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2013年1月16日 (水)

■0116■

フランス映画『スペシャル・フォース』。題名どおりの派手な戦争アクション物かと思いきや、それは前半まで。
Specialforces特殊部隊が、ジャーナリストの女性を武装組織から奪還する、ありふれたプロット。しかし、カメラワークと編集にメリハリがあり、まったく飽きない。
「それにしても、この特殊部隊は無敵すぎるんじゃないか?」と苦笑していると、ひとりまたひとりと倒れていく。そして、民間人を連れた国境ごえは果てしがなく、えんえんと終わらない。
テロップで「1日目」と出たら、だいたい、キリよく「7日目」で救出されたりするでしょ。だけど、敵のボスを倒しても、国境をこえて逃げのび、ついには女性ジャーナリストひとりになっても、まだまだ、ずーっと苛酷な旅がつづく。
ラストがどうなるかなんて、完璧にどうでもいい。軍隊が軍隊でなくなり、単に生きのびることだけを目的にしていく過程が、最大の見どころなのであって。

僕が好きなのは、3人までに減った特殊部隊の男たちが、凍傷になった女性ジャーナリストを、かわるがわる背負うシーンだ。まったく同じアングルで、男たちだけが入れ替わっていく。この乾いた演出が、かえって人間臭くていい。


この女性ジャーナリストは、フランス軍の中東への派兵に反対しているという設定だ。特殊部隊の隊長は、「あなたの記事は優れているが、政治と任務は別です」と、彼女に言い訳めいたことを言うが、彼らの任務が、政治から離れていく過程を描いた映画でもある。

……とは言え、フランス軍全面協力だから、少なくとも前半はカッコよく描きすぎるな。空母や戦闘機も出てくるが、必然性は薄い。
「政治と任務は別」なら、「政治と表現も別」と思いたいところ。映画を見たそれぞれが、判断してほしい。現在のフランス軍の西アフリカでの動きなんかも、考慮にいれて。


どこで見た文章かは忘れてしまったけど、「自分の感想が書けず、公式サイトの文章をそのままコピペして、自分の感想と思っている人が増えた」とか。
あのね、僕らの仕事ですら、「勝手な解釈、しないでください」と怒られるんです。「こんな文章、たかが一ライターに過ぎない、お前の考えにすぎないじゃん」って。
だけど僕、『輪廻のラグランジェ』公式サイトでは、ストーリーからキャラ解説まで書いて、メカ設定の一部にいたっては、僕の創作ですからね。つまり、公式サイトの文章だって「どっかの個人が書いたに過ぎない」わけです。

でね、事前に情報を知っている個人は、作品を見て感動した個人には、勝てないんです。情報よりも、情緒のほうが、絶対に強い。
狭い業界の人より、どこの誰とも認識されていないアナタの方が強い。業界の人は作品に縛られているけど(悪いと思っていても悪く書けないとか)、アナタは作品の前で、世界でいちばん自由になれるんだよ。その自由を行使しないと、人生、損するばかりだよ。
感情に素直になれれば、もう怖いものなんてない。


自分の文章力に自信がないんだったら、本を読み、人と話してください。すばらしい本が見つからなくても、すばらしい人が近くにいなくても、その現実を肯定する。その現実しかないし、その現実しか肯定できない。それって、アナタにしか出来ないことだよ。
自分の世界を肯定すれば、ポジティブな言葉が出てくると思うよ。

アナタの解釈は、アナタからしか生まれない。それは「誰にも強制されていない」証拠じゃないですか。どこへ行っても強制される今の社会で、作品とアナタの関係だけは、無限に自由なんだ。自信をもっていい。

(C)studio canal 2011

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