力会社の下請け勤務だと判明するシーン。
彼女は、夫の急な転勤に動揺する。友達に「どうかしたの?」と聞かれて、「旦那がね、海外に転勤するの」と苦しそうに答えるが、福島第一原発に行かされるのであろう……と、推察できる。なかなか、意地の悪い映画ですね。こういう狡猾な描写があるから、面白い。決して、善人の視点からの映画とは言い切れない。とにかく、距離感をキープする。

茫洋とした希望と不安、罪悪感を投げ出すようにして、映画は終わる。


切なかったのは、親子心中をはかったママさんが、老いた母親から「もう大丈夫よ」と、優しく頭をなでられるシーンだ。
Images僕も小さい頃は、こんな風にされていたし、泣き疲れた母の頭を、なでてあげたかった。火葬される直前の母の顔は、氷のように冷たかったからね。
――誰かに、抱きしめてほしかった。母の死んだ日に。それだけが、心残りだね。いまだに。

『おだやかな日常』を見て、帰途についたとき、息苦しいような不安に陥った。僕には、守るべき子どもがいない。家族も、恋人もいない。母の死んだあの日に、すべて失ったんだなあ……と、あらためて思った。
元旦の警察署の冷たい廊下が、この世界の果てだったんだ。この二年間、悪あがきをしてきたんだ。


「俺の艦長」は、まだ予約できないね()。
Fヤマト、ガンダム、マクロス各シリーズのほか、『トップをねらえ!』『銀河漂流バイファム』『青の6号』からも、艦長をピックアップ。
「え? 『バイファム』の艦長って?」という人。ほら、いたじゃないですか。出てきたでしょ、ジェイナス号の艦長!

31日発売です。

(C)odayaka film partners

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コメント

廣田様

『おだやかな日常』、東京と福島の往来を繰り返した自分にしてみると、あまりにも己が物語の一部となり過ぎていて、観たい気持ちと、観たくない気持ちが半々です。

原発事故でたったひとつ幸いと思えるのは、身勝手な経済馬鹿、いい加減な仕事をする馬鹿、くだらん中傷を繰り返す馬鹿・・・僕に言わせれば『非人間』が浮き彫りになったこと。
事故が無ければこういう輩が身近に存在することは分からなかったでしょう。
そのなかでも『放射脳』という言葉を使う奴の頭の悪さは際立っています。
新しい言葉を覚えた幼稚園児の如く、ネット上で『放射脳』と書き散らしていますが、あとから恥ずかしい気持ちになることでしょう。調子に乗って卒業文集に書いた寄せ書きのように。
いや、そんなメンタリティは持ち合わせていないかな。

いずれにせよ、事故や食品汚染は続いており、深刻な状況は変りません。
つまらん連中の言葉に惑わされず、原発にはNOの立場をとり、淡々と放射能から身を守る行動を継続すればいいのです。
いくら中傷されても痛くも痒くもないですが、実際に放射能で身体を蝕まれるのは辛いことですから。

それから、廣田さんはご自身に「守るべきものはない」と仰いますが、貴方の文章や行動により、勇気を得ている方は少なくないと思います。
僕もその一人ですし、それは心の片隅に置いておいて下さい。

ところで!『俺の艦長』、僕はamazonではなく、近所の書店で予約することにしました。
書店のレジにて、スマホでamazonの書籍情報を呼び出し、店員の女の子にそれを見せつつ予約の旨を告げると、彼女はレジ脇のパソコンを操作、予約手続きをしているのかと思いきや、彼女もamazonの画面を出して「こちらですよね?」と・・・
なんですか、この違和感は(笑)

投稿: かまた | 2013年1月21日 (月) 02時24分

■かまた様
>そのなかでも『放射脳』という言葉を使う奴の頭の悪さは際立っています。

映画の中には、「放射脳」という言葉は出てきませんが、撮影時には流行ってなかったのかも知れません。
この映画は、従来の人間関係が崩壊し、苦労して新しい関係を結び直す物語です。その過程を、生身で体験した人には「見るまでもない」作品なのかも知れません。

>いくら中傷されても痛くも痒くもないですが、実際に放射能で身体を蝕まれるのは辛いことですから。

汚染の、ほぼ皆無だった地域の方には、分かりづらい感覚でしょうね。というか、東京でも気にしているのは少数派……数万人ぐらいでは?
僕のように「守るべき家族がいない」と、ますます無神経になっていくでしょう。罪悪感だけが、かろうじて僕の正気を保ってくれています。

>貴方の文章や行動により、勇気を得ている方は少なくないと思います。

すみません、そういう方は、少ないと思います(笑)。
ネットでは、人の失敗を探し回って安心したい人間が多いのですが、特に原発事故以降、そういう人の訪問が多くなりました。
だから、他人の人生を出歯亀してニヤニヤしている連中の存在も、またあぶり出された……と、僕は感じています。

>ところで!『俺の艦長』、僕はamazonではなく、近所の書店で予約することにしました。

ありがとうございます! 地域の書店にとっても、出版社にとっても、それが一番嬉しいみたいです。
僕もよく、amazonで見つけた書籍を、地元の本屋で探したりします。どうしても売ってなければ、amazonで買う。ネットのない時代を知るオールド・タイプの、ささやかな楽しみです。

投稿: 廣田恵介 | 2013年1月21日 (月) 09時34分

廣田様

>汚染の、ほぼ皆無だった地域の方には、分かりづらい感覚でしょうね。というか、東京でも気にしているのは少数派……数万人ぐらいでは?

そう思います。
僕の周りには注意している方が多いので、ついつい多めに勘定しちゃいます。

仮に僕が西日本に在住していたら、放射能に注意する人に対して「大袈裟だなぁ」とか、逆に「もっと注意しないと!」とか色々な感想を抱いたと思うのです。
もちろん、無神経になっていた可能性もあります。
やはり、想像が及ばないのは仕方ないこととは思うのです。
だからと言って、そういう方々を馬鹿にする発言は絶対に出来ないし・・・思いつきもしないでしょう。

『放射脳』と馬鹿のひとつ覚えみたいに言い続ける非人間は、ネットの世界では強気でも、現実世界では思うように生きられず、悲しい人生を送っているのでは。

>すみません、そういう方は、少ないと思います(笑)。

自覚していませんが、僕はマイノリティなのでしょう(笑)
では、言い方を変えて、少なくとも僕は廣田さんの言葉や文章に励まされています。

>地域の書店にとっても、出版社にとっても、それが一番嬉しいみたいです。

今日、本屋さんから「初回分は在庫切れ」と連絡がありました!
amazonで予約も開始していないのに?と、思いましたが、もしかしたらamazonのような大手が発売前に全数押さえてしまっているとか?この業界には疎いので分かりません。
本屋さんは「もうちょっと努力するので時間が欲しい」とのことでした。頑張れ!


投稿: かまた | 2013年1月21日 (月) 23時51分

■かまた様
>だからと言って、そういう方々を馬鹿にする発言は絶対に出来ないし・・・思いつきもしないでしょう。

私は原発事故直後、他のブログでも、当時やっていたmixiでも「東京なんて被曝していないだろ、安全だろ」と、さんざん言われました。
放射能どころか、地震すらなかった地方の方々ばかりでした。今、彼らは「東京はヤバイ!」と口々に言っていますよね(笑)。「関東なんかに居たら死ぬ」「東京はもうダメだ」とか。

ただの一言も、謝罪を聞いたことがありません。

>では、言い方を変えて、少なくとも僕は廣田さんの言葉や文章に励まされています。

僕の言っていることの裏には、偉大な先達たちの存在があります。あの人たちにインタビューできたから、偉そうに言えるのです。

>今日、本屋さんから「初回分は在庫切れ」と連絡がありました!

うーん……刷り部数が、同人誌並に少ないですから。amazonに限らず、「もし予約が開始されたら対応できないかも?」というだけの話でしょう。

>本屋さんは「もうちょっと努力するので時間が欲しい」とのことでした。

ええ、少したてば、ほとんど余っていることが明らかになるでしょう。
表紙以外、売れる要素が皆無ですから(笑)。申し訳ないけど、これが私の限界です。

投稿: 廣田恵介 | 2013年1月22日 (火) 01時06分

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